数理教育研究会

武蔵中学校 算数 問題解説&入試分析★2018年(H30年)

今回は武蔵中学をとりあげたいと思います。

受験者数541 合格者数185で実質倍率2.9

教科別の平均点は(満点 合格者平均点 受験者平均点)の順に
国語(100 82.3 75.9)
算数(100 66.9 46.3)
社会(60 35.8 33.4)
理科(60 36.5 31.3)
合計(320 221.5 186.9)
合格最低点201/320

今年の算数は難易度は高くはなかったです。
しかし例年のように受験者平均点と合格者平均点の差が20点こえています。
算数は合否に大きく影響したと思われます。

それでは武蔵の最後の問題でよくあるアプローチの仕方の練習で差が出る問題をとりあげます、

(問題)H30年 武蔵中学校 算数 大問4
1以上の整数Aについて,次のような規則で整数Bを決めます。これを以下「操作」と呼びます。
㋐ Aを3で割ったときの余りが2のとき…Aに1をたした数を3で割ったときの商をBとする。
㋑ それ以外のとき…Aに1をたした数をBとする。

このとき,A→Bのように表します。例えば,35→12となります。また操作を繰り返すときは,46→47→16→17のように表します。次の問に答えなさい。

(1) 次の[      ]にあてはまる数を書き入れなさい。119→[      ]→[      ]→[      ]→[      ]

(2)P→[      ]→[      ]→4となるとき,Pにあてはまる数を小さい方から順にすべて答えなさい。

(3)4→5→2→1のように,整数4は3回の操作で初めて1になります。
① 10以下の整数のうち,初めて1になるまでの操作の回数が最も多いのは何ですか。また,操作は何回必要ですか。
② ①の「10以下」を「50以下」に変えると答えはどうなりますか。

 

(1)119→120÷3=4041→42÷3=14→15÷3=5

(2)逆の操作をしていくことを考えることになります。
4になるのは3か4×3-1=11です。
3になるのは2か3×3-1=8です。

こう考えてくと樹形図を描けばよさそうですね。
musashi2018k1.jpg

よって7,9,23,29,31,95とわかりました。

(3)①これも逆の操作をしていくことを考えたらよさそうです。
樹形図を描いてみます。
10を超えるものは除外すると図のようになります。
musashi2018k2_20180331184545d93.jpg

よって67回の場合が最も多いです。

②同じように逆の操作をしていくことを考えますが、50以下では樹形図は大変そうです。
①から何かわからないか考えてみます。①の変化を見ると
1→2→5→4→3→8→7→6
このうち1→2→5の部分は1通りなので
5→4→3→8→7→6
を見てみましょう。

すると㋐の操作は数字が大きくなるので㋑2回,㋐1回の繰り返しで㋐をできるだけ避けていることがわかります。
これと同じように考えて㋑2回,㋐1回の繰り返しを続けると
5→4→3→8→7→6→17→16→15→44→43→42
で㋑㋑㋐㋑㋑㋐㋑㋑㋐㋑㋑となります。
これは11回の操作のうち㋐の回数は3回の場合が最小なのでこれ以外の操作で11回やると㋐は4回以上になります。
しかし㋐の操作を1つ多くすれば50をこえてしまいます。
なので最初の2回も加えて2+11=13回42になる場合がもっとも多いことがわかりました。

武蔵の算数は奇問などはなく,算数の勉強量の差があらわれやすく合否に大きく影響します。
しっかり算数を勉強しておきましょう(畠田)

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