数理教育研究会

フェリス女学院

フェリス女学院中学校 理科 問題 解説&入試分析★2020年(R2年)

今回はフェリス女学院中学の理科を扱います

【問題分析】
大問1…蒸散や光合成に関する問題です。細かい知識が問われているわけではないので、大筋をしっかり理解しておうことが重要です。

大問2…湿度の問題です。問題文を読めばある程度わかるように出来ています。これも細かい知識というよりは、基礎的なことを理解をして問題文から読み取る練習が重要です。

大問3…ばねの問題です。簡単ではありますが、間違いやすい問題を誘導つきで理解しながら解けるようにしている丁寧な良い問題です。今回はこの小問2と4を扱います。

大問4…ドライアイスに関する基礎的な事項が一通り問われています。確認しておきましょう。

(問題)R2 フェリス女学院中学校 大問3
1つの物体を、両側から反対向きに同じ大きさの力で引っ張ると、制止して動きません。この原理を用いて、ばねの性質について考えてみましょう。ただし、ばねの重さは考えないものとします。

図1のように、5cmのばねAの上端を棒に固定し、下端に50gのおもりをつるしたところ、ばねはのびて、全体の長さが7cmになりました。
ferisu20r1.jpg

小問2
図2のように、ばねAを横いして両端にひもをつけ、それぞれのひもを滑車にかけて50gのおもりをつるしました。ばね全体の長さは何cmになりますか。
ferisu20r2.jpg

ばねAのかわりに、性質の異なるばねBを用いて、図1と同じ実験をしました。8cmのばねBの上端を棒に固定し、下端に50gのおもりをつるしたところ、ばねはのびて、全体の長さが12cmになりました。

小問4
図3のように、ばねAの下端にばねBをつるし、ばねBの下端に50gのおもりをつるしました。全体の長さは何cmになりますか。

ferisu20r3.jpg

[解説]
小問2
図1のようにばねは両側から50gずつひっぱられると全体の長さが5cmから7cmになりました。
ferisu_2020_kaisetu_rika_m3-2.jpg
図2においても両側から50gずつ引っ張っられているので7cmになります。

小問4
ばねBは両側から50gずつ引っ張られると全体の長さが8cmから12cmになります。
ferisu_2020_kaisetu_rika_m3-3.jpg
図3においてもばねAは両側から50gずつ引っ張られているのでばねAの長さは7cm、ばねBは両側から50gずつ引っ張られているのでばねBの長さは12cm

よって全体は7+12=19cmとなります。

細かい知識よりも基本的なことを、何故そうなるのか理解しておくように勉強しておくこと合格に近づきます!(畠田)

フェリス女学院中学校 算数 問題 解説&入試分析★2020年(R2年)

今回はフェリス女学院中学の算数を扱います

【入試資料分析】
2020年度の受験者数は384人で合格者195人、倍率は1.97倍です。

平均点は
国語:70/100
算数:54/100
社会:41/60
理科:42/60

【問題分析】
大問1…(1)王道な計算問題です、絶対あわせましょう。(2)角度を調べると二等辺三角形を発見できる、基本的な良い問題です。(3)1,2,3,4,5,6,7,8,9,10がそれぞれ何回あらわれて,それは2が何個分か?3が何個分か?5が何個分か?7が何個分か?を考えます。勉強にするにもよい問題です。(4)典型的な比の問題です、必ずあわせたい。(5)例1ではお尻同士がくっついてる場所が一カ所、または全部同じ向き。例2では頭が向き合っている箇所の左側と右側が例1のようになっています。色々書いて規則性を把握しまししょう。

大問3…(1)は扇形から直角二等辺三角形を取り除くだけです。(2)30°を利用して三角形の高さを求めて三角形の面積をひくのがポイントになります。どちらも基礎的なのであわせたい。

大問4…完全にa_(n+1)=2/3×a_n+10を解くという高校の漸化式の問題です。(1)計算してみて操作を理解しましょう。(2)特性方程式x=2/3×x+10を解いてx=30と求めて差を考えるのが高校の解き方ですが、それを誘導でやってくれています。
30-(n+1番目の数)={30-(n番目の数)}×2/3
となっています。(3)30-10=20を何回2/3倍すれば30-29=1より小さくなるか考えます。高校の範囲と言えども誘導がしっかりついてるので点数はとりたいところです。

大問5…今回はこれを扱います。

(問題)R2 フェリス女学院中学校 大問2(1)
Aさん,Bさん,Cさん,Xさんの所持金はそれぞれ1600円,3000円,4000円,x円です。AさんとXさんの所持金の差はa円,BさんとXさんの所持金の差はb円,CさんとXさんの所持金の差はc円です。a,b,cはすべて異なる数です。次の問いに答えなさい。(1),(2)は下のわくの中から選んで答えなさい。
ferisu20m1.jpg
(1)a,b,cの大小関係についてありえないものを,上のわくの中の①~⑥からすべて選び,その番号を答えなさい。

(2)bとcの和がaの2倍に等しいとき,a,b,cの大小関係として考えられるものを,上のわくの中の①~⑥からすべて選び,その番号を答えなさい。

(3)bとcの和がaの2倍に等しいとき,Xさんの所持金x円はいくらですか。

[解説]
(1)大小関係がどこで切り替わるか数直線で考えてみます。
ferisu_2020_kaisetu_m5-1-1.jpg
図はxの位置によってa,b,cの大小関係がどうなるかを表していて、aとbはAとBの中点,bとcはBとCの中点,cとaはCとAの中点を境に大小関係がかわります。
この図から
のa<cとc<bは同時に成立しなくて
のc<aとa<bは同時に成立しないことがわかります。

(2)式で考えると楽です。(1)より②と⑤以外となります。
①a<b<cであればb+c>a+aなのでb+cはaの2倍より大きいです。
④b<c<aであればb+c<a+aなのでb+cはaの2倍より小さい
⑥c<b<aであればb+c<a+aなのでb+cはaの2倍より小さい

のでのb<a<cしかないことがわかります。

(3)
ferisu_2020_kaisetu_m5-1-2.jpg
b<a<cなのでxは図の赤い部分の値よりxは1600より大きく,3000と4000より小さいので
a=x-1600
b=3000-x
c=4000-x
より(x-1600)×2=3000-x+4000-x
整理してx×4=10200からx=10200÷4=2550
とわかりました。

これは高校でやるような絶対値の問題ではあります。綺麗に解けなかったとしても,色々な場合を具体的に考えてみてみましょう。(畠田)

フェリス女学院中学校 算数 問題 解説&入試分析★2018年(H30年)

フェリス女学院を取り上げます。
2018年度の受験者数は386人で合格者196人、倍率は1.97倍です。

平均点は
国語:60/100
算数:48/100
社会:38/60
理科:35/60

と例年のように算数が低く、勉強すればとれる問題が多いので他の受験生に大きな差をつけやすい教科でもあります。

それでは図形の回転の理解が深まりそうな問題をとりあげます。

(問題)H30年 フェリス女学院中学校 第3問
四角形ABCDを,(あ)図のように矢印の向きに回転させ,四角形EFGDと重なるように動かすことを,「四角形ABCDを点Dのまわりに,時計まわりに90°回転させる」といいます。次の[ア],[イ],[ウ]にあてはまる数をそれぞれ求めなさい。
feri2018km1_201804161531590d1.jpg

(1)(い)図は,ある四角形を点Oのまわりに,時計まわりに90°回転させるとき,その四角形が通るところを表したものです。曲線⌒PRは点Oを中心とする円の一部です。3つの点Q,O,Rは一直線上にならんでいます。また,直線PQの長さと直線QOの長さは等しいです。この四角形の角のうち,最も小さい角の大きさは[ア]°です。
feri2018km2_2018041615320037f.jpg

(2)(い)図は,(1)とは別の四角形を点Oのまわりに時計まわりに[      ]°回転させたとき,その四角形が通ったところを表したものと考えることができます。[      ]にあてはまる数のうち,最も小さいものは[イ]で,そのときの四角形の角のうち,最も小さい角の大きさは[ウ]°です。
feri2018km3_20180416153202c35.jpg

平面図形の回転のポイントの一つは端に注目します。
feri2018k1_201804161532033d3.jpg
図のように回転して通るところの端に元の図形の端の形があらわれます。
回転して青の実線は青の破線に,赤の実線は赤の破線になります。
(1)
feri2018k2_2018041615320551f.jpg
図のように左の端は青の実線のOQとOP,右の端は赤の破線ORの部分の形になります。
赤の破線を90°逆に回転させて元に戻してOR’を考えます。
feri2018k3_20180416153218e40.jpg
すると元の図形はPとR’を直線で結んで四角形OR’PQとなることがわかります。
∠POR’=90°-30°=60°

OP=OR’
より△OR’Pは正三角形となるので最も小さい角の大きさは∠OR’P=60°とわかります。

(2)
feri2018k4_20180416153220507.jpg
(1)の図形では図のように緑の扇形の弧R’P’の部分が重なっているので,ここが重ならない(P’とR’が同じ点になる)ように回転させたら良さそうです。
つまり90°回転から30°÷2=15°ひいて75°回転を考えます。
feri2018k5_20180416153221a05.jpg
すると図より
∠POP’=75°
OP=OP’
から最も小さい角の大きさは∠OP’P=(180-75°)÷2=52.5°となります。

フェリス女学院はどういう解き方をしたら良いかを求められる問題をよく出します。
しっかり過去問で練習していきましょう!(畠田)

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