数理教育研究会

女子学院

女子学院中学校 理科 問題 解説&入試分析★2020年(R2年)

今回は女子学院中学の理科をとりあげます。

【問題分析】
大問1…消化酵素の問題です。よく問われる基本的な問題ばかりなのでしっかり勉強しておきましょう。素早く答えて時間を稼ぎたいところです。

大問2…問1は天球の問題です。知識というよりはその場で読み取っては判断するので,しっかり基本的なことを身につけて色々な問題でよく練習しておきましょう。問2の日食の問題は簡単な知識問題なので瞬殺してください。

大問3…水溶液の問題です。問1の溶解度の問題は大した計算を聞いてるわけでもなく問題文の読解が難しいです。まずは1000gの海水に溶けているもの34gのうちそれぞれの物質はどれくらいなのかを考えますが(5)は溶解度の問題です。対して(6)は液量がはじめの1/10ほどになったときとか、1/2ほどになるまで煮詰めると言う曖昧な表現で、水の質量のことなのか凝固した固体を含めての体積なのか、含めない体積なのか、一体何の量のこと曖昧で、そもそも与えられているのは水100gに対して溶ける量である溶解度です。これはおおよそで良いという意味なので,1/10は水が100gになった,更に1/2は水が50gになったで計算良いです。問2は水溶液の性質ですが、しっかり物質覚えて完答しましょう。

大問4…ばねの問題です。一通りちゃんと出来るかを問われています。今回は問8を解説したいと思います。

(問題)R2 女子学院中学 理科 大問4問7
jyosigakuin20ri1.jpg
3種類の重さが無視できる軽いばねA,B,Cがある。これらのばねをそれぞれ天井につるし,30gのおもりを1個ずつつるしていったときのばねの長さを測定したところ,下の表のような結果になった。おもりの重さをさらに増やしていったときも、おもりの重さとばねののびの関係は変わらないものとする。
jyosigaku20ri2.jpg
問8 重さが無視できる軽い棒の両端にばねBとCを取り付け、右図のように棒の左端から6:5の位置に30gのおもりを何個かつるしたところ、2本のばねの長さは等しくなり棒は水平にになった。このときの、ばねの長さとおもりの重さを求めなさい。
jyosigakuk20r3.jpg

[解説]
まず表からBは30gごとに3cm,Cは30gごとに1.5cm伸びます。
そしてBの自然長は9-3=6cm,Cの自然長は13.5-1.5=12cm
josigakuin_2020_miv_kaisetu1-1.jpg
まずこのような長さが同じになる問題は

1、自然長が短い方を自然長が長い方の長さと同じになるようにおもりをつるす

ようにします。
Bの方が自然長がCより12-6=6cm短いのでBを6cm伸ばすために30×2=60gおもりをつるす。

次に

2、2本のばねの伸びが同じようになるような比で更におもりをつるす

同じ重さのおもりをつるすとBとCの伸びは3:1.5=2:1なので同じ伸びになるようなおもりの重さの比は逆比になるので1:2より[1]gと[2]gとおけます。

つまりBには60+[1]g,Cには[2]g引っ張るとBとCは同じ長さになります。

おもりがつり下がっている点の周りのモーメントのつりあいを考えて
(60+[1])×6=[2]×5
より360+[6]=[10]から[1]=360÷4=90なので

Bを引っ張る力は60+[1]=150gより21cm

おもりの重さは60+[1]+[2]=60+[3]=60+90×3=330gとわかりました。

とっつきにくい人は多いかもしれませんが勉強すればとりやすい分野でもあるので、しっかり勉強しておきましょう。確実に合格に近づきます!(畠田)

女子学院中学校 算数 問題 解説&入試分析★2020年(R2年)

今回は女子学院中学の算数をとりあげます。

【入試資料分析】
受験者746名て合格者が274名。実質倍率は2.72倍です。
ここ数年高い倍率が続いています。
合格最低点など非公表ですが7割5分から8割を目指したいところです。

【問題分析】
大問1…(1)計算問題らしい計算問題、必ずあわせましょう。(2)30°を利用する基本的な三角形の面積の問題です。必ずあわせたいです。(3)正三角形になるよくある問題を少し捻った問題ですが正三角形や二等辺三角形になる場所をさがすという同じことをやればいいので落ち着いてとりたいところです、(4)計算は簡単ですが文章が少しややしくて読解力が必要なのが女子学院らしいので解いてみてください。(5)最小公倍数の問題です、瞬殺できるように慣れておきたい。(6)直角三角形があると角度に○と×をつけていくことは普段からもやっておいてください。

大問2…直角三角形に正方形が入っておりパターンそのままの問題です。計算間違いなく解いて時間を稼いでください。

大問3…基本的な用語を聞いてきています。2秒で答えてください。

大問4…3→4区間の速さについては述べられていませんが、グラフから計算しろということです。他の区間が全て同じ時間なことに注意してください。このような読解も処理も少し複雑な問題はよく出るので練習しておいてください。

大問5…今回はこれを扱います。

大問6…(1)は流速が打ち消しあい、どちらも同じ時間なので速さは進んだ距離に比例します。(2)はダイアグラムなど書いて間違えないようにきをつけてください。典型的な問題なのでしっかりたくさん練習しておいてください。

(問題)R2 女子学院中学 算数 大問5
下のように,AからPまでに,ある整数が入っている表があります。この表に,次の規則に従って○か×の印をつけます。
① AからPまでの数の1つに○をつけ,その数と同じ行,同じ列に並んでいる印のついていない数すべてに×をつける。
② 印のついていない残りの数の1つに○をつけ,その数と同じ行,同じ列に並んでいる印のついていない数すべてに×をつける。
③ もう一度②を行い,残った数に○をつける。
jyosigaku20m1.jpg
この表では,どこを選んで○をつけていっても,①から③の作業をした後に○のついた数の和がいつでも同じになることがわかりました。

(1)①から③までの作業をした後に○のついた数は全部で[   ]個あり,それらの数の和はいつでも[   ]です。

(2)Aに入っている数は[   ],Gに入ってる数は[   ]です。

(3)この表に入っている一番大きい数は[   ],一番小さい数は[   ]です。

[解説]
(1)4×4なのでこの作業をすると4個○がつきます。
和はいつでも同じということは、和の値が出てくるように○をつけていけばいいです。
josigakuin_2020_m5_kaisetu1.jpg
例えば
8+15+12+9=44

(2)この作業を何度かやってみると,各列から行の違うものを選んだ整数の和のが一定ということがわかります。
ということは例えば
josigakuin_2020_m5_kaisetu2 (1)
A+15+9+11=44からA=9
8+12+G+11=44からG=13

(3)更に整数を求める計算をしていってみると

josigakuin_2020_m5_kaisetu3.jpg
○をつけてから2列を抜き出して、その2列の○のついた整数の和は,それぞれの行を交換して○をつけなおしても整数の和は同じでないといけないことがわかります。

ということは9+11=15+LよりL=5
9+J=8+12よりJ=11
11+15=9+NよりN=17
11+M=8+17よりM=14
E+12=9+15よりE=12
C+15=12+13よりC=10
10+9=13+DよりD=6
と全てわかり一番大きい数は17一番小さい数は5とわかります。

具体的にやってみることがこの問題のアプローチのポイントです。間違いを恐れず、どんどん書いてみて問題を把握していきましょう。(畠田)

女子学院中学校 算数 問題 解説&入試分析★2018年(H30年)

今回は女子学院をとりあげます。

受験者数が717名、合格者は275名
倍率は2.61倍になります。

合格最低点は非公表です。
低くても7割5分から8割を目標にしたいところです。
標準的な問題が多く、素早く正確に高得点をとる争いになります。

それでは少し工夫が必要であった過不足算の問題をとりあげたいと思います。

(問題)H30 女子院中等部 算数 大問5
中学生が何台かのバスで遠足に行きます。
各バスには,先生が必ず2人乗ります。乗客55人乗りのバス[      ]台では,30人分が空席になります。
乗客40人乗りのバスでは,55人乗りのときより2台増やしても生徒29人が乗れません。中学生は全員で[      ]人です。

過不足算ですが,過不足算を使うには分配されるものが一定である必要があります。
だから中学生の人数だけで考えるのがポイントです。

先生の人数を除くと
53 53 53 … 53 53 不足 30人
38 38 38 … 38 38 余り 38+38+29人

(不足)+(余り)=30+38+38+29=135人
バス1台で53-38=15人の差なので
バスは135÷15=9台
中学生の人数は53×9-30=447人とわかりました。

早く正確に答えるには,典型的な問題でもしっかりと使い方がわかっているかで差が出ます。
色々なパターンを練習して理解を広げておきましょう。(畠田)

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