数理教育研究会

四天王寺

四天王寺中学校 入試分析 算数 2020(R2)

今回は四天王寺中学校です

【入試資料分析】

医志コースと英数Ⅰ・Ⅱ合算
受験者数736 合格者数456 実質倍率1.61 合格最低点230/400

医志コースと英数Ⅱ合算
受験者数736 合格者数278 実質倍率2.65 合格最低点266/400

医志コース
受験者数547 合格者数93 実質倍率5.88 合格最低点299/400

各教科の平均点は
(科目,受験者平均,合格者平均,最高点,満点)
(国語,72,76,106,120)
(社会,55,58,76,80)
(算数,74,81,120,120)
(理科,54,56,77,80)
医志コースと英数ⅠⅡの合算なのであまり参考にならないかもしれません。

しかし算数は得点率は高めでミスが許されなかったであろうと言うことがわかります。

【問題分析】
大問1…シンプルな計算問題です。必ずあわせたい。

大問2…相似を使うよく練習した形と思うのであわせたい。

大問3…例題的な仕事算。さらっと正解したい。

大問4…群数列の問題です。いつもと同じことしか聞かれていないので練習していって、正解をしておきたい。

大問5…今回はこれを扱います。

大問6…①は池を回る例題みたいな旅人算です。②はグラフというヒントが与えられているためやりやすかったかもしれません。しかしPとQが重なったときも三角形ができないことを忘れないように気を付けてください。

大問7…①平行な面と切断面の交わる二つの直線は平行であるなど、断面で使う方法で断面がどうなっているかわかります。
②(上+下)×高さの比ですね。
③切り口の赤の台形がわかりにくいと思いますが、切り口の白の三角形の面積の3/4倍です。そして白の三角形は三角すいを展開すると正方形になるから、それで面積が求められるというパターンです。これは使わないか毎回疑ってみてください。

(問題)四天王寺中学 大問5
10円硬貨が6枚あり、机の上に表を上にして横一列に並べます。
1個のさいころを投げて、出た目と同じ枚数だけ左から順に硬貨を裏返す操作をします
この操作を3回くり返した後の硬貨の表裏について考えます。
例えば,さいころの目が,順に2,3,2のとき,硬貨の表裏は図のように変化し,「裏裏裏表表表」になります。
siten20m1.jpg
①さいころの目が,順に3,6,1のとき,表は何枚になりますか。

②6枚の硬貨が「裏裏裏裏裏表」になりました。このとき,考えられるさいころの目の出方は何通りありますか。

③6枚の硬貨のうち,裏は5枚になりました。このとき,考えられるさいころの目の出方は何通りありますか。

[解説]
①○を表、×を裏とします。
さいころの目が3,6,1と出ると次のように変化します。
×××○○○
○○○×××
×○○×××
よって表は2枚です。

②0回を含む偶数回ひっくり返すと表、奇数回ひっくり返ると裏になります。
まず左から1~5番目までは裏なので
それぞれひっくり返った回数は1回か3回となります。
左から6番目は表なので0回か2回になります。

またひっくり返る回数は
(左の硬貨)≧(右の硬貨)
でなければいけません。

そして3は必ずどこかに必要です。

(ひっくり返った回数)→(3回のさいころの目の組み合わせ)→(目を並べると何通りあるか)
を書くと
333330→(5,5,5)→1通り
333332→(6,6,5)→3通り
333310→(5,4,4)→3通り
333100→(5,3,3)→3通り
331000→(5,2,2)→3通り
310000→(5,1,1)→3通り
よって3×5+1=16通り

とわかりました。


×××××○は②より16通り
××××○×はそれぞれひっくり返った回数は333321だけで、さいころの目の組み合わせは(4,5,6)これを並べて3×2=6通り
×××○××も同様に333211より(3,4,5)で6通り
××○×××も同様に6通り
×○××××も同様に6通り
○×××××は一番左は必ず3回ひっくり返るのでありません。

よって16+6×4=40通り

とわかりました。

書き上げていって規則性を掴んでいくのがポイントです。練習して合格に近づきましょう!(畠田)

四天王寺中学校 入試分析 算数 2018(H30)

今回は四天王寺中学校です。

入試データですが医志コースは合格点に達していなくても英数Ⅰ・Ⅱの変更合格があるので英数ⅠまでのラインとⅡまでのラインと医志までのラインで分析します。

医志コースと英数Ⅰ・Ⅱ合算
受験者数621 合格者数471 実質倍率1.31 合格最低点236/400

医志コースと英数Ⅱ合算
受験者数621 合格者数296 実質倍率2.10 合格最低点269/400

医志コース
受験者数459 合格者数77 実質倍率5.96 合格最低点308/400

各教科の平均点は
(科目,受験者平均,合格者平均,最高点,満点)
(国語,79,82,107,120)
(社会,58,60,78,80)
(算数,85,91,114,120)
(理科,43,46,75,80)
で医志コースと英数ⅠⅡまでの合算なので合格者平均がほとんど意味がないですが合格者最高点と受験者平均の得点率を計算すると
(科目,受験者平均,最高点)
(国語,66%,89%)
(社会,73%,98%)
(算数,71%,95%)
(理科,54%,94%)
算数は得点率の高い争いでミスが許されなかったであろうと言うことがわかります。

それでは差がついたであろう場合の数の問題を扱います。

(問題)H30 四天王寺中学校 算数 大問6番
Aさんの箱には[1],[3],[5],…,[19]の奇数が書かれた10枚のカードが,Bさんの箱には[2],[4],[6],…,[20]の偶数が書かれた10枚のカードが入っています。これらを使って2人でゲームをします。

ルール
(ア) 2人同時に自分の箱からカードを1枚ずつ取り出す。
(イ) 数の大きいカードを出した人がその2枚のカードをもらい,自分の箱に入れる。
(ウ) 自分の箱に入っているカードの数の合計をそれぞれの得点とする。

① ゲームを始める前の,AさんとBさんの得点はそれぞれ何点ですか。

② 1回目にAさんが[11],Bさんが[6],2回目にAさんが[3],Bさんが[14],3回目にAさんが[6],Bさんが[2]を取り出しました。
3回目が終わったときのAさんの得点は何点ですか。

③ 2回目が終わったとき,2人の得点が等しくなりました。このような2人のカードの取り出し方は何通りありますか。

①,②は簡単に書きます

①Aは1から19までの10個の奇数の和なので
(1+19)×10÷2=100点
Bは2から20までの10個の偶数の和なので
(2+20)×10÷2=110点

②Aさんの得点のうつりかわりは
100→106→103→105
なので105点
この時Bさんも105点ですね

③二人の得点が同じなのは105点になったときなので
2回でAさんが100点から+5で105点になる場合のことになります。

+5は奇数で
(偶数)+(偶数)=(偶数),(偶数)+(奇数)=(奇数),(奇数)+(奇数)=(偶数)より2回で奇数の点増加するにはAが
1回目奇数の点増減,2回目偶数の点増減
1回目偶数の点増減,2回目奇数の点増減
の場合に限ります。

1回目偶数の点増減,2回目偶数の点増減
1回目奇数の点増減,2回目奇数の点増減
の場合はないので1回目にもらったカードを2回目に渡すことはありません。

なので整理するとAが
1回目失点,2回目得点
1回目得点,2回目失点
の場合を考えたらよいことがわかります

(i)Aが1回目失点,2回目得点

1回目-1,2回目+6の時
1回目(A,B)=(1,2か4か6か8か10か12か14か16か18か20)の10通りで
Aのカードは3,5,7,9,11,13,15,17,19で1なし
Bのカードは2,4,6,8,10,12,14,16,18,20ともらった1
2回目(A,B)=(7か9か11か13か15か17か19,6)の7通りで合計10×7通り

1回目-3,2回目+8の時
1回目(A,B)=(3,4か6か8か10か12か14か16か18か20)の9通り,2回目(A,B)=(9か11か13か15か17か19,8)の6通りで合計9×6通り

1回目-5,2回目+10の時
1回目(A,B)=(5,6か8か10か12か14か16か18か20)の8通り,2回目(A,B)=(11か13か15か17か19,10)の5通りで合計8×5通り

以下規則性から同様にして合計
10×7+9×6+8×5+7×4+6×3+5×2+4×1=224

(i)Aが1回目得点,2回目失点

1回目+6,2回目-1の時
1回目(A,B)=(7か9か11か13か15か17か19,6)の7通りで
Aのカードは1,3,5,7,9,11,13,15,17,19ともらった6
Bのカードは2,4,8,10,12,14,16,18,20で6なし
2回目(A,B)=(1,2か4か8か10か12か14か16か18か20)の9通りで合計7×9通り

1回目+8,2回目-3の時
1回目(A,B)=(9か11か13か15か17か19,8)の6通り,2回目(A,B)=(3,4か6か10か12か14か16か18か20)の8通りで合計6×8通り

1回目+10,2回目-5の時
1回目(A,B)=(11か13か15か17か19,10)の5通り,2回目(A,B)=(5,6か8か12か14か16か18か20)の7通りで合計5×7通り

以下規則性から同様にして合計
7×9+6×8+5×7+4×6+3×5+2×4+1×3=196

よって224+196=420通りとわかりました。

このように少し複雑な数える問題でも具体的に書きだして規則性を見つけるとミスなく数えられることができます。
練習して差をつけられたらいいですね。(畠田)

PAGE TOP