数理教育研究会

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六甲中学校 入試分析 算数 (A日程) 2018(H30)

今回は六甲学院中学校のA日程です。

今年は238人の受験者数に対して168人の合格者。実質倍率が1.42倍です。

各教科の受験者平均が,国語96.4/150点,算数94.7/150点,理科59.9/100点に対して
合格者平均が,国語100.7/150点,算数108.1/150点,理科63.6/100点です。
この受験者平均と合格者平均の国語と理科の差が小さいだけに算数の合否への影響が大きいです。

それでは問題を取り上げます。

(問題)H30 六甲学院中学校 A日程 算数 大問4
各辺を5等分した正方形に,右の図のような三角形㋐,㋑,㋒,㋓を作りました。㋐,㋑,㋒の面積がそれぞれ3㎠,1㎠,2㎠のとき,㋓の面積は何㎠ですか。

roko2018m1.jpg

roko2018k1.jpg
㋒+㋐の2倍は図の青い部分の面積と等しいです。

roko2018k2.jpg
㋓+㋑の2倍は図の緑の部分の面積と等しいです。

(㋒+㋐):(㋓+㋑)=(青の面積):(緑の面積)=2:1
より
㋓+1=(2+3)÷2=2.5㎠
㋓=1.5㎠

等積変形など普段の勉強がそのまま点数につながります。
確実に稼げるようにがんばりましょう。(畠田)

東大寺学園中学校 算数 2018(H30)入試分析 その2

今回も東大寺の問題を扱います。
経験で差が出そうな正六角形の図形問題です。

(問題)H30 東大寺学園中学校 算数 大問1番(2)
右図の正六角形ABCDEFにおいて,AF上に点Gをとりました。三角形BCGの面積と三角形DEGの面積の比が12:13であるとき,AG:GFを最も簡単な整数の比で答えなさい。
toudaiji182m1.jpg

正六角形の問題と言えば三角方眼です。
三角方眼のマス目が底辺の長さや高さの比にもなります。

toudaiji182k1.jpg
図の赤線をそれぞれの三角形の底辺とすると△BCGと△lDEGの面積の比は紫と緑の線分の長さの比になります。
よってAFの長さは(12+13)÷3=25/3に対応するので
AG:GF=(12-25/3):(13-25/3)=11:14
とわかりました。

正六角形の問題は三角方眼で考える,面積の比は底辺や高さの比に注目するなど基本的な方針を持てているか?で練習量や経験の差があらわれます。
色々な図形問題を勉強して方針を立てられるようになれば良いですね(畠田)

甲陽中学校 算数 (1日目) その2 2018(H30)入試分析

大問4の難易度が少し高めの図形の問題を扱います。

(問題)H30 甲陽学院中学校 算数(第1日) 大問4番
正三角形ABCの辺ABの真ん中の点をDとします。また,PとQはそれぞれ辺BC,AC上の点で,図のようにAとP,PとQ,QとDを直線で結んだときにその長さの合計AP+PQ+QDが一番短くなるような点とします。
kouyoyu1812m1.jpg
(1)長さの比BP:PC,AQ:QCを最も簡単な整数の比でそれぞれ求めなさい。

(2)直線APと直線QDが交わる点をRとします。三角形PQRの面積は正三角形ABCの面積の何倍ですか。

(1)
最短距離の問題は図を折り返して,2点を直線で結べばよかったですね。
kouyou1812k1.jpg
ACで折り返して、更にB’Cで折り返してDとA’を直線で結びます。
一つの解法としてはDCとAA’の補助線でも引けば、図よりB’P’:P’C=3:1よりBP:PC=3:1
AQ:QC=AD:P’C=2:1
とわかります。

(2)
kouyou1812k2.jpg
RはDA’とAPとの交点なので、△ABA’にベンツ切りを使ってAR:RPを出す方法があります。
△ARB:△ARA’=BP:PA’=3:(4+1)=3:5
△ARA’:△BRA’=AD:DB=5:5
よって
AP:RP=(△ARB+△ARA’+△BRA’):△BRA’
=(3+5+5):5
=13:5
したがって
△PQR=△APQ×5/13
=△APC×2/3×5/13
=△ABC×1/4×2/3×5/13
=△ABC×5/78
5/78倍とわかりました

使うことは特殊なことではなく、よく使う方法なので普段からたくさん練習しておくことで点数につながっていくと思います。
勉強がんばっていきましょう(畠田)

灘中学校 算数(1日目)2018(H30)入試分析 その1

今年から入試問題解説記事を担当することになった畠田です。
よろしくお願いします。

最初は灘中学校の1日目です。

資料情報をまず見てみると,
実質倍率は(H24)2.81⇒(H25)2.81⇒(H26)2.97⇒(H27)2.61⇒(H28)2.67⇒(H29)2.76⇒(H30)2.88
となり例年より高めです。

平均点は(教科,受験者平均点,合格者平均点)の順に
(国語1日目,59.4点,63.9点)
(国語2日目,70.7点,77.3点)
(国語合計,130.1点,141.2点)
(算数1日目,52.6点,66.5点)
(算数2日目,54.8点,69.2点)
(算数合計,107.4点,135.7点)
(理科,62.5点,71.9点)
(総合,300.0点,348,7点)

算数1日目の点数に目を向けると,
受験者平均が(H24)66.5⇒(H25)45.0⇒(H26)57.2⇒(H27)41.9⇒(H28)42.7⇒(H29)49.1⇒(H30)52.6
合格者平均が(H24)79.4⇒(H25)58.6⇒(H26)73.3⇒(H27)54.4⇒(H28)54.8⇒(H29)63.1⇒(H30)66.5

なのでここ数年では平均点は高めでしたが、受験者平均と合格者平均の差は例年並みです。

今年は去年までとは逆で1枚目の数の問題が、2枚目の図形の問題よりも点数がとりやすかったです。
一つの問題に固執せずに全ての問題を目を通せるような余裕のある男になるように勉強していきましょう。

それでは、正六角形の問題の経験値で差が出そうな図形系の問題を一つとりあげたいと思います。

(問題)H30 灘中学校・1日目算数 大問10番
右の図のように,正六角形ABCDEFの内側に点Pをとり,6つの頂点とPをそれぞれ直線で結びます。三角形ABP,CDP,EFPの面積がそれぞれ3cm^2,5cm^2,8cm^2であるとき,三角形BCPの面積は[      ]cm^2です。
nada1811m1.jpg

正六角形とこれば、まず6つの正三角形を分割することが考えられます。
色々な解法が考えられますが、3+5=8で△ABP+△CDP=△EFPの関係を使えと言う意図であったと推測して解法を考えてみると
nada1811k1.jpg
図より赤の部分は正三角形2個分になります。

nada1811k2.jpg
すると図より緑の三角形は正三角形3個分から赤の部分の正三角形2個分を引いて、正三角形1個分となり

緑の三角形はADを底辺と考えると、その底辺は正三角形の底辺の2倍です。
なので緑の三角形の高さは正三角形の高さの1/2倍になるので
△BCP:△EFP=(1-1/2):(1+1/2)
=1:3
よって
△BCP=△EFP×1/3
8/3cm^2
とわかりました。

正六角形を6つの正三角形に分ける問題は中学受験ではよく出るので、あらゆるパターンを練習しておいて点数に結びつけましょう。
頑張ってください!(畠田)

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