数理教育研究会

雙葉中学校 算数 問題解説&入試分析★2018年(H30年)

雙葉中学をとりあげます。

受験者数299人、合格者数120人で倍率2.5です。
昨年の倍率が2.96で今年は下がりました。

今年の問題は例年ような「解法は単純で計算が複雑」と言うわけではなく,どの問題もひねりが効いていてレベルの高い解法が問われる問題でした。

それでは勉強になりそうな展開図と場合の数の問題をとりあげます。
(問題)H30年 雙葉中学校・算数 大問5
[図1]の立体の4つの面は、すべて合同な正三角形です。この立体のそれぞれの面に1、2、3、4の数字を書きました。
ある方向から見ると[図2]、別の方向から見ると[図3]のようになりました。
hutaba2018m1.jpg
(1)この立体の展開図を完成させましょう。また、向きを考えて2、3、4の数字も書きましょう。

hutaba2018m2.jpg
(2)この立体を、4と書いた面を下にして置きます。ここから、辺を軸にして立体を倒して、下にきた数字を足していきます。
① 3回倒して、和が6となるときの下にきた数字の出方をすべて書きましょう。
必要なら答えの線をのばして書きましょう。(考え方と答え)
hutaba2018m3.jpg
② 5回倒して、和が13になるときの下にきた数字の出方は全部で何通りですか。(考え方と答え)

(1)頭でイメージを考えると混乱して焦ってくる人もいるので、頂点うちをしたら良いですね。
hutaba2018k1.jpg
更には数字の向きも考えないといけないので、数字の頭はどの頂点の方向に向いてるかもチェックします。
図の打ち方では
1は△ABCで頭はA
2は△ADBで頭はB
3は△BCDで頭はC
4は△ACDで頭はD
です。

hutaba2018k2.jpg
1の頭がAに向くように△ABCの頂点をうちます。
図のように展開した場合は残りの頂点はすべてDですね。
後は
△ADBに頭がBになるように2
△BCDに頭がCになるように3
△ACDに頭がDになるように4
を書き込めば出来上がりです。

(2)
四面体を転がしていくわけですが,次に下になる可能性がある数字は今の下にあるもの以外の数字全部です。
単純化すると同じ数字が連続しないように数字の並びを決めていけばよくなります。

ここからは図形問題ではなく,同じ数字が連続しない並べ方の場合の数の問題です。

「数字の組み合わせを考える→並べる」
の手順で数えていく方針でやってみます。

数字の組み合わせを考えるときは漏れなく重複ないように
○≧□≧△≧…
となるように右の数字は左の数字以下のルールで数えることにします。


1,2,3,4を重複を許して3つ使って和が6になる数字の組み合わせは
411
321
222
最初に4がこないように並べると
(a)411の並べ方
1→4→1
(b)321の並べ方
1→2→3
1→3→2
2→1→3
2→3→1
3→1→2
3→2→1
(c)222の並べ方
2が連続するのでなし

よって7通りとわかりました。


1,2,3,4を重複を許して5つ使って和が13になる組み合わせは
44311
44221
43321
43222
33331
33322
です。

次に4が先頭にこないように並べると
(a)44311の並べ方
hutaba2018k3.jpg
樹形図より7通り

(b)44221の並べ方
44311の場合で1と2を書きかえたらよいので同じ7通り

(c)43321の並べ方
・3から始めると次は1,2,3,4の4つの数字を3が先頭にこないように並べて3×3×2×1=18通り
・1から始めると○△○△○において△に2と4を並べて2通り,○に2つの3を入れて3通りで2×3=6通り
・2から始めるものも1から始めるのと同じで6通り

(d)43222の並べ方
2○2○2の○に3と4を並べて2通り

(e)33331の並べ方
3がどうやっても連続するのでなし

(f)33322の並べ方
32323の1通り

以上より7+7+18+6+6+2+1=47通りとわかりました。

大変な問題ですが,立体図形や展開図の解法,問題をシンプル化,漏れなく重複なく数えるための整理の仕方など有用なものを多く使うので勉強に良い問題です。
しっかり勉強しておきましょう(畠田)

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