数理教育研究会

聖光学院中学校 算数 問題解説&入試分析★2020年(R2年)

今回は聖光学院の第1回をとりあげます

【入試資料分析】
第1回は受験者数は697人、合格者数は231で実質倍率は3.02倍

科目別得点結果は(科目,満点,平均点,合格者平均,合格最低点)の順に
(国語,150,89.7,103.8,68)
(算数,150,84.1,107.1,60)
(理科,100,75.5,84.4,63)
(社会,100,63.6,70.9,47)
(合計,500,312.9,366.3,342)

算数はここ数年では低めですが、ほぼ例年通りの平均点となりました。

【問題分析】
大問1…(1)基本的な計算問題です、しっかりあわせましょう。(2)群数列です、当たり前のように出来てほしいところです。(3)基本的な時計算。満点を狙いたい。

大問2…今回はこれを扱います。

大問3…旅人算の問題です。ややこしそうですが、ダイアグラムなどを書いて時間の比を書いていくと意外とそんなに難しくなく、勉強しただけ報われます。点数を稼ぎたい。

大問4…立方体の切断や正射影の問題です。(1)正射影からP,Q,Rの位置はわかりやすいとは思います。体積は立方体を半分にして三角すい2つと四角すい1つを取り除くなど少し工夫が必要ですが、あわせたい。(2)△FGHを底面とした三角すいT-FGHとS-FGHとB-FGHは高さ1:2:3です。あまりややこしい図ではないので出来れば正解したい。

大問5…(1)△PAB+△PDE=1/3というように向かい合う三角形の面積の和は正六角形の1/3であることや,△ABCは正六角形の1/6であることなど使います。(2)1/4が二つあるパターンは隣り合う場合と、間に1つ三角形が入る場合の2パターンあります。後は面積が同じことより対称性など利用すれば(1)のように解けます。(3)1/4になるのは向かい合う三角形が1/4と1/12になる時で高さの比は3:1です。そんなに難しいわけでもないので出来れば点数を確保したい。


(問題)聖光学院中学 第1回 大問2
2つのボタンA,Bがついた,数を表示する機械があります。この機械の最初の状では3が表示されており,ボタンを押すことによって,次のように表示される数が変わります。

ボタンAを押すと,押す前に表示されていた数に3を加えた数が新しく表示される。
ボタンBを押すと,押す前に表示されていた数に3をかけた数が新しく表示される。

たとえば,最初の状態からボタンAを押すと6が表示され,次にBを押すと18が表示され,さらにAを押すと21が表示されます。
このとき,次の問いに答えなさい。

(1)最初の状態から,順にB,B,A,A,B,Aとボタンを押したとき,最後に表示される数を答えなさい。

(2)最初の状態から何回かボタンを押して,最後に333が表示されるようなボタンの押し方のうち,ボタンを押す回数が最も少ないのは何回ですか。

(3)最初の状態から6回ボタンを押して,最後に偶数が表示されるようなボタンの押し方は全部で何通りありますか。

(4)最初の状態から何回かボタンを押して,最後に36が表示されるようなボタンの押し方は全部で何通りありますか。

[解説]
(1)計算だけして簡単に答えます。

(3×3×3+3+3)×3+3=102

(2)この問題は3進法であらわすとわかりやすくなります。

例えば3進法で121010であらわされる数は

ボタンAを押すと3足されるので
121020
というように下から2つ目の位が1つ増えます。

ボタンBを押すと3倍されるので
1210200
というように下に0が一つ増えます。

333は3進法であらわすと
110100
なので最初の3つまり3進法では10でスタートさせて最短で110100にすると
上から作っていけばいいので
10(B)→100(A)→110(B)→1100(B)→11000(A)→11010(B)→110100
6回となります。

(3)Aでは3を加えるので
(奇数)に3をたすと(偶数)
(偶数)に3をたすと(奇数)
のようにAは偶奇が入れ替わります。

Bでは3をかけるので
(奇数)の時に3をかけると(奇数)
(偶数)の時に3をかけると(偶数)
のようにBでは偶奇はそのままです。

最後に偶数が表示されるということはAは奇数回となります。

Aが1回の時,Bが6-1=5回でAが1つとBが5つを並べて6通り

Aが3回の時,Bが6-3=3回でAが3つとBが3つを並べて6×5×4/(3×2×1)=20通り

Aが5回の時,Bが6-5=1回でAが5つとBが1つを並べて6通り

よって合計6+20+6=12通りとなります。

(4)(2)でやったように
ボタンAを押すと3足されるので
121020
というように下から2つ目の位が1つ増え

ボタンBを押すと3倍されるので
1210200
というように下に0が一つ増えました。

3からスタートより一番下はそもそもずっと3なので
3進法であらわしたものを一番下の0を消して
1からスタートして

ボタンAを押すと一番下の位が1つ増える。
ボタンBを押すと一番下に0が1つ増える

で考えることにします。

逆に戻していくと

一番下の桁が0の時は
Aの逆をして1を減らす
Bの逆をして一番下の0を消す

一番下の桁が0以外の時は
Aの逆をして1を減らすしか出来ないので0になるまでAを連続して使う

ことになります。

36を3進法であらわすと
1100
なので一番下の0を取り除いて
110
で考えます。

seikougakuin_2020_kaisetu.jpg

よって図より7通りとわかりました。

この問題はn進法の問題として類題がある問題です。
普段から色々な問題を解いておくとアドバンテージになるのであらゆる問題を経験しておきましょう!(畠田)

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