数理教育研究会

駒場東邦

駒場東邦中学校 理科 問題 解説★2020年(R2年)

今回は駒場東邦中学の理科を扱います

【問題分析】
大問1…小問集合です。一通りの基礎的な知識や計算が聞かれています。満点狙いたいところです。。

大問2…(1)今回はこの問題を扱います。(2)消化するには、温度を下げる、酸素がなくなることがポイントです。(3)(4)固体が気体になると体積が大幅に大きくなる、ドライアイスの白いけむりは水です。(5)青いのりはアルカリ性の青、酸性になると透明になる知識が必要です。しかし2つ選べなので,同じ現象なのは酸性とアルカリ性の話だけではあります。(6)酸性雨の基本的な問題です。

大問3…(1)(2)関節の問題です、その場で考えて答えるタイプです、(3)図1を見ることである程度わかります。(4)腕の動かし方などから同じように考えます。(5)わざわざ問題にしてるので尾びれは平行と答える可能性は高いです。平行であれば上下に動かす。(6)問題文にある程度ヒントがあるので、それに沿って書きましょう。

大問4…(1)作図して考えましょう。(2)地球の影の曲線は大きい円の一部になるものを選びましょう。(3)太陽が大きいので平行線ではなく、狭くなっていきます。(4)地球に比べて月は小さいので日食は月の影が地球の一部の地域にしかできませんが、月食は地球の影が付き全体を覆います。(5)問題文が意味不明ですが、月は東から西へ移動してるように見えるのに、東からかけていくのは何故かと聞いていきます。

大問5…(1)簡単な計算です。(2)問題文を読んでもアルコールの方が水より密度が小さいことは覚えておかないと解けません。(3)砂糖水の重いので先に入れてください。(4)対流の仕方をとわれています。(5)オレンジジュースの方が重いという知識は必要ですが、オレンジジュースの方が重くないと問題にならないので、そういうことからもわかります。

(問題)R2 駒場東邦中学 大問2(1)
空気中でものを燃やした時の気体の割合の変化を見るため,空気中の気体の体積の割合を教科書で調べたところ,
ちっ素 約78% 酸素 約21%,二酸化炭素 約0.03%.その他 約0.97%であることがわかりました。箱の中に空気を入れ,火のついたろうそくを入れてふたをすると,少しの間燃え続け,ろうそくがなくなる前に火が消えて,箱の壁に水滴がつきました。ろうそくを燃やす前と,燃やした後,箱の中にある気体の体積の割合を図で表したものとして,もっとも近いものをア~オから1つずつ選び,それぞれ記号で答えなさい。ただし,図中の○はちっ素,●は酸素,◎は二酸化炭素を表し、すべての図の中にある印(○●◎)の総数はそれぞれ33個です。また,2%以下の気体は図の中に示さないものとします。
komatou20r1.jpg

[解説]
まず問題文から2%以下の気体は表さないので燃やす前は二酸化炭素がないものなのでとなります。

燃やした後は、ろうそくは火が消えるのは酸素がなくなった時ではありません。
酸素濃度が17%以下になった時です。
なのでエの●が一つ◎になったとなります。

微妙に細かいことが聞かれることあるので、すみずみまで読んでおくようにしておきましょう(畠田)

駒場東邦中学校 算数 問題 解説★2020年(R2年)

今回は駒場東邦中学を扱います

【入試資料分析】
今回は駒場東邦中学校をとりあげます。

受験者数 576名,合格者数 290名で実質倍率1.99です。
教科ごとの点数は(平均点 合格者平均点 配点)の順に
国語(60.8 66.9 120)
社会(49.6 53.9 80)
算数(74.0 84.0 120)
理科(55.1 59.3 80)
合計(239.5 264.1 400)
難易度が高かったわけではありませんが、算数の平均点はここ数年では少し低めでした。

【問題分析】
大問1…(1)計算問題、必ず正解したい。(2)簡単な図形の転がりの問題、瞬殺したい。(3)(面積)÷(1辺の長さ)で比をとる問題、確実にあわせたい。(4)意外とほとんど場合分けが生じません。大きい方から決めていくとI+Jが10+14しかなくて、E+Fが11+5と9+7で迷いますが11+5とするとA+B=14が作れないので9+7簡単に決まります。正解したい。

大問2…今回はこの問題を扱います。

大問3…(1)(2)簡単な計算で求まります。これはあわせておきたい。(3)計算は面倒ですが難しくはありません。しかし問題の状況を理解するのは難しいです。外のコースほど合計200mにするために前方からスタートしないといけませんが、さぶろう君は3.14×10=31.4m前方となりこれはBCの半分の長さ18.6mを越えてるので曲線部分からのスタートになることが注意です。

大問4…(1)全部同じ面積なので(ア)は一番面積の小さい青になります。正方形の面積は144×4=576=24×24とわかります。(2)(ア)の下にある長方形は見えている縦の長さが24-8=16cmより横の長さは144÷16=9cmなので黄色というようにわかっていきます。(3)青が105.6cm^2、黄が156cm^2なので残りは314.4cm^2なので赤は下で白が一番上とわかります。白は短い方の辺が9.6cmと小数なので,その一つ下も面積が小数の105.6cm^2である青と意外とすぐにわかっていきます。

(問題)R2 駒場東邦中学 大問2
2つの整数A,Bに対して,A÷Bの値を小数で表したときの小数第2020位の数を<A÷B>で表すことにします。例えば,2÷3=0.666…なので,<2÷3>=6です。このとき,次の問いに答えなさい。
(1)<1÷101>,<40÷2020>をそれぞれ求めなさい。

(2)<N÷2020>=3をみたす整数Nを1つ求めなさい。

[解説]
(1)
1÷101=0.00990099…
0,0,9,9の4つが繰り返されます。
2020÷4=505で割り切れるので小数第2020位は4番目の9とわかります。

40÷2020=0.01980198…
0,1,9,8の4つが繰り返されます。
小数第2020位は4番目の8とわかります。
40÷2020=2÷101なので1÷101の2倍になっています。

(2)前の小問がヒントになっていないか?これを常に考えたいところです。

1÷101は0099の繰り返しが続きますが、これを99と考えると一つさえ作ればよので一の位が3になるような倍数を考えて
99×7=693
なので
1÷101×7=140÷2020=0.06930693…
となり4番目がきっちり3になって出来上がっています。

他にも99×17=1683より
1÷101×17=340÷2020=0.16831683…
となりこれも4番目がきっちり3になって出来上がっています。

更に適当に
21÷2020=0.010396039…
も満たしています。

Nの値は140,340,21などなど…

うまく見つけられなくても、ごり押しで見つけてくる力も重要です。
そして前の小問をヒントにすることを意識するようにしましょう(畠田)

駒場東邦中学校 算数 問題 解説★2018年(H30年)

今回は駒場東邦中学校をとりあげます。

受験者数 500名,合格者数 284名で実質倍率1.76です。
教科ごとの点数は(平均点 合格者平均点 配点)の順に
国語(58.9 64.3 120)
社会(48.9 52.7 80)
算数(79.9 87.3 120)
理科(39.3 42.4 80)
合計(227.0 246.8 400)

合格最低点は226点

今年の算数は例年より,平均点と合格者平均点の差が小さく、差がつきにくかったようです。
簡単な問題でも整理の仕方,で差がついたであろう場合の数の問題をとりあげます。

(問題)H30年 駒場東邦中学 大問4
右ページの図1のように5×5四方のマス目の中央が塗りつぶされ,残りのマスに1から24までの番号が順番に書かれたカードがあります。また,1から24までの番号が1つずつ書かれたボールが入っている袋があります。この袋の中からボールを1つ取り出し,ボールに書かれた番号と同じ番号のマス目を塗りつぶすという作業を繰り返します。一度取り出したボールは袋には戻しません。カードのたて、よこ、ななめのいずれか一列の番号が全て塗りつぶされたとき「終わり」とし,作業を終了します。例えば図2,図3のように取り出すと「終わり」となります。
komatou2018m1.jpg
(1)作業をちょうど4回繰り返して「終わり」となるとき,塗りつぶされた数字の組み合わせは何通りあるか求めなさい。

(2)作業をちょうど5回繰り返して「終わり」となるとき,塗りつぶされた数字の組み合わせは何通りあるか求めなさい。

(3)作業を19回繰り返したとき,1が書かれたマス目は塗りつぶされず,さらに「終わり」となりませんでした。このような場合は全部で何通りあるか求めなさい。またそれらの中の1つを具体的に答えなさい。ただし,塗りつぶされずに残ったすべての数字に○をつけなさい。

komatou2018m2.jpg

(1)(2)は簡単に書きます。

(1)中央を通るたて,よこ,1→24のななめ,20→5のななめの4通りです。

(2)
(a)中央を利用しない場合
たて4通り,よこ4通りの合計8通り

(b)中央を利用する場合
まず4マスを使って中央を通るたて,よこ,1→24のななめ,20→5のななめの4通りの塗り方があります。
後1マスはそれぞれ残り20個マス目があり自由に塗って良いので合計4×20=80通り
よって8+80=88通り

(3)作業を19回繰り返すと,塗られていない部分は5マスとなります。
そのうちの一つは1なので、残りは4マスです。
そして問題用紙に11個,カードを書いてくれてます。
おそらくこれは実際に書いて考えればよいと言う意図で,11通り以下になると思われます。
塗られていない部分に○をつけるとします。

komatou2018k1.jpg
残りの4つの○は図の赤と紫の領域に書けばよくなりますが、3つの紫の領域には少なく1つは○を書く必要があります。

komatou2018k2.jpg
そこで紫の部分の塗り方は3パターンあるので,図のように(a),(b),(c)と場合分けして樹形図を描いてみます。

(a)
komatou2018k3a.jpg
たての一番右の列は3パターン塗り方があり、残りはそれぞれ1通りずつ決まり3通りです。

(b)
komatou2018k4.jpg
(a)と同じようにして3通りです。

(c)
komatou2018k5.jpg
残りの2つは1通りに決まります。

以上より3+3+1=7通りとわかりました。

この場合の数の問題は色々な学校で出ることがありますが,どのような基準で数え上げていくか?どう整理していくか?で漏れなく速く解けるかかわってきます。
この問題も練習に良いので、解答や解説などを参考に数え上げの仕方を練習して自分のやり方を築き上げておいてください(畠田)

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