数理教育研究会

栄光学園

栄光学園中学校 理科 問題解説&入試分析★2020年(R2年)

今回は栄光学園中学の理科を扱います。

【問題分析】
大問1…4つの植物の図が与えられいて、イネとススキとコムギとエノコログサという単子葉類のイネ科の植物のうちどれかを答えさせる問題です。わからないものは消去法でも選べるので植物の標準的な知識問題になっています

大問2…デンプンは炭水化物。グルテンはたんぱく質。
栄養素を答えさせる問題です。
小麦粉にはたんぱく質が含まれていることは覚えておいて良いですが、脂質やビタミンではないことはわかりそうなので、選ぶのにそんなに難しくなかったと思います。

大問3…与えられた実験データを分析して考察する問題になります。

問1 平均の長さ、計算間違いしないようにあわせたいです。

問2 面積は直径の二乗に比例します。最初に二乗の値を載せてくれていて、一応計算しやすくなっています。

問3,4 長さが長いほど折れやすい、直径が太いほど折れにくいことは何とかなくわかりますが、頑張って正確にグラフを書いて点数をとりたい。

問5 問題文が長くなってきて何を使ったらよいのかわかりにくくなっています。
大問3の最初に直径1.68mmのスパゲッティ100本82.5gで平均の長さが問2より247.5mmです。
直径1.68mmのスパゲッティ1本の重さは長さを257.6にあわせて82.5÷100×(257.6/247.5)gになるのでブカティーニの重さ2.07gをこのスパゲッティの重さで割ることになります。

問6 問3,4で書いたように直径が太くなるほど折れる力が大きくなって、長さが短いほど折れる力は大きくなります。
この考察はわかりやすいと思います。

問7 図8のグラフより直径の4乗が12の時に約132gと読み取れるので
(折れる力)=(直径の4乗)×132/12 g
=(直径の4乗)×11 g

となります。
よって直径が1mmでは折れる力は選ぶのは11g。直径が2mmでは折れる力は11×2×2×2×2=176gで選ぶのは180gになります。

問8 140mmのブカティーニは図5のグラフより折れる力は約570gです。
直径が2.78mmのスパゲッティの折れる力は2.78の4乗が約59.7なので11×59.7=656.7より約660gとなります。
同じ長さにおいてブカティーニの断面の面積と同じ面積のスパゲッティについて

面積は重さに比例にするので
ブッカティーニと同じ重さのスパゲッティを考える

とよいことになります。

ブッカティーニの重さは直径1.68mmのスパゲッティの2.4倍です。
ブッカティーニの重さと同じ重さのスパゲッティの直径の2乗は
1.68×1.68÷2.4=6.76
よって折れる力は11×6.76×6.76=502.67…より約500g

問9 ブカティーニとスパゲッティは同じ長さで断面積が同じということは同じ長さのスパゲッティと比べると、より少ない量の材料で同じ強さにすることができることがわかります。
選択肢の違いが少しわかりにくいのでしっかり論理的に選んで答えたいところです。

栄光学園の問題は実験データの分析が複雑になります。過去問で練習をしていくことで合格に近づきます!(畠田)

栄光学園中学校 算数 問題解説&入試分析★2020年(R2年)

今回は栄光学園聖中学の算数をとりあげます

【入試資料分析】

受験者数は780人で合格者数263人の実質倍率2.97倍。
合格最低点141/240、合格者平均点154.5/240

各教科の平均点は(受験者平均点/合格者平均点)の順で
国語70点満点(36.5/41.9)
算数70点満点(38.1/47.9)
理科50点満点(32.0/36.8)
社会50点満点(24.4/27.49)

ここ1,2年倍率が高めで例年程度の平均点となりました。

【問題分析】
大問1…平均の問題です。(1)は典型問題です。(2)は残った整数の和が600ということですが1つ取り除いてもそんなに大きさはかわらないので1から最後まで整数を足した和が600付近を考えればよいことになります。(3)目星をどのようにつけるかです。残った整数の平均は440/13というように分母が13なので残った整数は13の倍数個ということがわかります。そして平均値は440/13とある程度大きくなければなりません。そして1つ取り除いてもあまり平均値はかわりません。このことから,1から(13の倍数)+1個までの平均値が440/13に近いものを考えればよく
440/13=34.…の2倍は68で65=13×5より66個で考えたら良さそうだとわかります。
1つ取り除いても平均値はあまりかわらないという、そういう見方が出来ているかが問われいています。

大問2…普通の時計算と違い秒針まで考える問題です。しかし(1)(2)については時針と分針でやったことを応用すればよいので考えやすいと思います。
(3)は時針と分針が重なる度に(2)の②で求めた角度だけ秒針がずれていきます。誘導になっていたわけです。全て調べるのは大変ですが、0時から逆再生しても角度が同じことを考えると半分調べればよいことがわかります。(4)も(3)が誘導になっているであろうと思うので、秒針を戻したり、進めて時針や分針と重なる場合を考えればよくなります。時計算を応用させることと、誘導をいかに使うかです。

大問3…反射の問題なので線対称移動していけばよいです。
そして比で求めることになります。
しかし(4)については対象移動したときにどの辺が対応しているかしっかり考えないといけないので深い理解と考察が必要です。

大問4…今回はこれを扱いますす。

(問題)栄光学園中学 算数 大問4 (4) (5)
図1のような、16枚のパネルと8つのボタンA,B,C,D,E,F,G,Hがあります。最初は、すべてのパネルに「○」が表示されています。
eikou20m1.jpg

ボタンA,B,C,Dはそれぞれのボタンの下に並ぶ縦4枚のパネルに対応し、ボタンE,F,G,Hはそれぞれのボタンの右に並ぶ横4枚のパネルに対応しています。各パネルは、対応するボタンが押されるたびに、○→△→×→○→△→×→○→…と、表示されている記号が変化していきます。
例えば、最初の状態から、ボタンAを押すと図2のようになり、さらにボタンE,ボタンAの順番で押すと,図3,4のように変化します。
eikou20m2.jpg

(4)最初の状態から,ボタンA,Bは1回も押さず、ボタンCは1回,ボタンDは2回押しました。EからHのボタンはどのように押したか分からないとき、○が表示されているパネルの枚数として考えられるものをすべて答えなさい。

(5)最初の状態から何回かボタンを押したとき,〇が表示されているパネルの枚数として考えられるものをすべて答えなさい。

[解説]
(1)と(2)と(3)は解説は省略させてもらいます。

(4)
Aは0回、Bは0回、Cは1回、Dは2回を押すと
横の列のボタンを何回か押すと

○○△×の○が2個の場合
△△×○と××○△の○が1個の場合

になります。
ということは○の個数は4つ横の列の○の個数を考えて
1,1,1,1の時,4個
1,1,1,2の時,5個
1,1,2,2の時,6個
1,2,2,2の時,7個
2,2,2,2の時,8個
となります。
よって4,5,6,7,8が考えられます。

(5) (4)では
縦の列のボタンが0回、0回、1回、2回の組み合わせの時に横の列のボタンを押すと

○○△×の○が2個の場合
△△×○と××○△の○が1個の場合

となりました。
何故このような問いがあったのかを考えると、縦の列のボタンの回数の組み合わせによって横のボタンを押した時に○の増え方がかわるからです。
ということは同じように他のパターンを考えていけばよいことになります。

(2)の考察により縦の列のボタンの回数の組み合わせは
1回,1回,2回,0回なども0回,0回,1回,2回の場合と出来る○の個数は同じになります。

よって縦列のボタンの回数の数字が3個あるパターンはこれで全部です。

・縦列のボタンの回数の数字が2個の場合

●縦列のボタンの回数の同じ数字が3個と1個の場合

横の列のボタンを押すと
△△△×や×××△の0個
○△△△や○×××の1個
○○○△や○○○×の3個

になるので
0,0,0,0で0個
0,0,0,1で1個
0,0,1,1で2個
0,1,1,1で3個
1,1,1,1で4個
0,1,1,3で5個
1,1,1,3で6個
0,1,3,3で7個
1,1,3,3で8個
0,3,3,3で9個
1,3,3,3で10個
3,3,3,3で12個
の場合があります。

●縦列のボタンの回数の数字が2個と2個の場合

横列のボタンを押すと
○○△△や○○××の2個
△△××の0個
なので

0,0,0,0で0個
0,0,0,2で2個
0,0,2,2で4個
0,2,2,2で6個
2,2,2,2で8個
の場合があります。

・縦列のボタンの回数の数字が全部同じ場合

横列のボタンを押すと
○○○○の4個
△△△△や××××の0個
なので

0,0,0,0で0個
0,0,0,4で4個
0,0,4,4で8個
0,4,4,4で12個
4,4,4,4で16個
の場合があります。

(4)と以上より
0,1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,12,16
とわかりました。

栄光学園ではかなり深い問題が出題されます。僕は大問4は数学検定でも類題を見たことあります。
深い問題ですがその分、その場で考えてわかってもらうために誘導をしっかりつけることが多いので、前の問は何が言いたかったのか考える練習をしていくことで合格に近づきます!(畠田)

栄光学園中学校 算数 問題解説その2&入試分析★2018年(H30年)

今回は栄光学園中学校の問題をもう1問とりあげたくなったのでとりあげます。

(問題)H30 栄光学園中学校 大問2
1~10,2~11,…のような連続する10個の整数(1以上の整数)について考えます。
(1) ある連続する10個の整数の平均が34.5のとき,この10個の整数を下の例にならって答えなさい。
(答え方の例)
求めた10個の整数が1~10の場合:(1~10)
(2) 1~10の10個の整数を5個ずつ2つのグループに分け,それぞれの和を計算します。それらの値の差として考えられるものをすべて答えなさい。
(3) 連続する10個の整数を,5個ずつ2つのグループにどのように分けても,それぞれの和の値が等しくなることはありません。その理由を説明しなさい。

次に,連続する10個の整数を1つずつ,式( □+□+□+□+□)/(□+□+□+□+□)の□の中に入れ,この式の値を計算します。その値をXとすることにします。
例えば,9~18を(9+11+12+14+17)/(10+13+15+16+18)のように入れた場合は,
(9+11+12+14+17)/(10+13+15+16+18)=63/72=7/8なのでX=7/8となります。
(4) 考えられるXの値のうち,最も大きい値を答えなさい。
(5) Xの値が整数となるように,□の中に整数を入れなさい。一通りの場合だけ示せばよいものとします。
(6) X=11/14となるとき,□の中に入れた連続する10個の整数は何ですか。考えられるものをすべて求め,下の例にならって答えなさい。
(答え方の例)
求めた10個の整数が1~10と5~14の場合:(1~10) (5~14)

(1)連続する整数の和は
偶数個×(真ん中二つの平均)
奇数個×(真ん中の整数)
でした。

今回は10個の偶数個で真ん中二つの平均が34.5より真ん中二つは34,35です。
よって30,31,32,33,34,35,36,37,38,39の(30~39)とわかります

(2)このような問題はこれで解けるかはわかりませんが差が最大になるか、最小になる場合を考えてみたりします。
差が最大になるのは(1,2,3,4,5)と(6,7,8,9,10)でわかりやすいですね。
この差は5×5=25となります。

それではここから数字を交換すると差がどうなるかを実験してみることにします。
5と6を交換するときが一番変化が少ないので5と6を交換すると
(1,2,3,4,6)と(5,7,8,9,10)
小さい方の組が1増えて,大きい方の組が1減るので差は2減って23となります。

そしたら差が24は作れるか気になりますよね。
こういう場合は和を考えてみたり,奇数や偶数を考えてみるとわかることがあります。

2つのグループA,Bの和は1~10まで全て足せばよいのでA+B=55です。
これは奇数です。
2つの数の和が奇数であれば,差も奇数でした。
(※A+B=A-B+2×Bで(A+B)=(A-B)+(偶数)でA+BとA-Bの偶奇は同じ)
よって差が24になることはないので25の次に大きいのは23とわかりました。

今度は4と6を交換すると差は4減るので21
3と6を交換すると差は6減るので19
2と6は17
1と6は15
1と7は13
1と8は11
1と9は9
1と10は7
(1,5)と(6,10)は5
(1,4)と(6,10)は3
(1,3)と(6,10)は1
と色々な組み分けの仕方がありますが具体的に2ずつ減らせる例が作れるので
1,3,5,7,9,11,13,15,17,19,21,23,25とわかりました。

このように
最大や最小など考える
どう変化していくか調べていって
その値しか取れないことと(必要性),実際にその値がとれる例があること(十分性)
と言う流れで考えることで解きます。

(3) 前の問題が誘導になっていることがあります。(2)の場合では1~10では2つのグループの差が奇数なので0になることありませんでした。
連続する10個の整数でも同じようにできないかを考えます。

10個の連続する整数は奇数が5つ,偶数が5つあるので総和は
(奇数)×5+(偶数)=(奇数)
よって2等分することはできない。

(4) 10個の連続する整数から大きい方から5つを分子に、小さい方から5つを分子に入れたらよいことはわかると思います。
そしてどのような連続する10個の整数の場合かを考えます。
まずは今までの問がヒントになっていることから考えます。
2つのグループの差は大きくて25なので
(Xの分母)=△
(Xの分子)=△+25
の場合を考えることになります。
X=1+25/△
となるので△が小さい方がXは大きくなることがわかります。
△が一番小さくなるのは
(分母)=1+2+3+4+5=15
(分子)=6+7+8+9+10=40
の時よりX=15/40=3/8とわかります、

(5) さきほど書いたように
「最大や最小など考える
どう変化していくか調べていって
その値しか取れないことと(必要性),実際にその値がとれる例があること(十分性)」
の流れをやってみます。

(4)が誘導になっていてXの最大値は15/40=3/8よりXが整数になりうるのは1か2しかありません。
しかも(3)より二等分できなくて分母と分子を等しくすることができないから1はとれないので2の可能性しかありません。

と言うことは1+25/△=2より△=25とわかりました。
例えば連続する5個の整数の和が25になるパターンを考えると真ん中の値は25÷5=5より
(分母)=3+4+5+6+7
(分子)=8+9+10+11+12

の場合があります。

(6)同じように分子と分母の和や差を考えてみたりします。
そして具体的に値を書いていきます。
11+14=25より和は25の倍数で、しかも奇数なので奇数Aを使って
25×Aとあらわせます
連続する10個の整数は1+2+3+…+10=55よりA=1の25は無理です。
A=3のとき75になるのは真ん中2つの平均が75÷10=7.5より3~12
A=5のとき125になるのは真ん中2つの平均が125÷10=12.5より8~17
A=7のとき175になるのは真ん中2つの平均が175÷10=17.5より13~22
同様に,A=9:18~27,A=11:23~32,…

また差は14-11=3から3×Aとあらわせます。
A=3の時,3~12,差は9
A=5の時,8~17,差は15
A=7の時,13~22,差は21
A=9の時,18~27,差は27
A=11の時,23~32,差は33

さらに差は(2)より25以下の奇数は全て作ることができたので
A=3の時,3~12,差は9
A=5の時,8~17,差は15
A=7の時,13~22,差は21
で決まり
(3~12),(8~17),(13~22)
となります。

この問題はハイレベルな問題で必要な考え方や,論理を使います。過去問などで勉強して慣れていけば大丈夫です(畠田)

栄光学園中学校 算数 問題解説&入試分析★2018年(H30年)

今回は栄光学園中学校です。

受験者数は711人で合格者数286人の実質倍率2.49倍。
合格最低点143/240、合格者平均点156.7/240

各教科の平均点は(受験者平均点/合格者平均点)の順で
国語70点満点(40.4/46.2)
算数70点満点(36.0/44.1)
理科50点満点(22.2/27.0)
社会50点満点(36.6/39.4)

算数は6割5分が目標です!
今年も相変わらず難易度が高く、典型的な解き方と言うタイプではない問題でした。

それでは、気になるであろう問題をとりあげます

(問題)H30 栄光学園中学校 大問3
下の図のような,底面の半径が10cm,高さ20cmの円柱の容器と,底面の半径が5cm,高さ10cmの円柱のおもりA,底面の半径が4cm,高さ20cmの円柱のおもりBがあります。
eikou2018m1.jpg

様々な高さまで水が入った容器におもりAとBを入れたときの水位(水面の高さ)の変化について考えます。ただし,容器の底におもりの底面がぴったり重なるようにおもりを入れます。また,容器の厚さは考えないものとします。
eikou2018m2.jpg

小数点以下がある場合は,四捨五入をして小数第1位まで答えなさい、

(1) ある高さまで水が入った容器にAとBのおもりを入れたところ,下の図のように容器はちょうど満水になりました。容器にはもともとも何cmの高さまで水が入っていたか答えなさい。
eikou2018m3.jpg

(2) 6cmの高さまで水の入った容器にAとBのおもりを,まずA,その後でBの順に入れました。
① Aのおもりを入れると水位は何cmになるか答えなさい。
② Bのおもりを入れると水位は何cmになるか答えなさい。

(3) ある高さまで水が入った容器に,A,Bの順におもりを入れたときとB,Aの順におもりを入れたときとでは,2つ目のおもりを入れる前と後の水位の差が等しくなりました。容器にはもともと何cmの高さまで水が入っていたか答えなさい。求め方も書きなさい。ただし,水はあふれなかったもとします。

(1),(2)は典型的な普通の問題なので簡単に答えます。、
底面の比は
A:B:容器=5×5:4×4:10×10
=25:16:100
なので底面をそれぞれ25,16,100で扱います。

(1) 元から入っていた水の量を容器の底面で割ります
{(容器)-(Aの体積)-(Bの体積)}÷(容器の底面積)=(100×20-25×10-16×20)÷100
14.3cm

(2)Aが完全に水中に入るか,上面が水面から出るかのどちらになるか注意する問題です。
どちらか予想して計算して,正しいか確かめてみる方法でやってみます。

① Aを入れたときAの上面が水面から出ていると予想すると底面が100から75になり100:75=4:3
6×4/3=8cm
これは10cmより小さいので適しています。

② ①では上面が水面から出ていないのでBを入れるとAは完全に水中に入ると予想してみます。
完全に水中に入るとすると
{(元の水の量)+(Aの体積)}÷{(容器の底面積)-(Bの底面積)}=(100×6+25×10)÷84
=10.11…
より10.1cm
これは10cmより大きいので適しています。

(3)
○A,Bの順に入れるときに
(i)1つ目Aを入れると完全に水中
eikou2018k1aa.jpg

(ii)1つ目Aの上面が水面から出ていて2つ目Bを入れるとAが完全に水中
eikou2018k2.jpg

(b)1つ目Aの上面が水面から出ていて2つ目Bを入れるとAの上面が水面から出てる
eikou2018k3.jpg

○B,Aの順に入れるときに
(i)2つ目Aが完全に水中
eikou2018k4.jpg

(ii)2つ目Aが上面が水面から出てる
eikou2018k5.jpg

3パターン×2パターン=6パターンの場合分けが必要なようにみえます。
解けるかもしれませんが,しんどすぎます。

そういうときは順に考えるよりも最初と最後の状態を考えてみる方法があります。
eikou2018k6.jpg

最初にどちらの場合も同じだけ水が入っていて,最後もどちらの場合もAもBを入れているので
「最後の水面の高さが同じ」
になります。

eikou2018k7a.jpg

そして2つ目のおもりを入れる前後の水位の差が同じだったということは,
「1つ目のおもりを入れたときも同じ水位」
だということがわかります。

と言うことは話を整理すると
「1つ目A入れたときと,1つ目B入れたとき,どちらも水位の上昇が同じ」
ということになります。
するとAよりBの方が底面積が小さくBは上面は水面から必ず出ていているので,Aは完全に水中に入る場合に決まります。

○1つ目Aのとき
eikou2018k8.jpg
Aの体積だけ水面が高くなるので25×10÷100=2.5cm上昇

○1つ目Bのとき
eikou2018k9.jpg
(Bの底面積):(容器の底面積-Bの底面積)=16:(100-16)
=4:21
よりBを入れたことにより水面が④cm上昇で,元の高さ㉑cmとおけて

AだけとBだけの時で同じだけ水面が上昇したので
④=2.5cm
よって元の高さは
㉑=2.5×21/4=13.125
より13.1cmとわかりました

典型的な解き方と言う感じではありませんが,最初と最初の状態を考えるなどの思考はよく使います。
考え方を勉強していけば,栄光のこのような問題にも手をつけられるように成長します(畠田)

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