数理教育研究会

西大和学園中学校 入試分析 算数 2020(R2)

今回は西大和学園中学を扱います

【入試資料分析】
受験者→合格者(倍率) 合格最低点
男子:1010人→541人(1.86倍) 325点
女子:209人→43人(4.86倍) 365点

今年は女子の合格最低点と倍率が例年より若干ゆるかったです。

【問題分析】
大問1…(1)(2)正統派な計算問題、必ずあわせたい。(3)簡単な仕事算、瞬殺したいです。(4)旅人算というほどでもない旅人算。(5)表に書いて整理で、特に関西の塾ならよく練習していると思います。(6)組み合わせと、完全順列を使いますが何も知らなくて数えあげればいいだけなので大して難しくありません。(7)フローチャートなどで求めましょう、よく練習していると思うので大丈夫だと思います。

大問2…(1)扇型と直角二等辺三角形を足したり引いたりしますが何となく求められると思います。(2)2つのブーメラン型を見つければすぐに出来るので、慣れている子も多いと思います。(3)何度もやらせてきた平行四辺形の比の問題です。(4)平均の高さで瞬殺です。大問2もスムーズに完答していきたい。

大問3…(1)今回はこれを扱います。(2)正四面体の4つの角を切り落とすと真ん中に正八面体が残るネタです。ハイレベルですが典型問題ですね。(3)TRとPCが平行なことに気付けばうまく解けますが、そんなこと考える人あればごり押しで長さを求めて力技で答えを出してしまいましょう。

大問4…見た感じは難しそう、複雑そうに見えますがそんなことはありません。大して場合分けも発生せずに逆にたどってみたりするだけなので満点を狙いたい。
ネタとしては箱は関数のことで逆関数の扱い方が背景にあります。
1:1の関係ならば逆の操作をすると数字は1つに決まりますが、そうでない場合は逆の操作をすると1つには決まらない場合があります。


(問題)R2 西大和学園中学 大問3(1)
①西さんは,紙に1,2,3,4,5,6,7と1から順に7つの数を書きました。このとき,7つの数の平均は[ あ ]です。大和くんが,その中の1つの数である[ い ]を消しゴムで消すと,残りの数の平均は3+1/2となりました。

②次に,西さんは,新しい紙に1,2,3,4,5,…と1から順に,[ う ]までの数を書きました。そして,大和くんが,その中の1つの数である[ え ]を消しゴムで消すと,残りの数の平均は32+1/3となりました。

[解説]
①は簡単に答えます。
7つの平均は(1+7)÷2=4
消した数は合計を考えて
4×7-(3+1/2)×6=7

②機械的に数式は立てられますが、数学の問題としても面倒になってしまいます。
そこで①が誘導になっていないかを考えてみると、7を消すと平均値が4から3.5にかわりました。

一番大きいものを消しても平均値は大してかわらないことがわかります。
つまり32+1/3はほとんど平均値が32から33の間くらいに収まると思われるので64,65,66付近であると予想できます。

本番なら答えが一つに決まるはずなので試してしまったらよいですが、ここではしっかり式を立て説明したいと思います。

[ う ]に入る数をAとおいて
一番平均値が小さくなるのは一番大きなAを取り除いて(1+A-1)/2=A/2
より32+1/3≧A/2から64+2/3≧A

一番平均値が大きくなるのは一番小さい1を取り除いて(A+2)/2
なので32+1/3≦(A+2)/2から62+2/3≦A
これよりA=63か64に絞れます。

更に平均値が32+1/3と分母が3の分数であるということから,合計をA-1で割って平均値になったのでA-1は3の倍数であることがわかります。

したがってA=64と決まります

消した数は合計を考えて
(1+64)÷2×64-(32+1/3)×63=43

とわかりました。

アプローチの仕方がわからないときは前の小問がヒントになっていることが多いので必ず考えてみるようにしましょう。そうすれば差をつけることが出来て合格間違いなしです!(畠田)

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