数理教育研究会

武蔵中学校 理科 問題解説&入試分析★2020年(R2年)

今回は武蔵中学の理科を扱います

【問題分析】
大問1…仲間はずれを見つける問題ですがしっかり勉強していれば習ったことでわかるようにだいたい作られています。普段からテキストの注釈とかまで読んだりしておきたいところです。

大問2…問1は気象,問2は大地の変化の問題ですが、問3以降は生物の問題です。基本的な知識と理解が必要で、その上にその場で考えて解く問題です。細かい知識よりも、基本的なことをしっかりと理解しておく勉強が必要です。

大問3…今回はこれを扱います。

(問題)R2 武蔵中学 大問3
袋の中に、リング状の磁石が2つ入っています。2つの磁石は、引き離しやすくするために意図で結んであり、どちらもN極に黒いシールが貼ってあります。2つの磁石をつけたり離したりしてみると、つき方が何種類かあることに気づくでしょう。すべての種類について、下の表にN極とS極の区別ができる図をかいて説明しなさい。
ただし、磁石がついてるときに、全体を裏返したり回したりすると同じつき方になるものは1種類と考えます。


[解説]おみやげ問題ということで、実際には試験会場で磁石が配られるのでみんな正解したとは思います。
ここでは解説を書いておくと
磁石はどういうものかというと、物質は原子で出来ています。
そしてその原子には原子核があり,その周りを電子が回っています。

電子が回ると回転面に対して垂直に磁力線が発生します。
どの原子も電子の回転面が平行にそろっていれば、磁力線の方向がそろって物質全体として磁力線が発生している磁石となります。

よって磁石はどの原子においてもS極からN極に向かって磁力線が発生しているので、そういう風にリングの磁石を描くと
musasi_2020_rika_kaisetu_m3-1.jpg

こうなります。

するとリングの穴のところと外側は磁力線の向きが逆になるので直径を通る断面で考えると
musasi_2020_rika_kaisetu_m3-7.jpg

図のようになるので、磁石は磁力線の向きが一致するようにくっつくので次の5通りになります。

○一つのリングとN極の面ともう一つのリングのS極の面がぴったりくっつく。
musasi_2020_rika_kaisetu_m3-3.jpg

○一つのリングをN極の面を上に、もう一つのリングをS極の面を上にして上のリングの中央に下のリングの端がくるようにくっつく中央
musasi_2020_rika_kaisetu_m3-4.jpg

○一つのリングをS極の面を上に、もう一つのリングをN極の面を上にして上のリングの中央に下のリングの端がくるようにくっつく中央
musasi_2020_rika_kaisetu_m3-5.jpg

○一つのリングのN極の面の端と,もう一つのリングのS極の面の端が幅がぴったりあうようにくっつく
musasi_2020_rika_kaisetu_m3-8.jpg

○一つのリングのN極の面を上に、もう一つのリングのN極を下にして側面がくっつく。
musasi_2020_rika_kaisetu_m3-9.jpg

実際には試験会場で色々やって答えにはたどりつくと思います。
後は論点をおさえた記述がポイントです。
がんばってください(畠田)

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