数理教育研究会

桜蔭中学校算数 問題解説&入試分析★2020年(R2年)

今回は桜蔭中学校の算数を取り上げます。

【入試資料分析】
受験者数532人
合格者数283人
補欠30人
実質倍率1.88
となっております。
ここ数年、合格者数は多めになっております

【問題分析】
大問1…(1)計算問題です、必ずあわせましょう。(2)軽減税率のコンビニのイートインコンをネタにしたような問題です。ただし内容は簡単な差集算です。(3)今回はこれを扱います。

大問2…(1)計算は基礎的な旅人算ですが問題文の読み取りがわかりにくいので注意です。(2)計算自体は簡単ですが勘違いやミスが多く起こりそうな問題です。(b)の②では上から見た図は一番下の段とその一つ上の段が影響することにも注意です。

大問3…(1)3:4:5を使います。(2)△AMBが底面,LNが高さです。(3)表面積を求めるのにALの長さが難しいですが結局3:4:5です。難しいわけではないですが、解けないと差をつけられてしまうので3:4:5を使いまくるであろうというアプローチに慣れておきたいところです。

大問4…(1)LCMセット法の問題です。分子は3と5のLCM15ごと,分母は4と3と5のLCM60ごとに1セットです。一般的に解けなくても全部書き下す勢いでやる力も必要です。(2)①不定方程式の問題です。サラっと解けるようにしておきたい。②は4で割った余りが影響するのは20gだけなのでまず単純に大きい方から足してみて3ずつ減らして調整しましょう。

(問題)R2 桜蔭中学校・算数 大問1(3)
まっすぐな道に柱を立ててロープを張り、そこにちょうちんをつるします。柱と柱の間は5m50cmで、ちょうちんとちょうちんの間は1m35cmです。1本目の柱から35cm離れたところに1個目のちょうちんをつるしました。ロープはたるまないものとし柱の幅は考えません。柱を10本立てて,ちょうちんをつるしました。
① ちょうちんは全部で[ ウ ]個使いました。また10本目の柱に1番近いちょうちんはその柱から[ エ ]cmのところにつるしました。
② 柱から35cm以内の部分につるしたちょうちんは,とりはずすことにしました。ただし1個目のちょうちんはとりはずしません。このとき,つるされたまま残っているちょうちんは[ オ ]個です。

[解説]
①は簡単に答えます。
{550×(10-1)-35}÷135=36余り55
なのでちょうちんは36+1=37本,10本目に一番近いのは55cmのところです。

②全部書いてしまうぐらいの計算力、処理能力もあっていいんですが、どういう風に考えればいいのかというと135で割った余りに注目します。
550÷135=4余り10
なので、ちょうちん4つごとに柱から10cmずれていきます。

ouin_2020_m1-3_kaisetu1.jpg

最初のちょうちんは最初の柱から35cm進んでいましたが1+4=5つめは2本目の柱より25cm進んでいます。
その次は15cm、その次は5cm
そしてその次は5cm足りなくなり、その次は15cm、その次は25cm、35cm,45cm、最後は55cmとなります。

よって7つのちょうちんがとりはずされるので37-7=30本とわかりました。

桜蔭の問題は処理系の問題も多いですが、全部書きくだす訓練も大切です。その上で余りで考える、LCMセット法で考えるなどやることで合格は近づきます!(畠田)

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