数理教育研究会

フェリス女学院中学校 算数 問題 解説&入試分析★2018年(H30年)

フェリス女学院を取り上げます。
2018年度の受験者数は386人で合格者196人、倍率は1.97倍です。

平均点は
国語:60/100
算数:48/100
社会:38/60
理科:35/60

と例年のように算数が低く、勉強すればとれる問題が多いので他の受験生に大きな差をつけやすい教科でもあります。

それでは図形の回転の理解が深まりそうな問題をとりあげます。

(問題)H30年 フェリス女学院中学校 第3問
四角形ABCDを,(あ)図のように矢印の向きに回転させ,四角形EFGDと重なるように動かすことを,「四角形ABCDを点Dのまわりに,時計まわりに90°回転させる」といいます。次の[ア],[イ],[ウ]にあてはまる数をそれぞれ求めなさい。
feri2018km1_201804161531590d1.jpg

(1)(い)図は,ある四角形を点Oのまわりに,時計まわりに90°回転させるとき,その四角形が通るところを表したものです。曲線⌒PRは点Oを中心とする円の一部です。3つの点Q,O,Rは一直線上にならんでいます。また,直線PQの長さと直線QOの長さは等しいです。この四角形の角のうち,最も小さい角の大きさは[ア]°です。
feri2018km2_2018041615320037f.jpg

(2)(い)図は,(1)とは別の四角形を点Oのまわりに時計まわりに[      ]°回転させたとき,その四角形が通ったところを表したものと考えることができます。[      ]にあてはまる数のうち,最も小さいものは[イ]で,そのときの四角形の角のうち,最も小さい角の大きさは[ウ]°です。
feri2018km3_20180416153202c35.jpg

平面図形の回転のポイントの一つは端に注目します。
feri2018k1_201804161532033d3.jpg
図のように回転して通るところの端に元の図形の端の形があらわれます。
回転して青の実線は青の破線に,赤の実線は赤の破線になります。
(1)
feri2018k2_2018041615320551f.jpg
図のように左の端は青の実線のOQとOP,右の端は赤の破線ORの部分の形になります。
赤の破線を90°逆に回転させて元に戻してOR’を考えます。
feri2018k3_20180416153218e40.jpg
すると元の図形はPとR’を直線で結んで四角形OR’PQとなることがわかります。
∠POR’=90°-30°=60°

OP=OR’
より△OR’Pは正三角形となるので最も小さい角の大きさは∠OR’P=60°とわかります。

(2)
feri2018k4_20180416153220507.jpg
(1)の図形では図のように緑の扇形の弧R’P’の部分が重なっているので,ここが重ならない(P’とR’が同じ点になる)ように回転させたら良さそうです。
つまり90°回転から30°÷2=15°ひいて75°回転を考えます。
feri2018k5_20180416153221a05.jpg
すると図より
∠POP’=75°
OP=OP’
から最も小さい角の大きさは∠OP’P=(180-75°)÷2=52.5°となります。

フェリス女学院はどういう解き方をしたら良いかを求められる問題をよく出します。
しっかり過去問で練習していきましょう!(畠田)

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