数理教育研究会

甲陽中学校 算数(1日目) その1 2018(H30)入試分析

甲陽学院中学1日目の問題をとりあげたいと思います。

受験者数 389名→363名→350名→349名→317名→382名→369名→402名
合格者数 218名→216名→219名→219名→215名→220名→219名→222名
実質倍率 1.78倍→1.68倍→1.60倍→1.59倍→1.47倍→1.74倍→1.68倍→1.81倍
今年は例年よりも高い倍率となりました。

各科目の得点情報は
受験者平均
国語① 64.9→49.4→63.1→62.0→56.5→53.6→55.2
国語② 59.9→59.0→69.5→49.3→60.7→59.7→52.8
算数① 56.0→49.8→60.3→62.1→58.3→58.9→62.1
算数② 54.0→56.3→61.4→53.1→47.5→54.3→58.3
理科  54.7→52.1→67.9→53.7→59.8→56.9→47.9
合格者平均
国語 132.0→114.9→138.1→117.7→125.4→119.9→117.1
算数 128.6→122.6→138.3→127.2→119.0→130.5→141.4
理科 58.8→58.1→71.7→57.1→59.8→60.6→53.3

算数の(①の平均点)+(②の平均点)は
110.0→106.1→121.7→115.2→105.8→113.2→120.4
これと合格者平均との差は
18.6→20.5→16.6→12→13.2→17.3→21
例年に比べて少し差がつきやすかったようです。

それでは1日目の甲陽らしい速さの問題を取り上げます。

(問題)H30 甲陽学院中学校 算数(第1日) 大問3番
太郎,次郎,三郎は,直線道路で結ばれたA市とB市の間をそれぞれ一定の速さで一往復します。太郎と三郎はA市を,次郎はB市を同じ時刻に出発し,出発してから15分後に太郎と次郎ははじめて出会いました。そして,次郎がA市に着いたとき,太郎と三郎ははじめて出会いました。さらに,太郎と次郎が折り返したあと出会ったのは,はじめて出会った地点から600mだけA市に近い地点でした。
(1)太郎と次郎が折り返したあと出会ったのは,はじめて出会ってから何分後ですか。

(2)太郎と次郎の速さの差は,毎分何mですか。

(3)三郎の速さが毎分45mです。A市とB市は何m離れていますか。

(1)太郎君と次郎君が最初に出会うと二人の歩いた距離の和はAB1つ分で15分かかり、次に出会うまでの距離の和はAB2つ分なので15分×2=30分後になります。

(2)
kouyou1811k1.jpg
○から×までを15分間、×から□までが30分間です。

太郎と次郎が初めて出会ってからの30分間に進む距離を考えると図から
(太郎:×から□まで)-(次郎:○から×までの2倍)=600m
なので太郎と次郎の速さの差は
600÷30=20m/分
とわかります。

(3)
kouyou1811k2.jpg
○から×までのそれぞれの進んだ距離を考えて
(三郎の進んだ距離)は速さ45m/分から㊺
(太郎の□から×)までが太郎と次郎の速さの差20m/分から⑳
とおくと
(太郎の進んだ距離)=㊺+⑳+⑳
(次郎の進んだ距離)=㊺+⑳
となり
太郎の速さは45+20+20=85m/分
次郎の速さは45+20=65m/分
したがってABの距離は(85+65)×15=2250mとわかります。

同じ時刻は同じ記号を使うなど状況図を描いて、時間が一定の場合は速さと距離は比例します。
何が一定なのか?を意識して練習していけば点数に結びついていくのでがんばりましょう。(畠田)

PAGE TOP