数理教育研究会

早稲田実業

早稲田実業学校中等部 理科 問題解説&入試分析★2020年(R2年)

今回は早稲田実業中等部の理科を扱います。

【問題分析】
大問1…レンズの問題です。
問1…基本的なレンズの作図の問題。
問2…像は上下反転するということは、左右も反転します。
つまり180°回転します。
問3(1)…光はどのように進むか基本的なレンズの作図の問題です。リード文にもルールが書いてるのであわせたい。
(2)…人は光が目に入ってきた方向から光が直進してきたと認識します。虚像の作図も書けるように練習しておきたい。
(3)定規ではかればわかりますが高校で習う公式を使うと
1÷(3/5)-1/☐=1/1
で☐の値を求めて☐=3/2なので(3/2)÷(3/5)=2.5倍と求まります。

大問2…生物分野の問題です。
問1…進化です。これは落とせない。
問2…草食動物は草を噛み切れるように門歯が発達しています。
草食動物は牛のお腹を見ればわかるように腸がめっちゃ長く肉に比べて草は消化しにくいので腸が長くなります。さすがに草食動物は獲物をつかまえると草食動物ではないので肉食動物から逃げるために兄にかたいひづめをもって長距離を速く走れるようになっています。よく習う分野なので理由を関連付けてしっかり覚えておきたい。
問3…無性生殖は体細胞分裂なので遺伝子が全て同じです。人間も恋人とか作らずに子供出来たら楽なように無性生殖は安定します。
しかし自分と全く同じ遺伝子の子供が生まれていたら、何百年も同じ人がいることになりみんな暑さに弱い人なら異常気象で気温があがるなど環境が変化すると滅亡します。
問4…脳が大きくなった原因を図と表を見て考えろを述べろということですが、この表で考えがまとまるならば学者レベルになります。
実際には、脳が発達したのは狩りをすることによって肉を食べてカロリーを摂取できるようになった説や、厳しい環境に適応できるように大きくなった説などどこかで読んでおかないと難しいと思われます。

大問3…よく環境問題でとりあげられるプラスチックの問題です。
問1…焼却炉が「傷む」なので適切なのは燃焼温度が高いです。
問2…ダイオキシン、昔はよくワイドショーでとりあげられていました。
問3…トウモロコシなので「バイオ」プラスチック、自然の中で分解なので生分解性プラスチック。これは知ってるかではなくて名前の意味で答えます
問4…ハワイに日本語を書いてるプラゴミ「も」多い、北米西海岸の沖合にはプラゴミが大量に流れ着いているという文章から、日本から一旦北米西海岸に行ってハワイに戻ってこないと、こうはならないなど問題文から読み取って答えます
問5…プラスチックがもろくなるというより、選択肢の中でもっともエネルギーの強い電磁波は紫外線です。
マイクロ派なんて、可視光線よりもエネルギーが低くてこれが危険ならば光も危険になります。偽科学に騙されないように物理の電磁波についてもきっちり知っておきたいところです。
問6…意味から言うとマイクロが100万分の1という意味なのでマイクロにはなります。
ミクロとマイクロは同じ意味ですがミクロンはマイクロメートルのことなので長さのことになってしまいます。
問7…1cm^3あたりの重さを計算して1より小さいものが浮きますね。

こんな細かいところまで知っていけないといけないのか?ではなく、読解力が問われてます。基本的な知識をしっかり定着させることと、読解を鍛える練習をしてください!(畠田)

早稲田実業学校中等部 算数 問題解説&入試分析★2020年(R2年)

今回は早稲田実業学校中等部の算数を扱います。

【入試資料分析】
受験者数
男子359
女子222

合格者数
男子102
女子55

実質倍率
男子3.52
女子4.04

合格最低点
男子194点
女子214点

各科目の受験者平均は
国語63.0/100
算数57.6/100
社会27.4/50
理科28.0/50

女子の難易度が高い

【問題分析】
大問1…(1)適度な計算問題です。必ずあわせたい。
(2)定石の比の問題。素早くあわせたい。
(3)定石の道のりの場合の数の問題。イチイチ解法などで素早くあわせたい。
(4)色々な求め方あると思いますが、例えば断頭三角柱ととらえて平均の高さを求めて体積を出せます。しかし面倒な方法になったとしても、これはあわせたい。

大問2…(1)今回はこの問題を扱います。
(2)群数列の問題です。典型でそんなに複雑でもないので満点を狙いたい。

大問3…(1)歩数と歩幅の典型問題です。すぐにあわせたい(2)ダイアグラムを見ると太郎と花子の速さの比は2:1とわかります。よって3人の速さの比がわかります。そうすると、それぞれの出会いにおいて速さの和の比を考えることが出来るので道のりはABで同じことから時間の比は速さの和の比の逆比になります。すると太郎君の進んだ距離は時間の比になります。(3)(2)よりAC,CD,DBの長さがそれぞれ求まります。と言うことは太郎君の速さが求まるので次郎君の速さも求まります。少し高度ではありますが、旅人算の定石で解けるのであわせていきたい。

大問4…(1)仕事算の典型問題です。(2)典型的な食塩水の濃度の問題です。(3)容積に関する式と濃度に関する式を二つ立てて消去算の構造になります。計算が大変です。

大問5…円の半径から直角三角形の長さがわかっていきます。そして合同や相似な直角三角形を見つけていくことができます。3:4:5の直角三角形とわかっていきます。
直角三角形の直角でない角度を○と×とでも書いて同じ角度のところに印を入れていくなどの整理の仕方を練習しているかが効いてきます。ややこしいですが、(1),(2)くらいまであわせられたらなと思います。

(問題)早稲田実業学校中等部 大問2の(1)
下の図は、文字盤のない時計を長針が真上にくるようにおいたものです。このとき,(あ)と(え)の角の大きさの比は1:2,(い)と(う)の角の大きさの比は3:1となりました。次の①,②に答えなさい。

①(う)の角度を求めなさい。

②この時計は何時何分を表していますか。
soujitu20m1.jpg

[解説]
①(あ)+(い)=60°,(う)+(え)=30°
です
(あ)と(え)の角の大きさの比は1:2より(あ)=[1],(え)=[2]
(い)と(う)の角の大きさの比は3:1より(い)=<3>,(う)=<1>
とおけます。

すると
[1]+<3>=60°
[2]+<1>=30°

消去算より
(上の式)×2-(下の式):
<5>=90°
から
<1>=18°
[1]=6°
とわかりました。

時計算なので6:0.5:5.5を使うと見せかけて、まだ使わないので騙されないように条件を整理しましょう。

(2)(う)は長針が0分をさしているとき0°です。
長針が1分すすむと0.5°進みます。

これらのことから長針は
18÷0.5=36分
をさしています。

と言うことは36分戻すには長針を反時計回りに8個目のメモリに戻せばよくなります。

この時、長針から見て針は反時計回りに90°なのでこの時間は9時とわかります。

よって9時36分

早稲田実業はどの大問も定石の解法はよく問われますが、小問によっては複雑になりがちです。
しっかり抑えるところは抑えて、複雑な問題はいくつか正解しておけばアドバンテージになります。がんばってください(畠田)

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