数理教育研究会

東大寺学園中学校 算数 2019(H31)入試分析

今回は東大寺中学を扱います。

【資料分析】
倍率に大きな変動はありませんでしたが少し高めでした。

受験者数 791名→834名→894名→911名→884名
合格者数 325名→347名→364名→373名→351名
実質倍率 2.43 →2.40 →2.46 →2.44→2.52

算数は平均点が例年よりも一番低く,難しい問題はありませんでしたが、点数はとりにくかったようです。
算数の受験者平均
51.9点→62.4点→53.4点→53.8点→47.0点

7割とれると、かなりアドバンテージになります!

【問題分析】
○大問1
小問集合ですが最初の計算問題以外の問題は意外に難しいです。
(1)計算問題ですが,ごり押しではなく約分されるかもしれないので掛け算はそのままにしておきましょう。
2019÷3=673なので
674×(1/☐-1/675)-1/675=1/673
よって
1/675+1/673=674×2/(675×673)
より
674×(1/☐-1/675)=674×2/(675×673)
から674で両辺割ります。
(1/☐-1/675)=2/(675×673)
2/(675×673)+1/675=675/(675×673)=1/673
より☐=673とわかります。
このようにかけ算はそのままにして計算して約分するなど複雑な処理よりも,数学的な数式の扱い方が問われています。

(2)消費税ではありませんが消費税のような問題です。
いきなりどうなるのか考えると難しいので、書いてみます。
x=10の時,P=10×108=1080,10×1.08=10.8→11,Q=11×100=1100,差1100-1080=20
x=11の時,P=11×108=1188,11×1.08=11.88→12,Q=12×100=1200,差1200-1188=12
x=12の時,P=12×108=1296,12×1.08=12.96→13,Q=13×100=1300,差1300-1296=4
x=13の時,P=13×108=1404,13×1.08=14.04→14,Q=14×100=1400,差1404-1400=4
x=14の時,P=14×108=1512,14×1.08=15.12→15,Q=15×100=1500,差1512-1500=12

こう見るとPとQの差が12になるのはxに1.08をかけた時に小数部分が88か12の場合であることがわかります。
更に言うとxに8をかけた時に下2桁が88か12になる場合です。

8の倍数になる条件は
・下2桁が8の倍数かつ百の位が偶数→下2桁が88で百の位が偶数
・下2桁が4の倍数であるが8の倍数でないかつ百の位が奇数→下2桁が12で百の位が奇数
です。
よってxの値は
88÷8=11,288÷8=36,488÷8=61,688÷8=86
112÷8=14,312÷8=39,512÷8=64,712÷8=89
とわかりました。
11+36+61+86+14+39+64+89=400

(3)シンプルですが意外とわかりにくいかもしれません。
使うことは
底辺が共通な三角形の高さの比は面積の比に等しい
高さが共通な三角形の底辺の比は面積の比に等しい
と言うことぐらいではありますが、問題を解くときにそんな基礎的なことでもきっちり意識して見つけるようにしていく「高いレベルの解ける」が必要になります。
toudaiji_2019_m1-3_kaisetu1 0321
① AF:FD=6:5より△EFD=△AFE×5/6=10/3
② 赤の三角形と青の三角形は底辺共通よりBA:BE=赤:青=(5+6):(10/3+5)=33:25
よって△EBD=△AED×25/(33-25)=(4+10/3)×25/8=275/12cm^2

○大問2
カレンダーの問題です。
典型的な問題で全部正解が目標ですが1つずれたり,ミスが多発しそうなのでたくさん練習しておきたいところです。
(1)
toudaiji_2019_m2_kaisetu1.jpg
うるう年とうるう年でない、ぐるぐるカレンダーでも書いてください。
2/1と8/1が同じ曜日であることから、うるう年とわかります。

すると1/1と同じなのは4/1,7/1とわかります。

(2)
1+8+15+22+29=75
2+9+16+23+30=79
3+10+17+24=54
4+11+18+25=58
5+12+19+26=62
6+13+20+27=66
7+14+21+28=70
より3,4,5日が水曜日として考えられるので
1日は土曜日,日曜日,月曜日が考えられる。

(3)①
1+8+15+22+29=75
2+9+16+23+30=79
3+10+17+24+31=85
4+11+18+25=58
5+12+19+26=62
6+13+20+27=66
7+14+21+28=70
より10月では1,2,3,7日が月曜日として考えれる。
よって10/1は土,日,月,火曜日が考えられる。
ぐるぐるカレンダーより6/1より10/1の方が3つ曜日が進むので
6/1土曜日,10/1火曜日の組み合わせのみ。
1/1は10/1の1つ前の曜日なので月曜日

②翌年なのでうるう年でない方のぐるぐるカレンダーから2/1,3/1,11/1が一番多い。
うるう年は366÷7=52…2よりX年の1/1より翌年1/1は曜日が2つ進み水曜日
2/1はそこから3つ曜日が進んで土曜日

○大問3
(1)基本的な問題でしっかりミスのないように点数を固めたいです。
①直線アについて左側を折り返すと右側の台形の回転体を考えたらよくなることがわかります。
直線ACのまわりに1回転9×9×3.14×9÷3=243×3.14cm^3
直線アのまわりに1回転6×6×3.14×9-6×6×3.14×6÷3=252×3.14cm^3
よって252/243=28/27倍
②直線イについて左側を折り返して右側にできた図形の回転体を考えます。
直線イのまわりに1回転6×6×3.14×6÷3+(3×3×3.14×6-3×3×3.14×3÷3×2)=108×3.14
よって108/243=4/9倍

(2)この問題を扱いと思います。

○大問4
旅人算の問題です。
ダイアグラムを書いて慣れていれば、堅く解ける問題です。
最後の問題で時間が厳しいかもしれませんが、稼ぎたいですね。
toudaiji_2019_m4_kaisetu1.jpg
(1)青い2つの三角形の相似を考えると5:4なので12.5×4/5=10分
(2)進む距離が同じ時,速さとかかる時間は逆比になるので,中学生が小学生を追い越した地点からDまでの距離について赤い2つの三角形の底辺の比に注目すると,小学生と中学生のかかる時間の比は
(10+16):(10+35/3)=6:5
より中学生と小学生の速さの比は6:5
(3)AB:BC=5:4,AB:BD=12.5:16=25:32より比をあわせてAB:BC:CD=25:20:12なので
DC:CA=12:45=4:15
緑の2つの三角形は図のようにおけて⑥=12.5+10×15/4=12.5+37.5=50
より①=50÷6=25/3から8分20秒とわかりました。

それでは
大問3の(2)をとりあげます。
問題はシンプルで解き方も複雑ではありませんが,意外と解けない問題です。
問題にどうアプローチしていくか問われます。
(問題)H31 東大寺学園中学校 算数 大問3番(2)
大小2個の正三角形ABCと正三角形PQRを下の3つの図のように重ねました。
【図1】RQとBCが平行で,AがRQの真ん中の点と重なる。
【図2】RQとBCが平行で,PがBCの真ん中の点と重なる。
【図3】RQとBCが平行で,3つの正三角形ア,イ,ウがすべて合同になる。
toudaiji_2019_m3-2.jpg
それぞれの図において,正三角形ABCと正三角形PQRが重なっている部分の面積(図の塗りつぶした部分)を考えます。【図1】において,正三角形ABCと正三角形PQRが重なっている部分の面積は10cm^2で,【図2】において,正三角形ABCと正三角形PQRが重なっている部分の面積は14cm^2でした。
①正三角形PQRの面積を求めなさい。
②【図3】において,正三角形ABCと正三角形PQRが重なっている部分の面積を求めなさい

[解説]

toudaiji_2019_m3_kaisetu1.jpg
図のようにAがRQの中点でそれぞれ正三角形になっていくので合同な4つの正三角形になり10÷2×4=20cm^2


toudaiji_2019_m3_kaisetu2.jpg
図2から図3に動かしていくと,どうなるか考えてみます。
まず図2では重なっている部分は14cm^2より正三角形PQRの小さい正三角形ウ’の面積は(20-14)÷2=3cm^2になります。
そして図2の正三角形PQRと図3の正三角形PQRは対応している点同士の長さはすべて同じ長さになります。
正三角形ア、イ、ウの一辺の長さを[2]とすると緑の部分が合同になります。紫の部分が長さが等しくなり[2]となるので
ウ’は一辺の長さ[3]とわかります。
よってウとウ’の面積の比は2×2:3×3=4:9よりウの面積は3×4/9=4/3
したがって重なっている部分の面積は20-4/3×3=16cm^2(畠田)

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