数理教育研究会

ラ・サール中学校 入試分析 算数 2018(H30)

ラ・サールの問題を扱いたいと思います。

場合分けの整理の仕方など基礎的なことや、テクニックまで勉強になりそうな問題をとりあげます。

(問題)H30 ラ・サール中学校 算数 大問2(2)
何枚かのコインを横一列に並べます。3枚以上表が連続するところがある並べ方は何通りですか。次の場合について答えなさい。
(ア)5枚を並べるとき
(イ)6枚を並べるとき

(ア)
場合の数の問題は何か基準を決めて数えるのがポイントになります。
一つの方法として表の枚数で場合分けして数えてみましょう。

○を表,×を裏とします。
(a)表が3枚の時
○○○××
×○○○×
××○○○
の3通り

(b)表が4枚の時
○○○○×
○○○×○
○×○○○
×○○○○
の4通り

(c)表が5枚の時
○○○○○
の1通り

合計3+4+1=8通り

(イ)同じように表の枚数で場合分けして数えてみますが、更には何枚ずつにわかれるかを基準に整理してみます。

(a)表が3枚の時
○○○×××
×○○○××
××○○○×
×××○○○
の4通り

(b)表が4枚の時
○○○○××
×○○○○×
××○○○○
○○○×○×
○○○××○
×○○○×○
○×○○○×
○××○○○
×○×○○○
の9通り

(c)表が5枚の時
○○○○○×
○○○○×○
○○○×○○
○○×○○○
○×○○○○
×○○○○○
の6通り

(d)表が6枚の時
○○○○○○
の1通り

で合計20通りとなります。

このようにある基準で整理して漏れなく、ダブることなく数えることはあらゆる場合の数の問題に通じる大切なことです。

もう一つのアプローチの仕方として
3枚以上連続しない場合を数えて全体から引く
のように逆を考える方法もよくあるので、それでやってみましょう。

6枚の場合、全部で
2×2×2×2×2×2=64通り

左から考えてみると
×(5つの場合)
○×(4つの場合)
○○×(3つの場合)
と場合分けすることができます。

それでは5つの場合は
×(4つの場合)
○×(3つの場合)
○○×(2つの場合)
と場合分けすることができます。

それでは4つの場合は
×(3つの場合)
○×(2つの場合)
○○×(1つの場合)

それでは3つの場合は
×(2つの場合)
○×(1つの場合)
○○×

それでは2つの場合は
×(1つの場合)
○×
○○

それでは1つの場合は

×
の2通りです。

と言うことは
(2つの場合)=(1つの場合)+1+1
=2+1+1
=4

(3つの場合)=(2つの場合)+(1つの場合)+1
=4+2+1
=7

(4つの場合)=(3つの場合)+(2つの場合)+(1つの場合)
=7+4+2
=13

(5つの場合)=(4つの場合)+(3つの場合)+(2つの場合)
=13+7+4
=24

(6つの場合)=(5つの場合)+(4つの場合)+(3つの場合)
=24+13+7
=44

よって
64-44=20通り
と求まります。

※前2つの場合の数の和になる数のことをフィボナッチ数と言ったように
今回の前3つの場合の数の和になる数のことをトリボナッチ数と言います。
フィボナッチ数 1,1,2,3,5,8,13,21,34,55,89,…
トリボナッチ数 1,1,2,4,7,13,24,44,81,…

整理する方法など基礎的な練習と、アプローチの仕方のテクニックを勉強することで得点に反映されます。
がんばりましょう(畠田)

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