数理教育研究会

算数

大阪星光学院中学校 算数 2020(R2)入試分析

今回は大阪星光学院中学を扱います。

【入試資料分析】
2017年度の入試概要は
志願者数:804名→741名→683名→755人→769人→737人
受験者数:765名→713名→653名→730人→733人→695人
合格者数:313名→298名→311名→284人→298人←297人
実質倍率:2.4倍→2.4倍→2.1倍→2.6倍→2.5倍→2.3倍
例年程度の倍率となりました。

点数情報は
国語(120点満点)
受験者平均:76.4→76.9→73.3→63.1→75.9→72.8
合格者平均:82.1→84.2→79.7→67.9→84.3→79.6
算数(120点満点)
受験者平均:77.4→79.7→72.8→68.3→55.6→68.4
合格者平均:95.0→91.6→87.4→88.3→74.8→82.2
理科(80点満点)
受験者平均:63.0→51.8→54.4→60.3→52.4→53.9
合格者平均:66.8→56.5→60.1→68.3→57.1→58.8
社会(80点満点)
受験者平均:59.1→55.9→55.0→57.7→60.5→59.3
合格者平均:62.1→59.3→58.2→61.9→64.6→63.5
総点(400点満点)
受験者平均:275.6→267.9→257.6→248.1→242.4→253.8
合格者平均:307.7→297.8→289.1→286.3→281.4→285.3
となっています。
算数は今年も最も差がつきやすい科目となりました。

【問題分析】
大問1…(1)連分数の問題です。分子が1になるように分母分子を割っていきますが一度やったことある人は有利だったかもしれません。(2)同位角、錯角。折り返しで同じ角度など使う基礎的な問題です。あわせたい。(3)基本的な場合の数の問題です、瞬殺できるように仕上げていきたい。(4)典型的な差集め算の応用問題です。必ずあわせたい。(5)回転により同じ長さのところのチェックと、直角三角形の角度に○や×を書いていって相似を見極める問題です。よく練習していると思うので必ずあわせたい。

大問2…(1)(2)(3)角速度など考える問題です。Pが動くわけでもないし、素早く満点をとりたいところです。

大問3…三角数の問題ですが、見た目的に少しわかりにくいです。奇数の段は左端から始まり、偶数の段は上端から始まります。(1)は簡単ですが(2)は処理能力も求められているので鍛えておきましょう。

大問4…共通部分を何とかする問題です。(1)の共通部分は三角柱でわかりやすいです。(2)は水平な断面考えると正方形なので四角すいになります。

大問5…星光らしい図形の問題です。(1)(2)はAと柱の角を直線で結ぶと影がわかります。(3)今回はこれを扱います。

(問題)R2 大阪星光学院中学 算数 大問5(3)
右の図のように,幅6mの歩道と車道があり,歩道内の図の位置に柱が立っています。また,車道の真ん中を幅2mの車が上方から下方に向かって走っています。歩道,車道とも十分に長いものとします。


(3)太郎君が地点Bに立っていて,車が柱のかげに完全に隠れると同時に,矢印の方向に毎秒1mの速さで歩道の真ん中を歩き始めました。車の一部が見え始めるのは,太郎君が歩き始めてから[   ]秒後です。
oosakaseikou20m1.jpg

[解説]
(3) 太郎君と柱の角を結んだ直線と、車のサイドを通る直線との交点がどう進むかシャドーを考えます。
seikou_2020_kaisetu_m5-1.jpg

図のように赤とオレンジの角については左から毎秒2/3m,4/3m
青と紫は毎秒4m,6mとなります。

seikou_2020_kaisetu_m5-2.jpg

車が柱のかげに完全に隠れたときから2秒後は(2)からまだ柱のかげに完全に隠れています。
そして赤より青のシャドーが前になります。
4秒後には紫よりもオレンジのシャドーの方が後ろになります。

オレンジのシャドーは左も右も車の速さにおいつけません。
しかし青のシャドーは左が毎秒4mの速さで車の速さが毎秒4.5mより

4.5-4=0.5より毎秒0.5で近づくことになります。

2秒後から車の左下がシャドーにぶつかるのは(7-2)÷0.5=10秒

つまり2+10=12秒後とわかりました。

影の問題はよく出題される範囲なので解き方をマスターしておきたいです。
整理して解けるようにしておけば合格に近づきます!(畠田)

灘中学校 算数(1日目)2019(H31)入試分析 その2

今回は灘中学、算数1日目の大問4をとりあげたいと思います。
大問4では表面上は高校数学で習う合同式を道具として使わなかったとしても根本的な考え方,解法の原理は合同式になります。
灘でもよく出題され,合同式の考え方に慣れていれば大きく有利になるのでぜひ考え方を勉強してください。

(問題)2019年度 灘中学校 算数第1日目 大問4
A=377×377×377×377×377×377とするとき,Aの約数の中で14で割ると1余るものは,1を含めて全部で[ ① ]個あります。また,Aの約数の中で15で割ると1余るものは,1を含めて全部で[ ② ]個あります。

[解説]
このような余りの問題が出たとき
(A+BをPで割った余り)=(((AをPで割った余り)+(BをPで割った余り))をPで割った余り)
(A-BをPで割った余り)=(((AをPで割った余り)-(BをPで割った余り))をPで割った余り)
(A×BをPで割った余り)=(((AをPで割った余り)×(BをPで割った余り))をPで割った余り)
を使います。
和,差,積は余りにおきかえて計算してしまったらよいわけです。


377=13×29よりAは13の素因数が6個と29の素因数が6個の積です。
14で割った余りで考えると
29は14で割ると余り1です。
13は14で割ると余り12ですがこれを1不足しているということで余り-1として扱います。
余りで掛け算を考えると
1×1=1 ←余り1になるもの同士をかけると余り1の整数になる
(-1)×(-1)=1 ←1不足しているもの同士をかけると余り1の整数になる
このルールで考えればよいことになる。

なので(余り1の整数である)29は何個使ってもよくて,
(1不足の整数である)13は偶数個使えばよいことになります。

29の使い方は0個から6個の7通り,13の使い方はは0個,2個,4個,6個の4通りより
7×4=28通り


29は15で割ると余り-1
13は15で割ると余り-2
と考えて扱います。

13の個数で場合分けすると
0個の時…1のことなので余り1
1個の時…2不足
2個の時…(-2)×(-2)=4で余り4
3個の時…4×(-2)=-8で8不足
4個の時…(-8)×(-2)=16で余り1
5個の時…1×(-2)=-2で2不足
6個の時…2個と同じで余り4
よってAの約数が余り1になるには,13が0個または4個で余り1,29が偶数個で余り1の時の1×1=1の場合しかない。
13の使い方は0個または4個の2通り,29は0,2,4,6個の4通りで
4×2=8通り

(畠田)

豊島岡女子学園中学校 算数 問題 解説&入試分析★2020年(R2年)

今回は豊島岡女子学園中学の第一回を扱います。

【入試資料分析】
受験者数986人、合格者数402人
受験者平均は195.61/300
合格者平均は223.36/300

各教科の平均点は(受験者平均点,合格者平均点)の順で
国語(75.29,82.51)
算数(56.52,68.95)
社会(33.14,37.54)
理科(30.67,34.36)

例年と比べると算数は平均点は少し低めとなりました。

【問題分析】
大問1…(1)簡単な計算問題。(2)かなり基本的な問題です。(3)実質は倍数の個数の簡単な問題です。(4)約分されて10/7と考えるので比の問題です。少しややこしいですがしっかりあわせたい。

大問2…(1)ちょっとした文字式の問題です。(2)実際に数えていけばつかめると思います。3桁,1000台が何個あるかという考えに至ると思います。(3)時計算というほどでもない時計の問題。(4)有名な形の平面図形です。最終的に円の面積は消えます。

大問3…(1)(2)問題が複雑でないのでダイアグラムがあまり意味がありません。状況図を書いた方が良いと思います。Bが家から学校まで進むとAは何km進むか?また家から学校までの同じ距離を進んだ時、時間の比は速さの比に反比例します。Bの往復で速さの比がわかっているのでかかった時間の比がわかります。豊島岡はこういう旅人算の練習が必要です。

大問4…(1)(2)平面図形の問題です。一見色々考えないといけないと思いますが、ベンツ切りでだいたい同じように解決するので、しっかり練習しておきましょう。

大問5…(1)(2)(3)見た目に反して単純な問題です。合計を4で割ればPが何周するかわかるし,何周したかを4で割ればQがAに何回ついたかわかります。

大問6…今回はこれを扱います。

(問題)R2 豊島岡女子学園中学 算数 大問6
下の<図1>のように,1辺の長さが10cmの立方体ABCD-EFGHがあります。辺BC,CD,DAの真ん中の点をそれぞれL,M,Nとするとき,次の各問いに答えなさい。
tosima20m1.jpg
(1)4点L,N,H,Gを通る平面で立方体ABCD-EFGHを切り,2つの立体に分けます。<図2>は2つの立体のうち頂点Eを含む立体です。その中に,はみ出ないようにできるだけ大きい立方体を,1つの頂点が点Eと重なるように置きます。このとき,その立方体の1辺の長さを求めなさい。

(2)3点L,M,Gを通る平面で立方体ABCD-EFGHを切り,2つの立体に分けます。<図3>は2つの立体のうち頂点Eを含む立体です。その中に,はみ出ないようにできるだけ大きい立方体を,1つの頂点が点Eと重なるように置きます。このとき,その立方体の1辺の長さを求めなさい。
tosima20m2.jpg

(3)下の<図4>のように,辺AD,BC上にそれぞれ点P,Qを,DPとCQの長さが等しくなるようにとります。3点Q,M,Gを通る平面と3点P,M,Hを通る平面で立方体ABD-EFGHを切り,3つの立体に分けます。<図5>は3つの立体のうち頂点Eを含む立体です。その中に,はみ出ないようにできるだけ大きい立方体を,1つの辺が辺EFと重なるように置きます。その立方体の1辺の長さが8cmであったとき,元の立方体のDPの長さを求めなさい。
tosima20m3.jpg

[解説]
(1)
tosimaoka_2020_kaisetu_m6-1.jpg
図の赤い直角三角形は直角を挟むに辺の比は10:5=2:1なので
相似な青い直角三角形の図の2辺の長さが[2]と[1]とおけます。
立方体の一辺の長さは[2]+[1]=10cmなので
[2]=20/3cm
とわかりました。

(2)
tosimaoka_2020_kaisetu_m6-2-2.jpg
図のように立方体の1つの頂点はオレンジのラインにあるはずです。

tosimaoka_2020_kaisetu_m6-3-2.jpg

これを面BLFGから見て正射影すると赤い直角三角形は直角を挟む2辺の比は4:1となるので掃除な青い直角三角形の辺の長さも図のように[4]と[1]とおけます。
立方体の1辺の長さは[4]+[1]=10cmなので
[4]=8cm
とわかりました。

(3)
tosimaoka_2020_kaisetu_m6-5-2.jpg
中にできる1辺の長さ8cmの立方体の上面を通る平面で切ることを考えると赤い部分のようになります。
元々の立方体と中にできる立方体の高さを考えると
三角形MGHにおいてMI:MH=(10-8):8=1:4
なのでIJ=2cmとわかります。

tosimaoka_2020_kaisetu_m6-4-2.jpg

この赤の断面を考えると青い直角三角形は直角を挟む2辺の比が2:3なので
オレンジの直角三角形も相似なので
4×2/3=8/3
と図の長さがわかります。

よってDPの長さはMI:IH=1:4だったので
8/3×5/4=10/3cm
とわかりました。

空間図形であっても平面におとして考えていくのがポイントになっていきます。
よく練習しておきましょう(畠田)

武蔵中学校 算数 問題解説&入試分析★2020年(R2年)

今回は武蔵中学の算数を扱います

【入試資料分析】
受験者数580 合格者数188で実質倍率3.1
倍率は例年通りです。

教科別の平均点は(満点 合格者平均点 受験者平均点)の順に
国語(100 67.8 61.6)
算数(100 71.9 54.5)
社会(60 28.1 24.1)
理科(60 37.0 32.7)
合計(320 204.6 172.9)
合格最低点187/320

算数の平均点が去年の反動なのか、最近ではもっとも高くなりました。

【問題分析】
大問1…(1)2をかけていって一の桁の数が周期的になるよくある問題です。(2)どれだけ安くなったのかの値を出せば後はつるかめ算です。
どちらも基礎的な典型問題なので満点を狙いましょう。

大問2…(1)三角形と台形の面積の比を考えましょう。(2)AEを延長してチョウチョ型の比を使ったり三角形の面積の比など使って解きましょう。
この大問も基礎的な典型問題なので満点を狙いましょう。

大問3…(1)武蔵は理由を記述で問われることあります。簡単なことを聞かれてるので、しっかり論点を抑えて書きましょう。「偶数の玉が存在している」ので「少なくともどちらか一方に必ず入り」,「5と偶数の玉があれば積は10の倍数」となり0となる。この三つのことについて書かれていればよいと思います。(2)0でなければ偶数と5は同じ箱に入ってはいけなくなります。しかも偶数が4つもあるので、場合分けがそんなに発生しません。(3)こちらも0でない場合ばかりなので場合分けが少なくて、初見の問題で実験してやるタイプの問題と言ってもやりやすかったと思います。
満点をとりたい。

大問4…今回はこれを扱います。


(問題)R2 武蔵中学 大問4
選挙では,各候補者の得票数に小数点以下の数がついてる場合があります。この仕組みを例1を用いて説明します。①~④の4人の候補者について,投票用紙に姓名とも書かれている票の数を正規の得票数と言います。投票用紙に「田中」とだけ書かれていると①と③のどちらに投票したか不明です。また,「ともこ」とだけ書かれていると②,③,④の誰に投票したか不明です。そこで,「田中」だけの票が3票あったので,これを①と③の正規の得票数の比に分けて分配し,正規の得票数に足します。この操作を「按分」と言います。ただし,按分する票数は小数第2位を切り捨てます。①については,3×5/(5+6)=1.36…なので,1.3票を足して,按分後の得票数は6.3票になります。③についても,同様に計算して,「田中」の分で1.6票を足しますが,③は「ともこ」だけの3票についても按分しないといけません。つまり,3×6/(7+6+8)=0.85…なので,さらに0.8票を足して,按分後の得票数は8.4票となります。次の問に答えなさい。
musasi20m1.jpg
musasi20m2.jpg
(1)例1について,(ア)に入る数を求めなさい

(2)例2について,(イ)に入る数を求めなさい

(3)例2について,(ウ),(エ)に入る数をそれぞれ求めなさい。

[解説]
(1)簡単に答えます。
3×8/(7+6+8)=1.14…なので8+1.1=9.1

(2)この問題のポイントは按分すると小数点第2位を切り捨てられるところです。

例2の②は按分が1.5,④は1.2なので③はともこによる按分は全部で5票ぐらいなので5-1.5-1.2=2.3ということで
②は20票で按分1.5ということは③は2.3でいくらか?と勘でやっても求まるとは思います。

ここでは小数点第2位を切り捨てられたことによって,範囲を絞って答えになっているものを求めたいと思います。

②から按分する票数の小数点第2位を切り捨てる前の値は1.5以上1.6未満であります。
よって5×20/(20+(イ)+17)の値が1.5以上1.6未満より

(イ)は
5×20÷1.5-37=29+2/3以下
5×20÷1.6-37=25+1/2より大

なので(イ)=26,27,28,29のどれかに絞れました。

同様に④でもやってみると
5×17÷1.2-37=33+1/6以下
5×17÷1.3-37=28+5/13より大

なので(イ)=29,30,31,32

よって(イ)=29と決まります。

(3)同じように範囲を絞って①と③の田中の按分において①は1.6なので

(エ)×21/(21+29)の値が1.6以上,1.7未満より
(エ)の範囲を絞ると

1.6×(21+29)/21=3+17/21以上
1.7×(21+20)/21=4+1/21未満
なので(エ)=4と決まります。

したがって(ウ)は
ともこの按分…5×29/(20+29+17)=2.19… なので2.1
田中の按分…4×29/(21+29)=2.32より2.3

だから29+2.1+2.3=33.4
とわかりました。

他の大問が簡単ですぐに解けると思うので,この問題に時間は使えます。範囲を出すと大変なのではないかと、ためらっている時間があれば計算するように練習しておきましょう!(畠田)

雙葉中学校 算数 問題解説&入試分析★2020年(R2年)

今回は雙葉学園中学を扱います

【入試資料分析】
受験者数391人
合格者数118人
で倍率3.31となり例年よりも高くなりました。

【問題分析】
大問1…(1)計算問題、確実にあわせたい。(2)消費税をネタとした基本的な比の問題。(3)一度はやったことあると思われる同じパターンが続く図形の問題です。大問1は満点狙いです。

大問2…少し面倒ですがカレンダーを書いて足していけば良いので正解したいです。

大問3…今回はこれを扱います。

大問4…群数列と倍数の融合問題です。(1)は計算としては2または3の倍数の個数を数えて取り除く簡単な問題です。(2)計算としては3の倍数をとりのぞけば良いですが、1グループと2グループには3がないことに注意です。(3)5,15,20,25,30と約分されないか整理して数えていけばよいですが,25は2回5で割れることに注意です。

大問5…(1)計算としては簡単ですが状況を理解するためにダイアグラムなどかいて整理して解きましょう。(2)Cで11分休み終わったときにちょうどバスがやってくるとすれば、そのバスはA地点をいつ出発すればよいか考える方法などあります。(3)難しいことは問われていませんが、複雑な状況を整理して答にいきつくのは難しいかもしれません。

(問題)R2 雙葉学園中学 大問3
図のように、正十角形の頂点を結び、正五角形をつくりました。
futaba20m1.jpg
(1)(あ)の角度は何度ですか。
(2)この正十角形の面積は470cm^2、正五角形の面積は380cm^2です。かげをつけた部分の面積は何cm^2ですか。

[解答]
(1)正十角形の一つの内角の大きさは180×(10-2)÷10=144°なので
(180-144)÷2=18°
とわかりました。

(2)まず簡単に思い浮かぶわかりそうな面積は
赤の三角形Aの面積
青の三角形Bの面積
hutaba_2020_kaisetu_m3-1.jpg
そして
A×2-B
で求められる緑の三角形Cの面積です

(1)で18°を求めさせられたのでこれを使うのではないかと三角形Cを作ってみると
残りの部分にオレンジの三角形Dが出来て、これは図のもう一つのオレンジの三角形と合同です。

ということは
(赤の三角形A)+(緑の三角形Cの半分)×2
で求められるので
470÷10+(470-380)÷5=47+18=65cm^2
と求まりました。

アプローチの仕方がわからないときは前の小問がヒントになっていることが多いので必ず考えてみるようにしましょう。そうすれば差をつけることが出来て合格間違いなしです!(畠田)

西大和学園中学校 入試分析 算数 2020(R2)

今回は西大和学園中学を扱います

【入試資料分析】
受験者→合格者(倍率) 合格最低点
男子:1010人→541人(1.86倍) 325点
女子:209人→43人(4.86倍) 365点

今年は女子の合格最低点と倍率が例年より若干ゆるかったです。

【問題分析】
大問1…(1)(2)正統派な計算問題、必ずあわせたい。(3)簡単な仕事算、瞬殺したいです。(4)旅人算というほどでもない旅人算。(5)表に書いて整理で、特に関西の塾ならよく練習していると思います。(6)組み合わせと、完全順列を使いますが何も知らなくて数えあげればいいだけなので大して難しくありません。(7)フローチャートなどで求めましょう、よく練習していると思うので大丈夫だと思います。

大問2…(1)扇型と直角二等辺三角形を足したり引いたりしますが何となく求められると思います。(2)2つのブーメラン型を見つければすぐに出来るので、慣れている子も多いと思います。(3)何度もやらせてきた平行四辺形の比の問題です。(4)平均の高さで瞬殺です。大問2もスムーズに完答していきたい。

大問3…(1)今回はこれを扱います。(2)正四面体の4つの角を切り落とすと真ん中に正八面体が残るネタです。ハイレベルですが典型問題ですね。(3)TRとPCが平行なことに気付けばうまく解けますが、そんなこと考える人あればごり押しで長さを求めて力技で答えを出してしまいましょう。

大問4…見た感じは難しそう、複雑そうに見えますがそんなことはありません。大して場合分けも発生せずに逆にたどってみたりするだけなので満点を狙いたい。
ネタとしては箱は関数のことで逆関数の扱い方が背景にあります。
1:1の関係ならば逆の操作をすると数字は1つに決まりますが、そうでない場合は逆の操作をすると1つには決まらない場合があります。


(問題)R2 西大和学園中学 大問3(1)
①西さんは,紙に1,2,3,4,5,6,7と1から順に7つの数を書きました。このとき,7つの数の平均は[ あ ]です。大和くんが,その中の1つの数である[ い ]を消しゴムで消すと,残りの数の平均は3+1/2となりました。

②次に,西さんは,新しい紙に1,2,3,4,5,…と1から順に,[ う ]までの数を書きました。そして,大和くんが,その中の1つの数である[ え ]を消しゴムで消すと,残りの数の平均は32+1/3となりました。

[解説]
①は簡単に答えます。
7つの平均は(1+7)÷2=4
消した数は合計を考えて
4×7-(3+1/2)×6=7

②機械的に数式は立てられますが、数学の問題としても面倒になってしまいます。
そこで①が誘導になっていないかを考えてみると、7を消すと平均値が4から3.5にかわりました。

一番大きいものを消しても平均値は大してかわらないことがわかります。
つまり32+1/3はほとんど平均値が32から33の間くらいに収まると思われるので64,65,66付近であると予想できます。

本番なら答えが一つに決まるはずなので試してしまったらよいですが、ここではしっかり式を立て説明したいと思います。

[ う ]に入る数をAとおいて
一番平均値が小さくなるのは一番大きなAを取り除いて(1+A-1)/2=A/2
より32+1/3≧A/2から64+2/3≧A

一番平均値が大きくなるのは一番小さい1を取り除いて(A+2)/2
なので32+1/3≦(A+2)/2から62+2/3≦A
これよりA=63か64に絞れます。

更に平均値が32+1/3と分母が3の分数であるということから,合計をA-1で割って平均値になったのでA-1は3の倍数であることがわかります。

したがってA=64と決まります

消した数は合計を考えて
(1+64)÷2×64-(32+1/3)×63=43

とわかりました。

アプローチの仕方がわからないときは前の小問がヒントになっていることが多いので必ず考えてみるようにしましょう。そうすれば差をつけることが出来て合格間違いなしです!(畠田)

桜蔭中学校算数 問題解説&入試分析★2020年(R2年)

今回は桜蔭中学校の算数を取り上げます。

【入試資料分析】
受験者数532人
合格者数283人
補欠30人
実質倍率1.88
となっております。
ここ数年、合格者数は多めになっております

【問題分析】
大問1…(1)計算問題です、必ずあわせましょう。(2)軽減税率のコンビニのイートインコンをネタにしたような問題です。ただし内容は簡単な差集算です。(3)今回はこれを扱います。

大問2…(1)計算は基礎的な旅人算ですが問題文の読み取りがわかりにくいので注意です。(2)計算自体は簡単ですが勘違いやミスが多く起こりそうな問題です。(b)の②では上から見た図は一番下の段とその一つ上の段が影響することにも注意です。

大問3…(1)3:4:5を使います。(2)△AMBが底面,LNが高さです。(3)表面積を求めるのにALの長さが難しいですが結局3:4:5です。難しいわけではないですが、解けないと差をつけられてしまうので3:4:5を使いまくるであろうというアプローチに慣れておきたいところです。

大問4…(1)LCMセット法の問題です。分子は3と5のLCM15ごと,分母は4と3と5のLCM60ごとに1セットです。一般的に解けなくても全部書き下す勢いでやる力も必要です。(2)①不定方程式の問題です。サラっと解けるようにしておきたい。②は4で割った余りが影響するのは20gだけなのでまず単純に大きい方から足してみて3ずつ減らして調整しましょう。

(問題)R2 桜蔭中学校・算数 大問1(3)
まっすぐな道に柱を立ててロープを張り、そこにちょうちんをつるします。柱と柱の間は5m50cmで、ちょうちんとちょうちんの間は1m35cmです。1本目の柱から35cm離れたところに1個目のちょうちんをつるしました。ロープはたるまないものとし柱の幅は考えません。柱を10本立てて,ちょうちんをつるしました。
① ちょうちんは全部で[ ウ ]個使いました。また10本目の柱に1番近いちょうちんはその柱から[ エ ]cmのところにつるしました。
② 柱から35cm以内の部分につるしたちょうちんは,とりはずすことにしました。ただし1個目のちょうちんはとりはずしません。このとき,つるされたまま残っているちょうちんは[ オ ]個です。

[解説]
①は簡単に答えます。
{550×(10-1)-35}÷135=36余り55
なのでちょうちんは36+1=37本,10本目に一番近いのは55cmのところです。

②全部書いてしまうぐらいの計算力、処理能力もあっていいんですが、どういう風に考えればいいのかというと135で割った余りに注目します。
550÷135=4余り10
なので、ちょうちん4つごとに柱から10cmずれていきます。

ouin_2020_m1-3_kaisetu1.jpg

最初のちょうちんは最初の柱から35cm進んでいましたが1+4=5つめは2本目の柱より25cm進んでいます。
その次は15cm、その次は5cm
そしてその次は5cm足りなくなり、その次は15cm、その次は25cm、35cm,45cm、最後は55cmとなります。

よって7つのちょうちんがとりはずされるので37-7=30本とわかりました。

桜蔭の問題は処理系の問題も多いですが、全部書きくだす訓練も大切です。その上で余りで考える、LCMセット法で考えるなどやることで合格は近づきます!(畠田)

麻布中学校 算数 問題解説&入試分析★2020年(R2年)

今回は麻布中学校の問題を取り上げます。

【入試資料分析】
去年に続いて倍率が高めになりました

出願者数 1016名
合格者数 383名
倍率2.65
最高点 151/200
最低点 110/200
配点は国語60点算数60点理科40点社会40点

【問題分析】
大問1…比の問題です。差を考えたら☐が消えるので比をあわせられるという文章問題の計算でよくある問題です。しっかり取りましょう。

大問2…(1)90°の扇形から直角二等辺三角形を引きます。これは確実におさえましょう。(2)工夫が必要です。下にも円を描いて4等分の直線を伸ばしたりなどすれば見えてきやすいかもしれません。考えてみてください。

大問3…(1)場合の数の典型です。瞬殺してください。(2)3で割った余りをグループ分けすると余り1のグループ1と4,余り2のグループ2と5、余り0のグループ3と6で偶数と奇数が1個ずつですね。ぜひやってみてください。シンプルですが思考が必要なうまい問題です。
大問4…食塩の問題です。天びん法で特に迷いなく解けます。これは確実にとりたい。

大問5…やはり麻布は正六角形の問題をだしてきます。円と正三角形のマスの直線との接点に注目してください。
1/6の場所を考えて6倍すればよいので丁寧にかけばそれほど難しくないと思います。

大問6…麻布お決まりの最後の重い問題です。これを扱います。

(問題)2020年度 麻布中学校 算数 大問4
周の長さが1mの円があります。図1のように,この円の周上を点Aは反時計回りに,点Bは時計回りにそれぞれ一定の速さで動きます。点Aと点Bは地点Pから同時に動き始め,2点が同時に点Pに戻ったら止まります。以下の問いに答えなさい。
azabu20m1.jpg

(1)点Aの動く速さと点Bの動く速さの比が3:5のとき,点Aと点Bが同時に地点Pに戻って止まるまでに,2点P以外で何回すれ違いますか。

(2)点Aの動く速さと点Bの動く速さの比がア:イのとき,点Aと点Bが同時に地点Pに戻って止まるまでに,2点は地点P以外で14回すれ違いました。このとき,ア:イとして考えらえるものをすべて,できるだけ簡単な整数の比で答えなさい。ただし,点Aよりも点Bの方が速く動くものとします。また,解答らんはすべて使うとは限りません。

次に,周の長さが1mの円を図2のように2つ組み合わせます。これらの円の周上を,点Aと点Bはそれぞれ一定の速さで次のように動きます。
・点Aは5つの地点P,Q,R,S,Tを,P→Q→R→P→S→T→Pの順に通りながら,繰り返し8の字を描くように動く。
・点Bは5つの地点P,Q,R,S,Tを,P→T→S→P→R→Q→Pの順に通りながら,繰り返し8の字を描くように動く。

azabu20m2.jpg

点Aと点Bは地点Pから同時に動き始め,2点が同時に地点Pに戻ったとき止まります。以下の問いに答えなさい。

(3)点Aの動く速さと点Bの動く速さの比が3:8のとき,点Aと点Bが同時に地点Pに戻ってとmなるまでに,2点A,Bが動いた道のりは合計何mですか。また,2点は地点P以外で何回すれ違いますか。

(4)点Aの動く速さと点Bの動く速さの比がウ:エのとき,点Aと点Bが同時に地点Pに戻って止まるまでに,2点は地点P以外で6回すれ違いました。点Aよりも点Bの方が速く動くものとすると,ウ:エとして考えられるものは9通りあります。これらをすべて,できるだけ簡単な整数の比で答えなさい。

[解説]
(1)と(2)は簡単に答えます。

(1)Aが3周するとBは5周するので3+5-1=7回

(2)アとイの比をもっとも簡単な整数であらわしたものをA,Bとおくと
AとBは互いに素でA<Bなので
A+B=14+1=15より
(A,B)=(1,14),(2,13),(4,11),(7,8)
(何故互いの素な場合なのか考えてみてください)

(3)
まずは実験してみましょう。
azabu_2020_kaisetu_m6-1.jpg
3:8なので3+8=11より円1周分の長さを[11]とします。
1回目のすれ違いは二人の進んだ距離の和は円2周分です。
この時Aの進んだ距離は[22]×3/11=[6],Bの進んだ距離は[22]×8/11=[16]
となります。

azabu_2020_kaisetu_m6-2.jpg
次に2回目のすれ違いは同じようにAをさらに[6]進ませて[6]+[6]=[12]なのでPから[1]進めたところです。Bは[16]+[16]=[32]進んでいます。

するとAを[6]進ませていって点を打っていけばよいことがわかります。

azabu_2020_kaisetu_m6-3.jpg
二人が同時に点Pにつく3+8=11周分、つまりAが[11]×11×3/11=[33]進めたところまで考えればいいので打っていくと

5回目のすれ違い[30]から次は[3]進んで[33]となります。

azabu_2020_kaisetu_m6-4.jpg
何故最後だけ円1周分なのかと言うと,点Pは重なっている点なので直前のすれ違いから二人の進んだ距離の和が円1周分で点Pに戻ることがあるわけです。

以上のことより答えを求めるだけの計算としてはAは円3周分進むとBは円8周分進むので3+8=11
2+2+2+2+2+1=11より2が5つで5回となります。

(4) (3)についてもう少し考えると11は奇数でしたがAとBの速さの比が3:7の場合なら3+7=10で偶数です。
このときは全部円2周分ずつで点Pに到達します。

まとめるとAとBの速さの比を最も簡単な整数であらわしたときに
和が奇数であれば二人の進んだ距離の和が円2周ごとにすれ違い最後は円1周分で同時にPに到達
和が偶数であれば二人の進んだ距離の和が円2周ごとにすれ違い最後も円2周分で同時にPに到達

○二人の進んだ距離の和が円2+2+2+2+2+2+1=13周分となるとき
AとBは互いに素でA<BとしてA+B=13に注意して
(A,B)=(1,12),(2,11),(3,10),(4,9),(5,8),(6,7)

○二人の進んだ距離の和が円2+2+2+2+2+2+2=14周分となるとき
同様にして
(A,B)=(1,13),(3,11),(5,9)

となります。

麻布の最後の問題は具体的にやってみて実験することでわかってきます。
ぜひ自分で一つずつすれ違ったポイントを計算して追ってみたりしてやってみましょう。(畠田)

女子学院中学校 算数 問題 解説&入試分析★2020年(R2年)

今回は女子学院中学の算数をとりあげます。

【入試資料分析】
受験者746名て合格者が274名。実質倍率は2.72倍です。
ここ数年高い倍率が続いています。
合格最低点など非公表ですが7割5分から8割を目指したいところです。

【問題分析】
大問1…(1)計算問題らしい計算問題、必ずあわせましょう。(2)30°を利用する基本的な三角形の面積の問題です。必ずあわせたいです。(3)正三角形になるよくある問題を少し捻った問題ですが正三角形や二等辺三角形になる場所をさがすという同じことをやればいいので落ち着いてとりたいところです、(4)計算は簡単ですが文章が少しややしくて読解力が必要なのが女子学院らしいので解いてみてください。(5)最小公倍数の問題です、瞬殺できるように慣れておきたい。(6)直角三角形があると角度に○と×をつけていくことは普段からもやっておいてください。

大問2…直角三角形に正方形が入っておりパターンそのままの問題です。計算間違いなく解いて時間を稼いでください。

大問3…基本的な用語を聞いてきています。2秒で答えてください。

大問4…3→4区間の速さについては述べられていませんが、グラフから計算しろということです。他の区間が全て同じ時間なことに注意してください。このような読解も処理も少し複雑な問題はよく出るので練習しておいてください。

大問5…今回はこれを扱います。

大問6…(1)は流速が打ち消しあい、どちらも同じ時間なので速さは進んだ距離に比例します。(2)はダイアグラムなど書いて間違えないようにきをつけてください。典型的な問題なのでしっかりたくさん練習しておいてください。

(問題)R2 女子学院中学 算数 大問5
下のように,AからPまでに,ある整数が入っている表があります。この表に,次の規則に従って○か×の印をつけます。
① AからPまでの数の1つに○をつけ,その数と同じ行,同じ列に並んでいる印のついていない数すべてに×をつける。
② 印のついていない残りの数の1つに○をつけ,その数と同じ行,同じ列に並んでいる印のついていない数すべてに×をつける。
③ もう一度②を行い,残った数に○をつける。
jyosigaku20m1.jpg
この表では,どこを選んで○をつけていっても,①から③の作業をした後に○のついた数の和がいつでも同じになることがわかりました。

(1)①から③までの作業をした後に○のついた数は全部で[   ]個あり,それらの数の和はいつでも[   ]です。

(2)Aに入っている数は[   ],Gに入ってる数は[   ]です。

(3)この表に入っている一番大きい数は[   ],一番小さい数は[   ]です。

[解説]
(1)4×4なのでこの作業をすると4個○がつきます。
和はいつでも同じということは、和の値が出てくるように○をつけていけばいいです。
josigakuin_2020_m5_kaisetu1.jpg
例えば
8+15+12+9=44

(2)この作業を何度かやってみると,各列から行の違うものを選んだ整数の和のが一定ということがわかります。
ということは例えば
josigakuin_2020_m5_kaisetu2 (1)
A+15+9+11=44からA=9
8+12+G+11=44からG=13

(3)更に整数を求める計算をしていってみると

josigakuin_2020_m5_kaisetu3.jpg
○をつけてから2列を抜き出して、その2列の○のついた整数の和は,それぞれの行を交換して○をつけなおしても整数の和は同じでないといけないことがわかります。

ということは9+11=15+LよりL=5
9+J=8+12よりJ=11
11+15=9+NよりN=17
11+M=8+17よりM=14
E+12=9+15よりE=12
C+15=12+13よりC=10
10+9=13+DよりD=6
と全てわかり一番大きい数は17一番小さい数は5とわかります。

具体的にやってみることがこの問題のアプローチのポイントです。間違いを恐れず、どんどん書いてみて問題を把握していきましょう。(畠田)

神戸女学院中等部 算数 2020(R2)入試分析

今回は神戸女学院中等部をとりあげます。

【入試資料分析】
受験者240名に対して合格者が153名。実質倍率は1.57倍です。
合格最低点は体育実技(20点)を含めて、249点/460点。筆記で6割が目標です。

【問題分析】
大問1…(1)よくある公約数の問題なので瞬殺してください。(2)よくある一次不定方程式の問題なので瞬殺してください。

大問2…消費税の問題です。(1)3583×(0.1-0.08)=71.666…としてから切り捨てすると、答えがずれるのが注意してください。(2)何円から何円の間であればいいのか範囲を考えましょう。

大問3…ダイアグラムなど書いて整理など処理能力が求められていますが、意外と場合分けがほとんど起こらずややこしくはなりません。速さを求めるより2kmで何分かかるかで計算した方がやりやすいです。

大問4…狂った時計のよくある問題です。時計Aが午前8時38分を指してから、時計Cが午前8時38分を指すまでの間に時計Bでは1分15秒経過していましたという表現が少し難しいですが、これを先に書いてあるから混乱するのであって、この後ろに書いてあることでAとCの速さの比が出るのでそこから処理出来たらやりやすかったと思います。
考えだす前に問題文を一通り読むようにしましょう。

大問5…群数列の問題です。今回はこれを扱います。

大問6…正六角形の問題です。使う手法はいかにも正六角形の問題で使うことの組み合わせなので一通り定石は勉強しておくようにしておきましょう。

(問題)R2 神戸女学院中等部 算数 大問5
次のような規則にしたがい、整数が組に区切られて2列に並んでします。

A列: 1| 2 3| 7 8 9|13 14 15 16|…
B列: 2| 5 6|10 11 12|17 18 19 20|…

整数の位置を○列第△組☐番目と表すことにします。例えば,8はA列第3組2番目の数となります。
(1) 280は何列第何組何番目の数ですか。

(2)A列の先頭から第a組b番目までの和と、B列の先頭から第a組b番目までの和との差が85となりました。aとbを求めなさい。

(3)B列の先頭から第15組14番目までの和を求めなさい。


[解説]
(1)
1 2|3 4 5 6|7 8 9 10 11 12|13 14 15 16 17 18 19 20|…
という群数列を考えて280は何群目に入るかと考えると
2×(1+2+3+…+16)=272<280
2×(1+2+3+…+16+17)=306>280
で17群目に入り
280-272=8でこれは17より小さいのでA列の方に入ります。
A列第17組8番目

(2)第1群目の差は1
第2群目の差は2+2=4
第3群目の差は3+3+3=9
第4群目の差は4+4+4+4=16
と平方数になります。

1+4+9+16+25=55<85
1+4+9+16+25+36=91>85
で85は第6群目に入ることがわかります。
(85-55)÷6=5
よって第6組5番目よりa=6,b=5とわかります。

(3)AとBの差がわかっているので、まずはAとBをあわせて第15群まで全部足すことを考えてみます。
第15群の最後の項は
2×(1+2+3+…+15)=240
よってAとBをあわせて第15群まで全部足すと
1+2+3+…+240=28920

この時AよりBの方がどれだけ大きいのかを計算すると
1+4+9+16+…+15×15=1240

よって第15群までのAとBの和は28920,差は1240なので和差算よりBの和は
(28920+1240)÷2=15080
Bの第15群の14番目までなので最後の240を取り除いて
15080-240=14840
とわかりました。

群数列の問題として典型的な手法も使いますが、少し崩してきていて工夫が必要です。たとえ良い方法が思いつかなくても、力技で解く力が欲しいところです。
日々の練習が合格につながります(畠田)

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