数理教育研究会

駒場東邦中学校 算数 問題 解説★2018年(H30年)

今回は駒場東邦中学校をとりあげます。

受験者数 500名,合格者数 284名で実質倍率1.76です。
教科ごとの点数は(平均点 合格者平均点 配点)の順に
国語(58.9 64.3 120)
社会(48.9 52.7 80)
算数(79.9 87.3 120)
理科(39.3 42.4 80)
合計(227.0 246.8 400)

合格最低点は226点

今年の算数は例年より,平均点と合格者平均点の差が小さく、差がつきにくかったようです。
簡単な問題でも整理の仕方,で差がついたであろう場合の数の問題をとりあげます。

(問題)H30年 駒場東邦中学 大問4
右ページの図1のように5×5四方のマス目の中央が塗りつぶされ,残りのマスに1から24までの番号が順番に書かれたカードがあります。また,1から24までの番号が1つずつ書かれたボールが入っている袋があります。この袋の中からボールを1つ取り出し,ボールに書かれた番号と同じ番号のマス目を塗りつぶすという作業を繰り返します。一度取り出したボールは袋には戻しません。カードのたて、よこ、ななめのいずれか一列の番号が全て塗りつぶされたとき「終わり」とし,作業を終了します。例えば図2,図3のように取り出すと「終わり」となります。
komatou2018m1.jpg
(1)作業をちょうど4回繰り返して「終わり」となるとき,塗りつぶされた数字の組み合わせは何通りあるか求めなさい。

(2)作業をちょうど5回繰り返して「終わり」となるとき,塗りつぶされた数字の組み合わせは何通りあるか求めなさい。

(3)作業を19回繰り返したとき,1が書かれたマス目は塗りつぶされず,さらに「終わり」となりませんでした。このような場合は全部で何通りあるか求めなさい。またそれらの中の1つを具体的に答えなさい。ただし,塗りつぶされずに残ったすべての数字に○をつけなさい。

komatou2018m2.jpg

(1)(2)は簡単に書きます。

(1)中央を通るたて,よこ,1→24のななめ,20→5のななめの4通りです。

(2)
(a)中央を利用しない場合
たて4通り,よこ4通りの合計8通り

(b)中央を利用する場合
まず4マスを使って中央を通るたて,よこ,1→24のななめ,20→5のななめの4通りの塗り方があります。
後1マスはそれぞれ残り20個マス目があり自由に塗って良いので合計4×20=80通り
よって8+80=88通り

(3)作業を19回繰り返すと,塗られていない部分は5マスとなります。
そのうちの一つは1なので、残りは4マスです。
そして問題用紙に11個,カードを書いてくれてます。
おそらくこれは実際に書いて考えればよいと言う意図で,11通り以下になると思われます。
塗られていない部分に○をつけるとします。

komatou2018k1.jpg
残りの4つの○は図の赤と紫の領域に書けばよくなりますが、3つの紫の領域には少なく1つは○を書く必要があります。

komatou2018k2.jpg
そこで紫の部分の塗り方は3パターンあるので,図のように(a),(b),(c)と場合分けして樹形図を描いてみます。

(a)
komatou2018k3a.jpg
たての一番右の列は3パターン塗り方があり、残りはそれぞれ1通りずつ決まり3通りです。

(b)
komatou2018k4.jpg
(a)と同じようにして3通りです。

(c)
komatou2018k5.jpg
残りの2つは1通りに決まります。

以上より3+3+1=7通りとわかりました。

この場合の数の問題は色々な学校で出ることがありますが,どのような基準で数え上げていくか?どう整理していくか?で漏れなく速く解けるかかわってきます。
この問題も練習に良いので、解答や解説などを参考に数え上げの仕方を練習して自分のやり方を築き上げておいてください(畠田)

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