数理教育研究会

武蔵中学校 算数 問題解説&入試分析★2019年(H31年)

今回は武蔵中学校を扱いと思います

【入試資料分析】

倍率は例年通りです。

受験者数569 合格者数186で実質倍率3.1

算数は今年は受験者平均が近年ではもっとも低くなりました

教科別の平均点は(満点 合格者平均点 受験者平均点)の順に
国語(100 74.1 65.6)
算数(100 55.2 39.4)
社会(60 38.2 33.4)
理科(60 37.7 32.2)
合計(320 205.2 170.5)
合格最低点185/320

【問題分析】
○大問1
よくあるような約数の問題ですが,程度が高い発展問題まで勉強しておく必要があります。
(1)素数を書いていって
2,3,5,7,11,13,17,19,23,29,31
なので31は小さい方から11番目
2+3+5+7+11+13+17+19+23+29+31=160
160=2×2×2×2×2×5
より2の使い方は0,1,2,3,4,5個の6通り,5の使い方は0,1個の2通り
よって6×2=12個
あまり算数では使わない計算の仕方なので全部約数を書いてもオッケーです。
(逆数の和)=(約数の総和)÷(元の整数)です。
約数の総和は(1+2+4+8+16+32)×(1+5)=378
なので378÷160=189/80
約数の総和はこれもあまり算数では使わない計算の仕方なのでごり押しで全部足してもいいです。

(2)1×2×3×…×2019は下から0がいくつ続きますか?という問題は5で何回割り切れるかということになりましたが、それと同じ解法の問題です。
10000÷31=322あまり18
322÷31=10あまり12
で322+10=333回

○大問2
簡単な相似の問題なので満点をとりましょう。
(1)
musasi_2019_m2_kaisetu.jpg
緑の直角三角形が相似になります。
よって図のように長さが⑤,⑦とおけて⑤+⑦=8よりCF=⑤=10/3cmとわかります。
(2)三角形GFCの面積が10cm²よりGC=10×2÷CF=6cm
よってAB=6×(2+5)/5=42/5cm
(3)BF=6+8-10/3=32/3
8:32/3=3:4より
高さはAB×4/(3+4)=24/5
よって面積は32/3×24/5÷2=25.6cm²

○大問3
点の移動の問題です。
処理の仕方を練習していたら、簡単な問題かもしれませんが武蔵ではそんなに出ている印象はありません。
練習不足になっていれば時間がかかったりミスが多くなるかもしれません。

この問題の処理の仕方のポイントは図のように頂点に到達した時の時間を書いていくことです。
musasi_2019_m3_kaisetu.jpg
(1)25秒までは点QはCからDに向かうので
5から10秒の間で平行四辺形になるのは15-[3]=[2]から[1]=3秒より5+3=8秒後
10秒から20秒の間で平行四辺形にあるのは[3]-15=[2]から[1]=15で5+15=20秒後
(2)8秒後では底辺の長さは2×3=6cm,18秒後での底辺の長さは2×15=30cm
よって75×30/6=275cm²
(3)最小になるのは点PまたQが頂点にきたときで40秒ごとに繰り返すので10秒から50秒まで調べます。
10,20,25,30,40,45秒後を調べると10秒が一番小さいので50秒も一番小さくなり
底辺の長さが5×2=10なので75×(10+0)/(6+6)=62.5cm²

大問4をとりあげたいと思います。
武蔵定番の第4問の場合の数の問題です。
整理や処理の仕方,どこまで手をつけるべきか難易度の見極めなど勉強になります。
(3)(ア)ぐらいまではとりたいところです。

(問題)H31年 武蔵中学校 算数 大問4
<図1>のように,たて3cm,横6cmの長方形があります。これを1cmごとに区切ってできる18個のます目に,次の[ルール]で色をぬります。
[ルール]
・それぞれの列について,3つのます目のうち少なくとも1つはぬる。
・色をぬったます目の真下のます目はすべてぬる。
例えば、<図2>の場合,ぬった部分の面積は13cm2,まわりの長さは20cmとなります。次の問に答えなさい。
musasi_2019_mondai4.jpg
(1)面積が17cm²となったとき,まわりの長さとして考えられる長さをすべて求めなさい。
(2)面積が15cm²となったとき,
(ア)まわりの長さとして考えられる長さをすべて求めなさい。

(イ)まわりの長さが最も長くなるようなぬり方は何通りありますか。

(3)まわりの長さが最も長くなったとき,
(ア)面積が最も大きくなる場合と最も小さくなる場合の例を1つずつ,右のます目にぬりなさい。
(イ)ます目のぬり方は(ア)の2通りもふくめて,全部で何通りありますか。

(1)6×3-17=1より1つだけます目を塗らない状態です。
musashi4-1-1.jpg
塗らないます目があるのが1または6列目の場合,18cm
musahi-4-1-2.jpg
塗らないます目があるのが2または3または4または5列目の場合,20cm

(2)
(ア)塗らないます目は6×3-15=3より3ますです。
musasi_2019_m4-2_kaisetu.jpg
まわりの長さが一番小さいのは3×2+6×2=18

長方形に縦の辺が新たに出来ると2cmずつ長くなります。
よって18,20,22,24cmです。

(イ)両端以外に縦の辺を6つできるようにすればよい。
1ます塗らない列と,2ます塗らない列が両端以外かつ隣り合わなければよい。
(1ます塗らない列,2ます塗らない列)=(2,4),(2,5),(3,5),(4,2),(5,2),(5,3)の6通り

(3)縦の辺が出来るだけ多くなればよく、全部で縦が14辺できる。
(ア)
musashi_2019_m4-3-1.jpg
面積がもっとも大きくなるのは2つの隣り合わず両端でない列を2ます塗らなければよいので例えば2列目と4列目を2ます塗らなければよい。

musashi_2019_m4-3-2.jpg
もっとも小さくなるのは3ます塗られていない列が3つ隣り合わせないように並び,残りは1ますの列になればよいので例えば
1列目,3列目,5列目は1ますで残りの列は3ます塗ればよい。

(イ)最も大きくなる場合は4ます塗らない
最も小さくなる場合は6ます塗らない
よって4ます塗らない,5ます塗らない、6ます塗らない場合が考えられる。

○4ます塗らない場合
2ます塗られていない列の組み合わせは
(2,4),(2,5),(3,5)の3通り

○5ます塗らない場合
musashi_2019_m4-3-3.jpg
2ます塗られていない列が2つと1ます塗られてない列の組みあわせは
(2ます塗られていない列が2組,1ます塗られていない列)=((2,4),5),((2,4),6),((2,5),3),((2,5),4),((3,5),1),((3,5),2)の6通り

○6ます塗らない場合
3ます塗られている列3つの組み合わせは
(1,3,5),(1,3,6),(1,4,6),(2,4,6)の4通り

よって全部で3+4+6=13通り(畠田)

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