聖光学院
聖光学院中学校 理科 問題解説&入試分析★2020年(R2年)
今回は聖光学院中学の第1回の理科をとりあげます
【問題分析】
大問1…植物の問題です。結構細かいところまで聞いていますが、勉強しておけば答えられる問題でもあるのでしっかり知識を固めておきましょう。
大問2…太陽と月の問題です。月何個分か、地球何個分かというのは、それぞれの直径が何個入るかということです。少し表現がわかりにくくて戸惑ったかもしれません。(3)の地球から見た時というのは、地球のある地点から見た時ということで月が24時間で公転軌道を一周したように見えるということです。これも地球の中心から見ると、27日で公転するようにも解釈できるので、わかりにくかったかもしれません。
大問3…化学の問題です。(1)は磁性体を答えるのであまり習わないので厳しいかもしれません。(2)もエタノールが溶けるからで選ぶしかなく、(4)も水溶液は電解質のものを選ぶ必要があり知識問題が難しめです。今回は(6)を解説します。
大問4…電磁石の問題です。基本的なことがわかっていれば、わかりやすい問題ばかりであり、時間なくて解けなかったという事態は避けたいところです。
満点を狙いましょう。
(問題)聖光学院中学 理科 第1回 大問3(6)
食塩は,ナトリウム原子と塩素原子が多数結びついた状態で存在しています。原子は,非常に小さい球状の粒であるものとします。次の図は,食塩の結晶の一部を抜き出して描いたものです。○は塩素原子,●はナトリウム原子を表しています。図の①,②が交互に重なって,③のようになっています。結晶の中では,○どうし,●と○は接しているとしたとき,1つの●に接している○は最大( あ )個であり,1つの○に接している●は最大(い)個であることがわかります。
2段目の●に接している○の数は図のように
1段目は真ん中の○
2段目は●を囲む4つの○
3段目は真ん中の○
よって6個あります。
同様に1つの○に接している●は6個であるわかります。
これは高校化学の単位格子の問題で配位数と呼ばれています。
わからない知識問題はいつまでも考えても時間の無駄になります。どんどん進めて考えたら解ける場所は確実に解けば聖光学院に近づきます!(畠田)
聖光学院中学校 算数 問題解説&入試分析★2020年(R2年)
今回は聖光学院の第1回をとりあげます
【入試資料分析】
第1回は受験者数は697人、合格者数は231で実質倍率は3.02倍
科目別得点結果は(科目,満点,平均点,合格者平均,合格最低点)の順に
(国語,150,89.7,103.8,68)
(算数,150,84.1,107.1,60)
(理科,100,75.5,84.4,63)
(社会,100,63.6,70.9,47)
(合計,500,312.9,366.3,342)
算数はここ数年では低めですが、ほぼ例年通りの平均点となりました。
【問題分析】
大問1…(1)基本的な計算問題です、しっかりあわせましょう。(2)群数列です、当たり前のように出来てほしいところです。(3)基本的な時計算。満点を狙いたい。
大問2…今回はこれを扱います。
大問3…旅人算の問題です。ややこしそうですが、ダイアグラムなどを書いて時間の比を書いていくと意外とそんなに難しくなく、勉強しただけ報われます。点数を稼ぎたい。
大問4…立方体の切断や正射影の問題です。(1)正射影からP,Q,Rの位置はわかりやすいとは思います。体積は立方体を半分にして三角すい2つと四角すい1つを取り除くなど少し工夫が必要ですが、あわせたい。(2)△FGHを底面とした三角すいT-FGHとS-FGHとB-FGHは高さ1:2:3です。あまりややこしい図ではないので出来れば正解したい。
大問5…(1)△PAB+△PDE=1/3というように向かい合う三角形の面積の和は正六角形の1/3であることや,△ABCは正六角形の1/6であることなど使います。(2)1/4が二つあるパターンは隣り合う場合と、間に1つ三角形が入る場合の2パターンあります。後は面積が同じことより対称性など利用すれば(1)のように解けます。(3)1/4になるのは向かい合う三角形が1/4と1/12になる時で高さの比は3:1です。そんなに難しいわけでもないので出来れば点数を確保したい。
(問題)聖光学院中学 第1回 大問2
2つのボタンA,Bがついた,数を表示する機械があります。この機械の最初の状では3が表示されており,ボタンを押すことによって,次のように表示される数が変わります。
ボタンAを押すと,押す前に表示されていた数に3を加えた数が新しく表示される。
ボタンBを押すと,押す前に表示されていた数に3をかけた数が新しく表示される。
たとえば,最初の状態からボタンAを押すと6が表示され,次にBを押すと18が表示され,さらにAを押すと21が表示されます。
このとき,次の問いに答えなさい。
(1)最初の状態から,順にB,B,A,A,B,Aとボタンを押したとき,最後に表示される数を答えなさい。
(2)最初の状態から何回かボタンを押して,最後に333が表示されるようなボタンの押し方のうち,ボタンを押す回数が最も少ないのは何回ですか。
(3)最初の状態から6回ボタンを押して,最後に偶数が表示されるようなボタンの押し方は全部で何通りありますか。
(4)最初の状態から何回かボタンを押して,最後に36が表示されるようなボタンの押し方は全部で何通りありますか。
[解説]
(1)計算だけして簡単に答えます。
(3×3×3+3+3)×3+3=102
(2)この問題は3進法であらわすとわかりやすくなります。
例えば3進法で121010であらわされる数は
ボタンAを押すと3足されるので
121020
というように下から2つ目の位が1つ増えます。
ボタンBを押すと3倍されるので
1210200
というように下に0が一つ増えます。
333は3進法であらわすと
110100
なので最初の3つまり3進法では10でスタートさせて最短で110100にすると
上から作っていけばいいので
10(B)→100(A)→110(B)→1100(B)→11000(A)→11010(B)→110100
の6回となります。
(3)Aでは3を加えるので
(奇数)に3をたすと(偶数)
(偶数)に3をたすと(奇数)
のようにAは偶奇が入れ替わります。
Bでは3をかけるので
(奇数)の時に3をかけると(奇数)
(偶数)の時に3をかけると(偶数)
のようにBでは偶奇はそのままです。
最後に偶数が表示されるということはAは奇数回となります。
Aが1回の時,Bが6-1=5回でAが1つとBが5つを並べて6通り
Aが3回の時,Bが6-3=3回でAが3つとBが3つを並べて6×5×4/(3×2×1)=20通り
Aが5回の時,Bが6-5=1回でAが5つとBが1つを並べて6通り
よって合計6+20+6=12通りとなります。
(4)(2)でやったように
ボタンAを押すと3足されるので
121020
というように下から2つ目の位が1つ増え
ボタンBを押すと3倍されるので
1210200
というように下に0が一つ増えました。
3からスタートより一番下はそもそもずっと3なので
3進法であらわしたものを一番下の0を消して
1からスタートして
ボタンAを押すと一番下の位が1つ増える。
ボタンBを押すと一番下に0が1つ増える
で考えることにします。
逆に戻していくと
一番下の桁が0の時は
Aの逆をして1を減らす
Bの逆をして一番下の0を消す
一番下の桁が0以外の時は
Aの逆をして1を減らすしか出来ないので0になるまでAを連続して使う
ことになります。
36を3進法であらわすと
1100
なので一番下の0を取り除いて
110
で考えます。
よって図より7通りとわかりました。
この問題はn進法の問題として類題がある問題です。
普段から色々な問題を解いておくとアドバンテージになるのであらゆる問題を経験しておきましょう!(畠田)
聖光学院中学校 算数 問題解説&入試分析★2018年(H30年)
今回は聖光学院をとりあげます
第1回は受験者数は640人、合格者数は240で実質倍率は2.67倍
科目別得点結果は(科目,満点,平均点,合格者平均,合格最低点)の順に
(国語,150,104.2,93.8,69)
(算数,150,94.1,117.0,62)
(理科,100,65.9,72.9,49)
(社会,100,68.8,74.1,56)
(合計,500,32.5,368.3,341)
です。
やはり算数が受験平均と合格者平均の差が大きいですが,差をつけやすそうな問題だと思います。
それでは実力の差が出そうな旅人算の問題です。
(問題)H30 聖光学院中学校 大問3
聖さんと光さんがP地点からQ地点に向かって,同時に同じ速さで出発しました。光さんは途中で忘れ物に気づき,そのままの速さですぐにP地点に向かって戻りました。学さんは光さんが忘れ物に気づいて6分後に,光さんの忘れ物を持って,P地点からQ地点に向かって出発しました。その後しばらくすると,学さんは戻ってきた光さんと出会い,2人は一緒に学さんが歩いてきた速さでQ地点に向かって進みました。学さんの歩く速さは聖さんの歩く速さと同じだったので,光さんと学さんがQ地点に到着したのは,聖さんがQ地点に到着してから22分後になりました。
もし,学さんの歩く速さが聖さんの歩く速さの5/3倍で,光さんと学さんが出会った後,2人が一緒に学さんが歩いてきた速さでQ地点に向かって進んだとすると,光さんと学さんがQ地点に到着するのは聖さんがQ地点に到着してから24秒後になります。また,学さんの歩く速さが聖さんの歩く速さよりも1分あたり20m速く,光さんと学さんが出会った後,2人が一緒に学さんが歩いてきた速さでQ地点に向かって進んだとすると,光さんと学さんがQ地点に到着するのは聖さんがQ地点に到着してから10分後になります。
このとき,次の問いに答えなさい。
(1)光さんと学さんが出会ったのは,聖さんと光さんがP地点を出発してから何分後ですか。
(2)聖さんがQ地点に到着したのは,学さんがP地点を出発してから何分後ですか。
(3)P地点からQ地点までの距離は何kmですか。
(1)ダイアグラムか状況図かと言うところです。
ダイアグラムでも大丈夫ですが、そんなに複雑ではないので状況図で書いてやってみます。
まず最初の速さが3人とも同じの場合を考えます。
同じ時刻のところは同じ印をつけます。
旅人算では何が一定なのかを考えることが大切です。
3人とも速さは同じで距離が時間に比例するので、距離を時間で考えることができます。
PQは青+緑ですが学さんの□からQまでは22分より青は22分に対応します。
光さんの×からRまで6分より,○からRまでは22-6=16分
よってから△の紫2つは16-6=10分より紫1つは5分に対応します。
したがって光さんと学さんが出会ったのは○から△までの時間で16+6+5=27分後とわかります。
(2)同じように旅人算では何が一定なのかを考えます。
聖さんと学さんが進む距離がPQで同じなので、速さの比と時間の比は逆比です。
速さの比は
聖:学=1:5/3=3:5より
PQにかかる時間の比は
聖:学=5:3
なのでPQを進むのに聖のかかる時間⑤分,学のかかる時間③分とおけます。
時間の差⑤-③=②分は22-24/6=108/5分より
②=108/5
①=54/5
よって聖さんのPQ進むのかかる時間は⑤=54分,求める緑にかかる時間は54-22=32分とわかりました。
(3)同じく何が一定なのかに注目します。
聖さんと学さんは同じPQを進みます。
PQを進むのにかかる時間の比は
聖:学=54:(54-22+10)
=54:42
=27:21
速さの比は逆比で
聖:学=21:27
よって聖の速さ㉑m/分,学の速さ㉗m/分とおけてこの差㉗-㉑=⑥は20m/分より
⑥=20から
①=10/3
聖の速さは㉑=70m/分
よってPQは70×54=3780mつまり3.78kmとわかりました。
がっちりと旅人算で使う考え方がはまる問題です。
同じ時刻は同じ印をつける,距離,速さ,時間の何が一定なのかを考えることを意識して練習して合格点を狙いにいきましょう。(畠田)
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