算数
渋谷教育学園幕張中学校 算数 問題 解説&入試分析★2019年(H31年)第1次
今回は渋谷教育学園幕張中学の一次をとりあげます。
【入試量分析】
 倍率はここ数年と同じ程度です。
 今年は女子が多いですね。
 男子
 受験者数1380人 合格者数556人
 女子
 受験者数632人 合格者数195人
 合計
 受験者数2012人 合格者数751人 倍率2.7
各教科の平均点では算数の受験者平均と合格者平均の差が例年では10点程度ですが今年は13.8点とかなりあります。
算数は差がつきやすい試験だったと思われます。
 (配点,受験者平均点,合格者平均点)の順で
 国語(100,46.7,54.7)
 算数(100,39.4,53.2)
 社会(75,45.7,51.2)
 理科(75,42.7,52.2)
 合格最低点は188/350
【問題分析】
 〇大問1
 辞書式に並べる順列の問題は1,2,3,4,…と置き換えておくとわかりやすくなります。
 主に高校数学で出される問題ですが,辞書式順列の解法をやってるかどうかでかなりの差がつきそうです。
 (1)
 Aでは1→[1],4→[2],6→[3],7→[4],9→[5],Bでは2→[1],3→[2],4→[3],8→[4],9→[5]と置き換えます。
 [1],[2],[3],[4],[5]から4つ選んで辞書式に並べたときの20番目の数は
 20÷(3×2)=3余り2より上2桁は
 [1],[2],[3],[4],[5]から4つ選んで辞書式に並べた4番目より[1][5]
 残りの桁は[2],[3],[4]から2つ選んで辞書的に並べた2番目で[1][5][2][4]
 よってAは1947,Bは2938
(2)
 [1]はAは1,Bは2よりBの方が大きい
 [2]はAは4,Bは3よりAが大きい
 [3]はAは6,Bは4よりAが大きい
 [4]はAは7,Bは8よりBが大きい
 [5]はAは9,Bは9で同じ。
 よってBの方が大きくなるのは
 [1]…,4×3×2=24通り
 [4]…,24通り
 [5][1]… 3×2=6通り
 [5][4]…6通り
 なので24+24+6+6=60通り
(3)
 [1]では2-1=1だけBが大きい
 [2]では4-3=1だけAが大きい
 [3]では6-4=2だけAが大きい
 [4]では8-7=1だけBが大きい
 [5]では9-9=0で同じ
上の桁から考えていきます。
 [3]が一番差が大きく,2だけBよりAの方が大きいことから
 [3][2][5][1],[3][2][5][4]
 の2つある。
 [3][2][5][1]は2×(4×3×2)+1×(3×2)+2×(2)+1=59番目
 [3][2][5][4]は2×(4×3×2)+1×(3×2)+2×(2)+2=60番目
○大問2
 見た感じからN進数の問題かなって思いますよね。
 1段目は1がいくつあるか
 2段目は3がいくつあるか
 3段目は9がいくつあるか
 4段目は27がいくつあるかの3進法の問題です。
 (1)27
 (2)1+9×2+27×1=46
 (3)2019を3進数であらわすと
 2019÷3=673,673÷3=224…1,224÷3=74…2,74÷3=24…2,24÷3=8,8÷3=2…2,
 より2202210(3)であるので各桁が三角形の個数より
 (2+2+0+2+2+1+0)×1×1×1/2=4.5cm²
○大問3
 表にまとめるなど処理、整理に慣れていれば簡単にできます。
 しかし駅についてからの待ち時間なので頭がこんがらがって焦ってしまいまそうです。
 (1)A君がK駅につくのは2時において15+12=27分
 27÷8=3余り3で8-3=5分待ち
 A君がM駅につくのは15+14=29分
 29÷5=5余り4で5-4=1分待ち
 よってM駅の1分間
 (2)
 ①
 午後2時に出てK駅に行くと12÷8=1余り4で待ち時間8-4=4分。
 M駅に行くと14÷5=2余り4で待ち時間5-4=1分
午後2時に出てそれぞれの駅についてから何分後に電車が出発するかを表にまとめる
 
 待ち時間が同じになるのは36分が共通なので赤の午後2時31分から午後2時36分まで
②
 表の青の部分より3+1+4+2+3+1+4=18分
○大問4
 応用度が高めの典型問題です。
 (1)は何とかなるかもしれませんが、(2)は思いつかなくても見た感じ90°以外にはないので答えはわかりそうです。
 (1)
 
①図より青の補助線を考えると△ABCと△CBFは相似でBV=1/2cm,△ACDと△ACFは合同より
 △ACD=△ACF=(2+1/2)×1÷2=5/4cm²
②図よりDC=CFから△CED=△CFE,△CEF:△CAE=BF:AB=1/2:2=1:4より図のように面積の比がおけて
 CE:CB=(△ACE+△FCE):△ACF=(③+①+①):③=5:3から
 CE=5/3×CB=5/3cm
図のように直角二等辺三角形になるという問題がありますが
 △DOAが赤い直角三角形と合同で,△BOAが青い直角三角形と合同で
 x+yの半分は45°とわかり90°になります。
それでは大問5をとりあげます。
 いかにも渋幕の最後の大問という感じの立体の切断の問題です。
(問題)H31年 渋谷教育学園幕張中学校 第1次 大問5
 図のように、すべての面が平らな立体があり、辺ABと辺EFは平行で、辺BCと辺FG、辺CDと辺GH、辺DAと辺HEもそれぞれ平行です。
 BC上に点Pを,CPの長さが2cmになるようにとります。また、DA上に点Qを、DQの長さが4cmになるようにとります。
 
このとき、次の各問いに答えなさい。
 ただし、角すいの体積は、(底面積)×(高さ)÷3でもとめられるものとします。
(1)3つの点C,D,Fを通る平面でこの立体を切るとき、Aを含む立体の体積とAを含まない立体の体積の比を、できるだけ簡単な整数の比で表しなさい。
(2)3つの点P,Q,Fを通る平面でこの立体を切ると、平面は辺AEと点Rで交わりました。
 ①ARの長さとREの長さの比を,できるだけ簡単な整数の比で表しなさい。
 ②Aを含む立体の体積とAを含まない立体の体積の比を、できるだけ簡単な整数の比で表しなさい。
色々な解き方があると思いますが、難問は断頭三柱を見出して
 (平均の高さ)×(断面の面積)
 に持っていくと解ける問題がよくあります。
 最初の方に考えてみていい解き方です。
(1)
 
 図1のようになるので断頭三角柱二つとみて解いてみます。

 辺ABに垂直な面で切った時の断面の面積の比は図2のように
 (Aを含む方の三角形):(Aを含まない方の三角形)=8:12=2:3より
(AB,EF,DCの平均の高さ)×(Aを含む方の三角形):(EF,GH,CDの平均の高さ)×(Aを含まない方の三角形)
 を考えます。
 (6+6+9)/3×2:(6+9+9)/3×3=7:12
(2)
 ①
 
 図3のようにBA,PQ,FRを延長すると1点Sで交わり赤い三角形の相似比を考えるのが一つの方法です。
 SA:SB=AQ:BP=4:6=2:3なのでSA:AB=2:(3-2)=2:1
 よってSA=2×AB=12cm
 AR:ER=SA:FE=12:9=4:3

 ADに垂直な面で切った時の断面の面積の比は図5のように
 (上の三角形):(下の三角形)=6:9=2:3
 となる。
 よってFFの記号は長さ0として
 (点Aを含む体積):(元の立体の体積)=
 ((AQ,BP,FFの平均の高さ)×(上の三角形)+(AQ,RR,FFの平均の高さ)×(下の三角形)×4/7):(AD,BC,FGの平均の高さ)×(上の三角形)+(AD,EH,FGの平均の高さ)×(下の三角形)
 =((6+4+0)/3×2+(4+0+0)/3×4/7):((8+8+12)/3×2+(12+12+8)/3×3)
 =47:266
 よって47:(266-47)=47:219(畠田)
武蔵中学校 算数 問題解説&入試分析★2019年(H31年)
今回は武蔵中学校を扱いと思います
【入試資料分析】
倍率は例年通りです。
受験者数569 合格者数186で実質倍率3.1
算数は今年は受験者平均が近年ではもっとも低くなりました
教科別の平均点は(満点 合格者平均点 受験者平均点)の順に
 国語(100 74.1 65.6)
 算数(100 55.2 39.4)
 社会(60 38.2 33.4)
 理科(60 37.7 32.2)
 合計(320 205.2 170.5)
 合格最低点185/320
【問題分析】
 ○大問1
 よくあるような約数の問題ですが,程度が高い発展問題まで勉強しておく必要があります。
 (1)素数を書いていって
 2,3,5,7,11,13,17,19,23,29,31
 なので31は小さい方から11番目
 2+3+5+7+11+13+17+19+23+29+31=160
 160=2×2×2×2×2×5
 より2の使い方は0,1,2,3,4,5個の6通り,5の使い方は0,1個の2通り
 よって6×2=12個。
 あまり算数では使わない計算の仕方なので全部約数を書いてもオッケーです。
 (逆数の和)=(約数の総和)÷(元の整数)です。
 約数の総和は(1+2+4+8+16+32)×(1+5)=378
 なので378÷160=189/80
 約数の総和はこれもあまり算数では使わない計算の仕方なのでごり押しで全部足してもいいです。
(2)1×2×3×…×2019は下から0がいくつ続きますか?という問題は5で何回割り切れるかということになりましたが、それと同じ解法の問題です。
 10000÷31=322あまり18
 322÷31=10あまり12
 で322+10=333回
○大問2
 簡単な相似の問題なので満点をとりましょう。
 (1)
 
 緑の直角三角形が相似になります。
 よって図のように長さが⑤,⑦とおけて⑤+⑦=8よりCF=⑤=10/3cmとわかります。
 (2)三角形GFCの面積が10cm²よりGC=10×2÷CF=6cm
 よってAB=6×(2+5)/5=42/5cm
 (3)BF=6+8-10/3=32/3
 8:32/3=3:4より
 高さはAB×4/(3+4)=24/5
 よって面積は32/3×24/5÷2=25.6cm²
○大問3
 点の移動の問題です。
 処理の仕方を練習していたら、簡単な問題かもしれませんが武蔵ではそんなに出ている印象はありません。
 練習不足になっていれば時間がかかったりミスが多くなるかもしれません。
この問題の処理の仕方のポイントは図のように頂点に到達した時の時間を書いていくことです。
 
 (1)25秒までは点QはCからDに向かうので
 5から10秒の間で平行四辺形になるのは15-[3]=[2]から[1]=3秒より5+3=8秒後
 10秒から20秒の間で平行四辺形にあるのは[3]-15=[2]から[1]=15で5+15=20秒後
 (2)8秒後では底辺の長さは2×3=6cm,18秒後での底辺の長さは2×15=30cm
 よって75×30/6=275cm²
 (3)最小になるのは点PまたQが頂点にきたときで40秒ごとに繰り返すので10秒から50秒まで調べます。
 10,20,25,30,40,45秒後を調べると10秒が一番小さいので50秒も一番小さくなり
 底辺の長さが5×2=10なので75×(10+0)/(6+6)=62.5cm²
大問4をとりあげたいと思います。
 武蔵定番の第4問の場合の数の問題です。
 整理や処理の仕方,どこまで手をつけるべきか難易度の見極めなど勉強になります。
 (3)(ア)ぐらいまではとりたいところです。
(問題)H31年 武蔵中学校 算数 大問4
 <図1>のように,たて3cm,横6cmの長方形があります。これを1cmごとに区切ってできる18個のます目に,次の[ルール]で色をぬります。
 [ルール]
 ・それぞれの列について,3つのます目のうち少なくとも1つはぬる。
 ・色をぬったます目の真下のます目はすべてぬる。
 例えば、<図2>の場合,ぬった部分の面積は13cm2,まわりの長さは20cmとなります。次の問に答えなさい。
 
 (1)面積が17cm²となったとき,まわりの長さとして考えられる長さをすべて求めなさい。
 (2)面積が15cm²となったとき,
 (ア)まわりの長さとして考えられる長さをすべて求めなさい。
(イ)まわりの長さが最も長くなるようなぬり方は何通りありますか。
(3)まわりの長さが最も長くなったとき,
 (ア)面積が最も大きくなる場合と最も小さくなる場合の例を1つずつ,右のます目にぬりなさい。
 (イ)ます目のぬり方は(ア)の2通りもふくめて,全部で何通りありますか。
(1)6×3-17=1より1つだけます目を塗らない状態です。
 
 塗らないます目があるのが1または6列目の場合,18cm
 
 塗らないます目があるのが2または3または4または5列目の場合,20cm
(2)
 (ア)塗らないます目は6×3-15=3より3ますです。
 
 まわりの長さが一番小さいのは3×2+6×2=18
長方形に縦の辺が新たに出来ると2cmずつ長くなります。
 よって18,20,22,24cmです。
(イ)両端以外に縦の辺を6つできるようにすればよい。
 1ます塗らない列と,2ます塗らない列が両端以外かつ隣り合わなければよい。
 (1ます塗らない列,2ます塗らない列)=(2,4),(2,5),(3,5),(4,2),(5,2),(5,3)の6通り
(3)縦の辺が出来るだけ多くなればよく、全部で縦が14辺できる。
 (ア)
 
 面積がもっとも大きくなるのは2つの隣り合わず両端でない列を2ます塗らなければよいので例えば2列目と4列目を2ます塗らなければよい。

 もっとも小さくなるのは3ます塗られていない列が3つ隣り合わせないように並び,残りは1ますの列になればよいので例えば
 1列目,3列目,5列目は1ますで残りの列は3ます塗ればよい。
(イ)最も大きくなる場合は4ます塗らない
 最も小さくなる場合は6ます塗らない
 よって4ます塗らない,5ます塗らない、6ます塗らない場合が考えられる。
○4ます塗らない場合
 2ます塗られていない列の組み合わせは
 (2,4),(2,5),(3,5)の3通り
○5ます塗らない場合
 
 2ます塗られていない列が2つと1ます塗られてない列の組みあわせは
 (2ます塗られていない列が2組,1ます塗られていない列)=((2,4),5),((2,4),6),((2,5),3),((2,5),4),((3,5),1),((3,5),2)の6通り
○6ます塗らない場合
 3ます塗られている列3つの組み合わせは
 (1,3,5),(1,3,6),(1,4,6),(2,4,6)の4通り
よって全部で3+4+6=13通り(畠田)
渋谷教育学園渋谷中学 算数 問題解説&入試分析★2019年(H31年)
今回は渋谷教育学園渋谷中学の第1回について書きます。
【入試資料分析】
第1回は比較的男子の倍率は低かったようです。
 受験者数
 男子…168名
 女子…271名
 合計439名
合格者数
 男子…51名
 女子…69名
 合計120名
倍率
 男子…3.29倍
 女子…3.93倍
 全体で3.66倍
【問題分析】
 ○大問1
 小問集合です。
 基本から少し毛が生えた程度なのでしっかりあわせたいところです。
 (1)基本的な計算問題です。
 約分されるであろうと思って整理して計算してください。
 5625/10000×4/3×4/3-37/13×39/185=2/5
(2)渋谷から学校までを[240]mとすると
 行きは[240]÷80=[3]分,往復で[240]×2÷120=[4]分より,帰りは[4]-[3]=[1]分なので速さは[240]÷[1]=240m/分です。
 渋谷駅から渋谷教育学園渋谷中学までは歩いて550mくらいらしいですが計算しやすいように80と120の公倍数を使いました。
(3)7で割ると5余り,13で割ると11余る。
 余りが同じだと解きやすいですが,不足が同じでも解きやすいのでチェックします。
 どちらも不足が2なので7×13-2=89が条件を満たす一番小さい整数です。
 ここから7×13=91ずつ増やせばいいので89+91×(16-1)=1454
(4)A 100gとB 300gを混ぜた400gから100gをとった食塩水はA 100÷4=25g,Bを300÷4=75gで出来ているので,A 100+25=125gとB 75gを混ぜて125:75=5:3で10+(15-10)×5/(5+3)=105/8 %
(5)原価を[100]とすると,定価[110],売価[88],利益は[110]×250+[88]×150-[100]×400=[700]
 これが1750円なので[100]=1750÷7=250円
(6)前からA番目のグループは,分母がA+1の分数がA個続く群数列です。
 1+2+3+…+13=91
 1+2+3+…+13+14=105
 なので14グループ目の100-91=9番目が100個目です。
1/2 | 2/3,1/3 | 3/4,2/4,1/4 | …
 | 14/15, 13/15, 12/15, 11/15, 10/15, 9/15, 8/5, 7/15, 6/15
分母が5になるものは
 分母が5のグループの
 4/5,3/5,2/5,1/5
 分母が10のグループで分子が2の倍数の
 8/10=4/5,6/10=3/5,4/10=2/5,2/10=1/5
 分母が15のグループで分子が3の倍数の
 12/15=4/5,9/15=3/5,6/15=2/5
 よって
 (4+3+2+1+4+3+2+1+4+3+2)/5=29/5
○大問2
 立方体の切断の問題です。
 基本的な処理の仕方を身につけていけていたら点数を堅くとれます。
 (4)だけ少し難しいです。
(1)底面が3/4倍になるので体積も3/4倍
 (2)底面が1/2倍,高さが同じで,すい体なので1/3倍になり,1/2×1/3=1/6倍
 (3)
 
 (赤+青)の体積は立方体と比べて底面の面積が1/2倍,高さが2倍,すい体で1/3倍。(赤+青):赤=8:(8-1)=1:7より立方体から赤の部分を取り除いて
 1-1/2×2×1/3×7/8=17/24
(4)
 
 平面と平面の交わりは直線であり、平面BDHと平面HIKはともに対角線BDの中心と点Hを通るので平面BDHと平面HIKの交わった線はその2点を結べばよい。
 青の部分の体積は立方体と比べて底面積1/2×1/2×1/2倍,高さは同じで,すい体なので1/3倍。
 立方体の半分から青の部分を引いて
 1/2-1/2×1/2×1/2×1/3=11/24倍
○大問3
 今回はこの問題をとりあげます。
○大問4
 そんなに工夫の必要のない回転の問題です。
 ポイントは扇形2つあるので1つずつ回転したらわかりやすい感じです。
 点数をしっかりとりたいですね。
(1)扇形2つです。2×2×3.14×3/4×2=18.84cm²
 
 (2),(3)
 回転前の扇形2つと,回転後の扇形2つを描きます。
 回転軸からの距離が一番近いところと一番遠いところを90度の弧で結べばできあがりです。
 (2)は
 
 6×6×3.14×1/4+2×2×3.14×1/4×6=47.1cm²
(3)は
 
 4×4×3.14×1/4×2+2×2×3.14×1/4×4+2×2=41.68cm²
(問題)H31 渋谷教育学園渋谷中学 算数 大問3
 ある国では,6桁のマイナンバーを全国民に割り当てています。この6桁のうち,十,百,千,一万,十万の位の数は登録した順番に決め,一の位の数は次の法則によって算出した数とします。
①(十万の位の数)×6+(一万の位の数)×5+(千の位の数)×4+(百の位の数)×3+(十の位の数)×2を計算します。
② ①で求めた数を11で割り,余りを求めます。
③ 11から,②で求めた余りを引くことで求められる数をマイナンバーの一の位とします。ただし,2桁になった場合には0とします。
 例: 51457☐…5×6+1×5+4×4+5×3+7×2=80
 80÷11=7…3
 11-3=8
 より,一の位は8となり,この国民のマイナンバーは514578に決まります。
(1)この国のマイナンバーとしてありえないものを,次のア~ウの中からすべて選び,記号で答えなさい。
 ア.111111 イ.101010 ウ.200200
(2)割り当てられたマイナンバーが32☐479であるとき,☐に当てはまる数は何ですか。
(3)役所で,マイナンバーが173591であると申告したところ,ある位の数が1つだけ誤っていると教えられました。その位の数は,正しいものより3小さいことが分かっているそうです。正しいマイナンバーを答えなさい。
(4)この国においてマイナンバーを申告するときに,ある位の数が1つだけ誤っている場合,どの位の数が誤りであるかを必ず判断することはできますか。解答らんの「できる」,「できない」のどちらかに丸をつけなさい。また,その理由を答えなさい。
[解説]
 マイナンバーのチェックディジット,検査数字を元ネタに作られた問題です。
 マイナンバーのことを全く知らなくても正解できるかどうかと全然関係ありません。
(1)上から5桁の数字から③を計算して,一の位と一致しているかを考えます。
 。
 アは1×6+1×5+1×4+1×3+1×2=20
 20÷11=1余り9より③は11-9=2と決まるが,111111は一の位の数が1になっているのでありえません。
イは1×6+1×4+1×2=12
 12÷11=1余り1より11-1=10から③は0ですが、ちゃんと一の位は0になっています。
ウは2×6+2×3=18
 18÷11=1余り7より③は11-7=4ですが,200200は一の位の数は0になっているのでありません。
よってアとウです。
(2)(整数)+(整数)を11で割った余りは,(整数を11で割った余り)+(整数を11で割った余り)を11で割った余りと同じことを使います。
 受験で重要なやり方です。
 ②を考えると
 3×6+2×5+☐×4+4×3+6×2=52+☐×4
 52を11で割った余りは52÷11=4余り8より(52+☐×4)を11で割った余りは(8+☐×4)を11で割った余りと同じです。
 一の位は9より11-9=2から②の(8+☐×4)を11で割った余りは2になる必要があります。
 つまり☐×4を11で割った余りが
 (2+11)-8=5
 になります。
 そのような☐は4×4=16の4のみです。
(3)173591のうち誤っているのは上から5桁の部分か,一の位かの二つのパターンに分けて考えます。一の位が間違えてる場合を忘れそうなので注意してください。
まず②の計算は1×6+7×5+3×4+5×3+9×2=86,86÷11=7余り9
・上から5桁の部分に誤りがある場合
 ③の値は一の位が1より11-1=10が正しいことになるので,②の計算で正しくは余りが1大きくなるはずです。
 ①の計算は3×6=18より誤ることで最大で18小さくなったことに注意すると正しい①は
 86+1=87か86+12=98の2つのパターンになります。
 1大きくなることは無理
 12大きくなるには12÷3=4より千の位が3小さかったことになるので
 正しくは176591となります。
・一の位に誤りがある場合
 一の位に誤りがあれば1+3=4ですが,②の値は9より③の値を計算すると11-9=2よりこの場合はないことがわかります。
(4) (3)の時点で3小さい条件がなければ176591か173592の可能性があるのできないことがわかります。
 つまり
 「できない」
 理由…例えば173591は176591の他に173592の場合も考えられる
他にも②の計算で余りが1大きくなるように
 例えば十万の位の数を2つ多くして2×6÷11=1余り1より373591など色々考えられます。(畠田)
麻布中学校 算数 問題解説&入試分析★2019年(H31年)
今回は麻布中学をとりあげます。
【入試資料分析】
今年は例年に比べて倍率が高い年となりました
出願者数 1037名
 合格者数 376名
 倍率2.76
 最高点 145/200
 最低点 100/200
 配点は国語60点算数60点理科40点社会40点
【問題分析】
 ○大問1
 麻布定番の不定方程式です。
 勉強すれば簡単な分野なので対策をして確実にとりましょう。
(1)A,B,Cの部屋の人数をa,b,cとして
 AとCの温度の差は9-7=2度より
 0.3×a-0.1×c=2
 となればよくて10倍して整理して
 3×a-c=20
 a|7|8|9|…
 c|1|4|7|…
 となるのでBの室温がもっとも高くなるにはBの人数が多い、つまりa+cが小さいときになるので
 (c,a)=(1,7)の場合になります。
(2)
 (1)の組み合わせの時にA,Cの温度が同じになることを利用してやってみます。
 つる亀算のこういう複雑な場合は,表を書いてどう変化していくかを考える整理の仕方があります。
 A,Cの温度をAC,Bの温度をBとして
| a | 7 | 8 | 9 | … | 
| c | 1 | 4 | 7 | … | 
| b | 33 | 29 | 25 | … | 
| AC | 9.1 | 9.4 | 9.7 | … | 
| B | 14.6 | 13.8 | 13 | … | 
でaの人数を1人増やすとACの温度は9.4-9.1=0.3度上がり,Bの温度は14.6-13.8=0.8度下がるので0.3+0.8=1.1度,差が縮まる。
 よって(14.6-9.1)÷1.1=5よりACは9.1から5人分温度があがれよいので
 9.1+0.3×5=10.6度
 関西ではつるかめ算はこういう風に表を書いて処理する方法を教えることが多く,東京では面積図を教えることが多いですが両方使えるようにして大きい人間になりましょう。
○大問2
 ダイアグラムを書いてみるのがお決まりの処理です。
 東京の学校で,しかも麻布となるとダイアグラムをかくとうまく問題をつかみやすいことが多いです。
 まずは何かわからないけど,とりあえずダイアグラムを書くで良いと思います。
 (1)ダイアグラムを書くと
 
青文字のところが10分-9分40秒=20秒=1/3分とわかり
 赤い部分に注目すれば太郎君とバスの進む長さが同じだから時間の比と速さの比が逆比になるので
 (太郎君の速さ):(バスの速さ)=(バスの時間):(太郎君の時間)=(3+1/3):1/3
 =10:1
 とわかりますね。
次の問題のために10:1を使って緑のところが6分と2/3分と求めておきます。
ダイアグラムをかきますが,5/2倍速い太郎君と,バスの速さの比を求めておきます。
 (速太郎君の速さ):(バスの速さ)=1×5/2:10=1:4
 よってかかる時間は逆比より図の赤い部分において③,④,①とおけます。
 すると③=6より①=2分とわかるので☐の部分は1分とわかります。
 緑のところに注目すると1:4を使って時間がそれぞれわかります。
 速太郎君は4分で720m進むので720÷4=180m/分
 太郎君は180÷5/2=72m/分=72÷60m/秒=1.2m/秒
 とわかりました。
○大問3
 切断の問題です。
 きちんと長さを出せば求まるので,正解したいところです。
 
 図より(白い部分):(赤い部分)=(上の平行四辺形):(下の台形)ですが上の平行四辺形と下の台形は高さが同じなので
 (白い部分):(赤い部分)=(7+7):(7+56/11)=22:19
○大問4
 3と7のLCMは21で3,6,…21が9個なので9個のセットに注目して規則性を考えます。
 (1)
 3+6+7+9+12+14+15+18+21=105
 (2)
 簡単な場合で考えてみると
 2番目から10番目の和は
 6+7+9+12+14+15+18+21+24=126
 7+9+12+14+15+18+21+24+27=147
 で21ずつ大きくなるので
 77番目から85番目の和は
 105+(77-1)×21=1701
 (3)
 1番目から99番目の和は
 (1番目から9番目の和),(10番目から18番目の和),(19番目から27番目の和),…,(91番目から99番目の和)
 を考えて初項105,公差が21×9=189の等差数列の1~11番目までの和なので
 (105+105+21×9×10)÷2×11=11550
(4),(2)と同じように考えると
 (1~99番目の和),(2~100番目の和),(3~101番目の和),…
 は21×11=231ずつ大きくなる
 よって(128205-11550)÷231=505より1+501=506番目
○大問5
 今回はこの問題を扱いと思います。
 毎年最後の問題を扱っていますが,麻布は最後の問題に見たことないような自分でその場で規則性を見い出す重厚な問題を出します。
(問題)H31年 麻布中学校 算数 大問5
 中心に回転できる矢印が2本取り付けられた円盤があります。まず,この円盤の円周を7等分する位置に目盛りを振ります。さらに,図1のように,1から7までの数字が書かれた7枚のコインを各目盛りの位置に1枚ずつ置き,2本の矢印を1と2の数字が書かれたコインの方へ向けます。
 ここで,次の【操作】を考えます。
 【操作】矢印が向いてる目盛りの位置にある2枚のコインを入れ替え,その後2本の矢印をそれぞれ2目盛り分だけ時計回りに回す。
 
図1の状態から1回【操作】を行うと図2のようになり,さらに1回【操作】を行うと図3のようになります。
この操作について,以下の問いに答えなさい。
(1)図1の状態から7回【操作】を行うと,7枚のコインの位置と2本の矢印の向きはどうなりますか。下の図に1から7までの数字と2本の矢印をかき入れなさい。
(2)図1の状態から何回【操作】を行うと,1の数字が書かれたコインの位置と2本の矢印の向きが図1と同じになりますか。最も少ない回数を答えなさい。ただし,【操作】は1回以上行うものとします。
 
(3)図1の状態から何回【操作】を行うと,全てのコインの位置と2本の矢印の向きが図1と同じになりますか。最も少ない回数を答えなさい。ただし,【操作】は1回以上行うものとします。
次に,円盤の円周を90等分する位置に目盛りを振り直します。さらに,図4のように,1から99までの数字が書かれた99枚のコインを各目盛りの位置に1枚ずつ,1から順に時計回りに置き,2本の矢印を1と2の数字が書かれたコインの方へ向けます。
 
(4)図4の状態から何回【操作】を行うと,全てのコインの位置と2本の矢印の向きが図4と同じになりますか。最も少ない回数を答えなさい。ただし,【操作】は1回以上行うものとします。
[解説]
 (1)まずは簡単な場合でやってみて、問題をつかめということですね。
 1234567
 ↓
 2134567
 ↓
 2143567
 ↓
 2143657
 ↓
 7143652
 ↓
 7413652
 ↓
 7416352
 ↓
 7416325
 となります。
(2)2本の矢印が元に戻るのは操作が7の倍数の回の時なので操作が7の倍数回のことを考えます。
 肝になるのは操作をシンプル化することです。
 (1)より7回操作をすると1は3の位置に移動するので、これを1→3と書くと
 1→3
 3→5
 5→7
 7→1
 と2目盛りずつ時計回りに進んでいきます。
 よって7回の操作が4回で7×4=28回とわかりました。
(3)奇数の動きはわかったので偶数をみると
 2→6→4→2
 なので2目盛りずつ反時計回りに進んでいき3回の操作で元に戻ります。
 よって7と4と3の最小公倍数を考えたらよいので
 7×4×3=84回
(4)
 7枚のときと同じように考えて99回操作すると奇数は2目盛り時計回りに移動して,偶数は2目盛り反時計回りに移動します。
 よって奇数㋒は50回,偶数は49回で元に戻るので
 99と50と49の最小公倍数を考えて
 99×50×49=242550
 とわかりました。
背景には群論がありますが,肝は操作のシンプル化です。
 こういう処理の仕方、整理の仕方を覚えていくとアプローチできるようになってきます。(畠田)
洛南高等学校附属中学校 算数 2019(H31)入試分析
今回は洛南高等学校附属中学校を取り扱います。
【入試資料分析】
 倍率も平均点も例年通りですが,今回は専願の男子より女子が今回は40点ぐらいあり相変わらず女子の難易度が高いです。
受験者数→合格者数(実質倍率)
 男子:533人→208人(2.56倍)
 女子:286人→79人(3.62倍)
 専願の合格者最低点は男子で201点,女子で240点
 併願は男女255点。
合格者平均点は
 国語:3科型で90.4 4科型で93.5
 算数:3科型で100.7 4科型で90.3
 理科:3科型で58.8 4科型で55.5
 社会:4科型のみで69.7
 総合:3科型で249.4 4科型で246.7
算数はあまり無茶な問題はなく,差が出やすく影響が大きいのでしっかり勉強して点数をとりたいです。
【問題分析】
 ○大問1
 計算問題です。
 単に複雑な計算をするのではなく,意図のある問題ばかりです。
 どう計算していけばいいか,計算問題の解法を勉強して軽く満点とりましょう。
 (1)きっちり括弧や分数が処理が出来るかって問題です。
 1/2-1/3=1/6,1/2÷0.75-4/9=2/3-4/9=2/9
 12×1/6-2/9×9=0
 (2)いっけん等差数列かなと見せかけて、そうでもないですが等差数列と同じように足す順番を工夫すれば良いです。
 93+7=100,89+11=100,83+17=100,71+29=100,59+41=100,53+47=100で相殺されていき真ん中の50が残ります。
 (3)分数の計算を素因数分解に注意しておこないます。
 954-459-25×16+0.4=954-459-400+0.4=95.4
 1/12+1/84+1/210=(35+5+2)/(5×7×12)=42/(5×7×12)=1/10
 なので954
 (4)25の倍数の問題です。
 0.375×24=(0.375×4)×6=1.5×6=9
 2.5×0.625×16=(2.5×4)×0.25×(2.5×4)=25
 25×12=(25×4)×3=300
 125×16=(125×4)×4=2000
 より(9+25)×19-300+2000-14×19=(34-14)×19+1700=2080
 (5)1×1×1+3+5+3×3×3+13+15+17+19+5×5×5+31+33+35+37+39+41
 この並びを見ると1×1×1が1,3×3×3が7+9+11,5×5×5が21+23+25+27+29になれば奇数の足し算になって都合がよさそうですが実際そうなります。
 何故そうなるかと言うと,真ん中がA×AでA個の連続する等差数列の和はA×AがA個でA×A×Aだからです。
 よって41は(41+1)÷2=21で21番目の奇数より和は21×21=441となります。
○大問2
 そこそこ難しい洛南らしい平面図形の問題です。
 わかりにくい問題もありますが、典型的な解法を組み合わせたらできます。
 (1)2つの正三角形が1つの頂点を共有してる問題は,正三角形の性質から辺が同じ長さ,60°から共通の角をひいて同じ大きさの角が見つかり,合同になる三角形が見つかるパターンが多いです。
 この問題も△AGDと△AECが合同です。
 よって∠AGF=60°,∠FEC=∠AGD-∠AEF=60°より∠FCE=∠GAF=14°とわかり
 FB=FCより∠FBC=∠FCBから(あ)=(14°+60°)÷2-14°=23°とわかります。
(2)
 
 図のよう30°の直角三角形は正三角形の半分と考えます。
 同じ角度に印をつけて相似を見つけることできて
 OCの長さは8-2=6cm
 アの面積が4×8÷2=16cm²に対してイの面積は16-4×2÷2=12となり面積は12/16=3/4倍となります。
 よって△OAB:△ODE=1:(3/4)×(3/4)×(3/4)×(3/4)×(3/4)
 =1024:243
 とわかります。
図のように正方形中央について点対称になるように線を引くのが一つのパターンです。1辺の長さが2cmの正方形と1cm,3cmの直角三角形4つができるので
 2×2+1×3÷2×4=10cm²
○大問3
 (1)は少し状況がわかりにくいですが、単純な問題なのであわせたいところです。
 (2)は少しひねられている食塩水の問題です。天秤法を使って図をよく見て対称性に気付けば簡単で,出来れば正解したい。
(1)
 地点AとBの間の距離は
 50×130=6500m
 花子さんが地点AからBまで進むのにかかる時間は39km/時=650m/分より
 6500÷650=10分
 花子さんが地点BからAに戻るのにかかる時間は(6500-1300)÷650=8分
 1往復した花子さんは太郎君がAを出発して10+8=18分後にAを出発し,太郎君は130後にB到達,花子さんは18+10=28分後にBに到達するので18:(130-28)=3:17より花子さんがAを初めて追い越すのでは130×3/(3+17)=19.5分=19分30秒後
 また花子さんの動きは10+8=18分間の繰り返しより
 130÷18=7余り4分より7回繰り返してから,太郎君は4分でBに到達するのでこの間花子さんに追い越されることはなく7-1=6回
オ
 
 図より対称性から④=100gで①=100÷4=25gずつ交換すればよい
カキ
 
 図より⑧/⑩=4/5倍ずつとなり8×4/5×4/5×4/5×4/5=2048/625<4で4回
○大問4
 実際使ってる時計と目盛りと針の進み方が違いますが、やることは時計算と同じです。
 似た問題は多いのでしっかり練習しておきたいです。
 (1)②の条件より短針と重なるのは短針の目盛り9つ進むごとである。
 一周は15目盛りで9と15のLCMは45なので45目盛りで再びOに同時に重なる。
 45÷15=3より短針は3周
 長針は短いを45÷9=5回追い抜いたので3+5=8周
(2)③の条件より長針は12時間で8周するので360×8÷(12×60)=4°/分
 短針は12時間で3周より360×3÷(12×60)=1.5°/分
(3)1目盛りで360÷15=24°
 長針は24÷4=6分ごと,短針は24÷1.5=16分ごとに目盛りを指す
 6と16のLCMは48より48分ごとに同時に目盛りを指すので同時に目盛りを指すのは
 12×60÷48=15回。重なる場合を除いて15-5=10回
(4)6時間から7時間つまり360分間~420分間で48分の倍数は
 360÷48=7余り24より8×48=384だけなので6時間24分後
 そのとき長針は384×4÷24=64より64÷15=4余り4で,4の目盛りを指します。
○大問5
 切断の問題です。(1)は絶対解けないといけません。(2)は水面は図形を傾けるのではなく,底面に平行な面で切った切り口であるという見方をします。典型的なパターンを組み合わせて出来る問題なのでしっかり勉強してとれるようにしておくと差をつけることができます。
 (1)
 
 頂点うちしてください。
(2)
 
 水面は切り口に平行になるので,切り口に平行に切断してできた立体の体積を9で割れば良いので,点I,J,Gを通る平面に平行な面で切っていきます。
 同じ平面内や平行な平面同士では,切り口の直線は平行になります。
 (ア)青い線で切りとられた部分の体積を9で割って
 (6×6×12÷6-(3×3×6÷6)×2)÷9=6秒後
 (イ)赤い線で切り取られた部分の体積を9で割って
 (6×6×6-6×6×12÷6)÷9=16秒後
 (ウ),(ア)と同じだけ水が入ればよいので16+6=22秒後
 
○大問6
 今回はこの問題を扱いと思います。
○大問7
 じゅず順列
 ((総数)-(対称))÷2+(対称)
 の応用です。
 勉強していれば、簡単に確実にとれる問題です。
回転して重なるものも違う並び方として数えたものをA通り,中央に点対称なものをB通りとすると,点対称でないものは120°ずつ回転を考えると重複して3回数えてることになるので(A-B)÷3+B通り
 となります。
 (1)点対称なものはないので2×2×2=8通り
(2)
 
 点対称なものはマス目1,2の塗り方を考えればよいので2×2=4通り
 よって(2×2×2×2×2×2-4)÷3+4=24通り
 (3)点対称なものはマス目1,2,3の塗り方を考えて2×2×2=8通り
 よって(2×2×2×2×2×2×2×2×2-8)÷3+8=176通り
それでは大問6をとりあげます。
 小さい場合で調べて、問題を把握していく練習をしてるかどうかで差ができます。
(問題)H31 洛南高等学校附属中学校 算数 大問6
 0と書かれたカード[0]と1と書かれたカード[1]がそれぞれたくさんあり,それらの中から何枚かのカードを取り出して横一列に並べます。そして,次の<<規則>>にしたがって並べ替えます。
<<規則>>
 カードの並びが[0][1]となっているところのみを,すべて同時に[1][0]に入れ替える。
[1][0][1][0][1][1]は,3回並べ替えると[1][1][1][1][0][0]になりました。
(1)7枚のカードを次の(ア),(イ)のように並べます。それぞれ何回並べ替えると
 [1][1][1][1][0][0][0]になりますか。
 (ア)[1][0][1][0][1][0][1] (イ)[1][0][0][1][1][0][1]
(2)7枚のカードを,[1][ ][ ][ ][ ][ ][1]となるように並べます。
 3回並べ替えると[1][1][1][1][0][0][0]になる並べ方は,何個ありますか。
(3)7枚のカードを,[1][ ][ ][ ][ ][ ][1]となるように並べます。
 4回並べ替えると[1][1][1][1][0][0][0]になる並べ方は,何個ありますか。
(4)10枚のカードを,[1][ ][ ][ ][ ][ ][ ][ ][ ][1]となるように並べます。
 6回並べ替えると[1][1][1][1][ ][ ][ ][ ][ ][ ]になる並べ方は,何通りありますか。
[解説]
 (1)
 まずはやってみて、問題をつかめと言うことです。
 (ア)
 [1][0][1][0][1][0][1]→
 [1][1][0][1][0][1][0]→
 [1][1][1][0][1][0][0]→
 [1][1][1][1][0][0][0]で3回
 (イ)
 [1][0][0][1][1][0][1]→
 [1][0][1][0][1][1][0]→
 [1][1][0][1][0][1][0]→
 [1][1][1][0][1][0][0]→
 [1][1][1][1][0][0][0]で4回
こうやって見ると0を空き,1を球と考えて球は左に移動していき,左が空いていれば移動できる,空いてなければ移動できないと解釈できます。
 ここから簡単に[0]を○,[1]を●と書きます。
一番右の●が左にある●にぶつかると移動するのに回数が増えるので右の方の並べ方で回数が決まることになります。
 一番左は●なので残り2つの●の位置を考えればよくなります。
(A)
 …●●●は
…●●●→
 …○●●→
 …●○●
で以下毎回,一番右の●は移動できるので毎回移動した場合より+2回多くなります。
 これは●の場所が全て決まるので1通りです。
 この場合をAとします。
(B)
 …○●●は
…○●●→
 …●○●
で以下毎回,一番右の●は移動するので+1回
 これは残り●1つを((カードの総数)-4)の場所から選べばよいので((カードの総数)-4)通り
 この場合をBとします。
(C)
 …●●○●は
…●●○●→
 …○●●○→
 …●○●●
で以下毎回,一番右にあった●は移動するので+1回
 これも●の場所が全て決まるので1通り
 この場合をCとします。
他の並びは全て毎回一番右の●が移動します。
(2)
 全部で並べ方は,両端以外の5つの場所から●になるところを2つ選んで
 (5×4)/(2×1)=10通り
 10-(Aの場合)-(Bの場合)-(Cの場合)=10-1-(7-4)-1=5通り
(3)
 +1回になるには
 (Bの場合)+(Cの場合)=(7-4)+1=4通り
(4)
 全部で並べ方は両端以外の8つの場所から●になるところを2つ選んで
 (8×7)/(2×1)=28通り
 一番右の●が毎回移動すればよいので
 28-(Aの場合)ー(Bの場合)-(Cの場合)=28-1-(10-4)-1=20通り(畠田)
東大寺学園中学校 算数 2019(H31)入試分析
今回は東大寺中学を扱います。
【資料分析】
 倍率に大きな変動はありませんでしたが少し高めでした。
受験者数 791名→834名→894名→911名→884名
 合格者数 325名→347名→364名→373名→351名
 実質倍率 2.43 →2.40 →2.46 →2.44→2.52
算数は平均点が例年よりも一番低く,難しい問題はありませんでしたが、点数はとりにくかったようです。
 算数の受験者平均
 51.9点→62.4点→53.4点→53.8点→47.0点
7割とれると、かなりアドバンテージになります!
【問題分析】
 ○大問1
 小問集合ですが最初の計算問題以外の問題は意外に難しいです。
 (1)計算問題ですが,ごり押しではなく約分されるかもしれないので掛け算はそのままにしておきましょう。
 2019÷3=673なので
 674×(1/☐-1/675)-1/675=1/673
 よって
 1/675+1/673=674×2/(675×673)
 より
 674×(1/☐-1/675)=674×2/(675×673)
 から674で両辺割ります。
 (1/☐-1/675)=2/(675×673)
 2/(675×673)+1/675=675/(675×673)=1/673
 より☐=673とわかります。
 このようにかけ算はそのままにして計算して約分するなど複雑な処理よりも,数学的な数式の扱い方が問われています。
(2)消費税ではありませんが消費税のような問題です。
 いきなりどうなるのか考えると難しいので、書いてみます。
 x=10の時,P=10×108=1080,10×1.08=10.8→11,Q=11×100=1100,差1100-1080=20
 x=11の時,P=11×108=1188,11×1.08=11.88→12,Q=12×100=1200,差1200-1188=12
 x=12の時,P=12×108=1296,12×1.08=12.96→13,Q=13×100=1300,差1300-1296=4
 x=13の時,P=13×108=1404,13×1.08=14.04→14,Q=14×100=1400,差1404-1400=4
 x=14の時,P=14×108=1512,14×1.08=15.12→15,Q=15×100=1500,差1512-1500=12
こう見るとPとQの差が12になるのはxに1.08をかけた時に小数部分が88か12の場合であることがわかります。
 更に言うとxに8をかけた時に下2桁が88か12になる場合です。
8の倍数になる条件は
 ・下2桁が8の倍数かつ百の位が偶数→下2桁が88で百の位が偶数
 ・下2桁が4の倍数であるが8の倍数でないかつ百の位が奇数→下2桁が12で百の位が奇数
 です。
 よってxの値は
 88÷8=11,288÷8=36,488÷8=61,688÷8=86
 112÷8=14,312÷8=39,512÷8=64,712÷8=89
 とわかりました。
 11+36+61+86+14+39+64+89=400
(3)シンプルですが意外とわかりにくいかもしれません。
 使うことは
 底辺が共通な三角形の高さの比は面積の比に等しい
 高さが共通な三角形の底辺の比は面積の比に等しい
 と言うことぐらいではありますが、問題を解くときにそんな基礎的なことでもきっちり意識して見つけるようにしていく「高いレベルの解ける」が必要になります。
 
 ① AF:FD=6:5より△EFD=△AFE×5/6=10/3
 ② 赤の三角形と青の三角形は底辺共通よりBA:BE=赤:青=(5+6):(10/3+5)=33:25
 よって△EBD=△AED×25/(33-25)=(4+10/3)×25/8=275/12cm^2
○大問2
 カレンダーの問題です。
 典型的な問題で全部正解が目標ですが1つずれたり,ミスが多発しそうなのでたくさん練習しておきたいところです。
 (1)
 
 うるう年とうるう年でない、ぐるぐるカレンダーでも書いてください。
 2/1と8/1が同じ曜日であることから、うるう年とわかります。
すると1/1と同じなのは4/1,7/1とわかります。
(2)
 1+8+15+22+29=75
 2+9+16+23+30=79
 3+10+17+24=54
 4+11+18+25=58
 5+12+19+26=62
 6+13+20+27=66
 7+14+21+28=70
 より3,4,5日が水曜日として考えられるので
 1日は土曜日,日曜日,月曜日が考えられる。
(3)①
 1+8+15+22+29=75
 2+9+16+23+30=79
 3+10+17+24+31=85
 4+11+18+25=58
 5+12+19+26=62
 6+13+20+27=66
 7+14+21+28=70
 より10月では1,2,3,7日が月曜日として考えれる。
 よって10/1は土,日,月,火曜日が考えられる。
 ぐるぐるカレンダーより6/1より10/1の方が3つ曜日が進むので
 6/1土曜日,10/1火曜日の組み合わせのみ。
 1/1は10/1の1つ前の曜日なので月曜日
②翌年なのでうるう年でない方のぐるぐるカレンダーから2/1,3/1,11/1が一番多い。
 うるう年は366÷7=52…2よりX年の1/1より翌年1/1は曜日が2つ進み水曜日
 2/1はそこから3つ曜日が進んで土曜日
○大問3
 (1)基本的な問題でしっかりミスのないように点数を固めたいです。
 ①直線アについて左側を折り返すと右側の台形の回転体を考えたらよくなることがわかります。
 直線ACのまわりに1回転9×9×3.14×9÷3=243×3.14cm^3
 直線アのまわりに1回転6×6×3.14×9-6×6×3.14×6÷3=252×3.14cm^3
 よって252/243=28/27倍
 ②直線イについて左側を折り返して右側にできた図形の回転体を考えます。
 直線イのまわりに1回転6×6×3.14×6÷3+(3×3×3.14×6-3×3×3.14×3÷3×2)=108×3.14
 よって108/243=4/9倍
(2)この問題を扱いと思います。
○大問4
 旅人算の問題です。
 ダイアグラムを書いて慣れていれば、堅く解ける問題です。
 最後の問題で時間が厳しいかもしれませんが、稼ぎたいですね。
 
 (1)青い2つの三角形の相似を考えると5:4なので12.5×4/5=10分
 (2)進む距離が同じ時,速さとかかる時間は逆比になるので,中学生が小学生を追い越した地点からDまでの距離について赤い2つの三角形の底辺の比に注目すると,小学生と中学生のかかる時間の比は
 (10+16):(10+35/3)=6:5
 より中学生と小学生の速さの比は6:5
 (3)AB:BC=5:4,AB:BD=12.5:16=25:32より比をあわせてAB:BC:CD=25:20:12なので
 DC:CA=12:45=4:15
 緑の2つの三角形は図のようにおけて⑥=12.5+10×15/4=12.5+37.5=50
 より①=50÷6=25/3から8分20秒とわかりました。
それでは
 大問3の(2)をとりあげます。
 問題はシンプルで解き方も複雑ではありませんが,意外と解けない問題です。
 問題にどうアプローチしていくか問われます。
 (問題)H31 東大寺学園中学校 算数 大問3番(2)
 大小2個の正三角形ABCと正三角形PQRを下の3つの図のように重ねました。
 【図1】RQとBCが平行で,AがRQの真ん中の点と重なる。
 【図2】RQとBCが平行で,PがBCの真ん中の点と重なる。
 【図3】RQとBCが平行で,3つの正三角形ア,イ,ウがすべて合同になる。
 
 それぞれの図において,正三角形ABCと正三角形PQRが重なっている部分の面積(図の塗りつぶした部分)を考えます。【図1】において,正三角形ABCと正三角形PQRが重なっている部分の面積は10cm^2で,【図2】において,正三角形ABCと正三角形PQRが重なっている部分の面積は14cm^2でした。
 ①正三角形PQRの面積を求めなさい。
 ②【図3】において,正三角形ABCと正三角形PQRが重なっている部分の面積を求めなさい。
[解説]
 ①
 
 図のようにAがRQの中点でそれぞれ正三角形になっていくので合同な4つの正三角形になり10÷2×4=20cm^2
②
 
 図2から図3に動かしていくと,どうなるか考えてみます。
 まず図2では重なっている部分は14cm^2より正三角形PQRの小さい正三角形ウ’の面積は(20-14)÷2=3cm^2になります。
 そして図2の正三角形PQRと図3の正三角形PQRは対応している点同士の長さはすべて同じ長さになります。
 正三角形ア、イ、ウの一辺の長さを[2]とすると緑の部分が合同になります。紫の部分が長さが等しくなり[2]となるので
 ウ’は一辺の長さ[3]とわかります。
 よってウとウ’の面積の比は2×2:3×3=4:9よりウの面積は3×4/9=4/3
 したがって重なっている部分の面積は20-4/3×3=16cm^2(畠田)
灘中学校 算数(2日目)2019(H31)入試分析 その1
灘中学校、算数2日目をとりあげます。
【入試資料分析】
 今年の算数2日目の特徴は1日目と同じで平均点がここ10年でも一番低いことです。
 受験者平均,合格者平均の差はそんなに大きいわけでもありませんでした。
 そして大問の数が4から5に増えました。
受験者平均
 (H24)71.4,(H25)54.9,(H26)49.7,(H27)52.7,(H28)50.8,(H29)48.4,(H30)54.8,(H31)44.5
 合格者平均
 (H24)86.2,(H25)70.3,(H26)63.9,(H27)64.6,(H28)61.2,(H29)62.4,(U30)69.2,(H31)56.8
ただし問題の内容としては去年にかなり近く,近年の試験を中心に傾向を分析し対策をすればそれだけ成果が出やすかったと思います。目標は6割。
 今年も高校数学の考え方が背景にある問題がほとんどです。
 大問1は合同式(mod)
 大問2は群数列
 大問3は空間図形
 大問4は数と式,整数問題
 大問5は積分の体積の問題で使う断面を考えて体積を求める
 これは高校数学を勉強すればよいという極端な話ではなく,過去問などの算数の問題を通してどのような数学的背景があるか考察,研究しましょう。
 そのためには何度か解いてみたり,類題や他の難関校の問題などもたくさん練習するなど対策の仕方はシンプルです。
 努力が合格点につながっていきます!
【問題分析】
 ○大問1
 4桁の整数Aは百の位の数字が0です。Aの十の位の数字と一の位の数字を入れ替えて4桁の整数Bを作ります。4018と4081のようにAもBも7の倍数となるようなAは全部で何個ありますか。次のヒントを参考にして答えなさい。ただし,4018と4081の2個も含め,AとBが等しい倍も含めます。
 ヒント
 4081-4018=63=9×(8-1)
 4082-4028=54=9×(8-2)
 1000=7×143-1
 
 [解説]
 前回の灘1日目の大問4でも解説したように高校数学で並ぶ合同式の考え方を勉強していると安定して解けます。
 もはやヒントが合同式の考え方に誘導しています。
合同式は
 NとN’をそれぞれPで割った余りが等しいということを
 N-N’=(Pの倍数)
 で扱ってこれを
 N≡N’ (mod P)とあらわします。
これを考えることにより何が便利になるのかというと
 N+M≡(NをPで割った余り)+(MをPで割った余り)
 N-M≡(NをPで割った余り)-(MをPで割った余り)
 N×M≡(NをPで割った余り)×(MをPで割った余り)
 のように足し算,引き算,掛け算をしたものの余りを考えるときは,それぞれの整数の余りで足し算,引き算,掛け算をして考えればいいところです。
まず
 4081-4018=63=9×(8-1)
 4082-4028=54=9×(8-2)
 の使い方はAとBは7で割った余りが等しくないといけません。
 このことをA-B=(7の倍数)で扱います。
AとBが7で割り切れなければならないのを,まずはAとBを7で割った余りが等しい,つまりA-Bが7の倍数って考え方に至るには合同式の考え方を練習したかどうかが大きく差が出てしまいます。
ヒントから(AとBの差)=9×(下2桁の二つの数の差4)なので,AとBが7で割った余りが等しくなるには下2桁の二つの数の差が0も含めて7の倍数であればよくなり
00,11,22,33,44,55,66,77,88,99,07,18,29
 の場合しかないことがわかります。
次に4桁の整数が7の倍数でないといけませんがヒントの
 1000=7×143-1
 は1000は7で割ると1不足する(余り6になる)数として扱います。
 なので千の位をNとすると
 N×1000は1×N=N不足する数として扱えばよくなります。
すると4桁の整数
 1000×N+(下2桁)
 は
 (7で割るとN不足)+(下2桁を7で割った余り)
 として扱えばよく,これが7で割り切れるようになればよくなります。
つまり
 (Nを7で割った余り)=(下2桁を7で割った余り)
 となればよくなります。
下2桁は7で割ると
 余り0は00,07,70,77の4つ
 余り1は22,99,29,92の4つ
 余り2は44の1つ
 余り3は66の1つ
 余り4は11,88,18,81の4つ
 余り5は33の1つ
 余り6は55の1つ
千の位Nを7で割ると
 余り1は1,8の2つ
 余り2は2,9の2つ
 残りは全部1つです。
4桁の整数の個数は
 4×1+4×2+1×2+1×1+4×1+1×1+1×1=21個
 とわかりました。
○大問2
 1から52までの数が書かれたカードが,左から数が小さい順に次のように並んでいます。
 [1] [2] [3] [4] … [51] [41]
 これらのカードを次の手順で並べ替えます。
2の倍数が書かれたカードが左にあるものから順にすべて取り出し,取り出した順に左から並べます。その並びの右側に,取り出していないカードを順番を変えずにすべて並べます。このとき次の(A)のような並びになりました。
 (A)[2] [4] [6] … [52] [1] [3] [5] … [51]
(A)の状態のカードについて,3の倍数が書かれたカードを左にあるものから順にすべて取り出して同様の手順で並び替えました。そのときの状態を(B)とします。
 (B)の状態のカードについて
(1)左から1番目,2番目,3番目にあるカードに書かれた数を答えなさい。
(2)[1]は左から何番目にありますか。
(B)の状態のカードについて,4の倍数が書かれたカードを左にあるものから順にすべて取り出して同様の手順で並べ替え,次に5の倍数が書かれたカードを左にあるものから順にすべて取り出して同様の手順で並び替え,さらに6の倍数が書かれたカードを左にあるものから順にすべて取り出して同様の手順で並び替え,最後に7の倍数が書かれたカードを左にあるものから順にすべて取り出して同様の手順で並び替えました。
(3)左から1番目,2番目,3番目にあるカードに書かれた数を答えなさい。
(4)[31]は左から何番目にありますか。
(5)左から31番目にあるカードに書かれた数を答えなさい。
[解説]
 群数列のような問題です。
 グループ(群)にわけて考えて
 1、まずどのグループに入るか
 2、そのグループの中で何番目か
 が基本的な方針になります。
(1)まずは具体的にやってみましょう
 1,2,3,4,…,52
 2の倍数を取り出すと
 (A)2,4,6,…,52,1,3,5,…,51
 3の倍数を取り出すと
 (B)6,12,18,…,3,9,15,…,2,4,8,…,1,5,7,…
 となります。
(2)
 (B)は
 [3の倍数または2の倍数][3の倍数でないかつ2の倍数でない]
 とグループ分けできる順番になっていて1は[3の倍数でないかつ2の倍数でない]のグループの一番左です。
 [3の倍数または2の倍数]のグループの個数を考えて
 52÷6=8余り4,52÷3=17余り1,52÷2=26より
 17+26-8=35個
 よって35+1=36番目です。
(3)
 グループに分類して,どのグループに入っていて,その中で何番目か細かく見ます。
一番左に並ぶものは[7の倍数]のグループなので
 7,14,21,28,35,42,49
 が並んでいます。
 このうち6の倍数の42が一番左にあることになります。
 その次に5の倍数の35,その次に4の倍数の28の順番に並んでいることになります。
(4)31は素数なので一番右の
 [7,6,5,4,3,2の倍数でない]のグループのところに入ります。
 このグループに入る数を書き下すと素因数が7より大きい素数だけで出来た数(11×11=121の時点で52をこえるので結局11以上の素数)と1になります。
 1,11,13,17,19,23,29,31,37,41,43,47
 この順番のまま並ぶことになるので31は右から5番目
 つまり左から52-5+1=48番目とわかります。
(5)左から31番目と言うことは右から52-31+1=22番目です。
 右から数えた方が早いかもしれません。
 一番右のグループ
 [7,6,5,4,3,2の倍数でない]は(4)より12個
 それより一つ左にあるグループ
 [2の倍数かつ7,6,5,4,3の倍数でない]は
 2×1,2×11,2×13,2×17,2×19,2×23の6個
 この時点で12+6=18個です。
 もう一つ左にあるグループ
 [3の倍数かつ7,6,5,4の倍数でない]は
 3×1,3×3,3×9,3×11,3×13,3×17
 の6個で順番もこのままです。
 だからこの二義から22-18=4番目の3×9=27となります。
一応最後の状態を書くと
 42,35,28,21,14,7,49 | 30,12,24,36,48,6,18 | 20,40,15,45,10,50,5,25 | 4,8,16,32,44,52 | 3,9,27,33,39,51 | 2,22,26,34,38,46 | 1,11,13,17,19,23,29,31,37,41,43,47
 となります。
 ただ,この問題の場合は細かく全て順番を知ることでなく,まず大きくグループ分けするという大局的な見方を練習しているか問われてると思います。(畠田)
開成中学校 算数 問題解説&入試分析★2019年(H31年)
今回は開成中学をとりあげます。
【入試資料分析】
 受験者数は例年通りでした。
受験者数1159人,合格者396人,倍率2.9
算数の合格者平均は易化した去年よりは下がりましたが、難易度が簡単というわけでもないところ7割6分と高く,特に高い処理能力が求められたように思います。
合格最低点218点
 各教科の平均点は
 (合格者平均 全体平均 満点)の順に
 国語(50.1 43.6 85)
 算数(64.6 51.0 85)
 理科(65.2 61.7 70)
 社会(52.1 48.3 70)
ハイレベルな難問というタイプではありませんが,初めて見るような問題をどうアプローチするか,典型的な問題の高いレベルでの習得が求められます。
【問題分析】
 ○大問1
 速さの基本的な解法を組み合わせて解く問題です。
 たくさん練習しておいて,正確に早く点数をとりたいところです。
 
ダイアグラムを書いて距離が同じとき,時間の比は速さの逆比になることで比をおいていきます。
 K君がおばさんの家から引き返してS君に出会うまでと,S君に出会ってからおばさんの家につくまでの時間の比は
 80:100=4:5
 S君が自宅からおばさんの家までスイカを1つ持っていく時と,S君が自宅からおばさんの家までもし一人でスイカを2つ持っていくとかかる時間の比は
 60:80=3:4
 S君ちK君が出発して2個目のスイカをおばさんの家まで運び終わるまでの時間と,S君が自宅からおばさんの家までもし一人でスイカを2つ持っていくとかかる時間の比は
 15:16
 よって比合わせをして図の赤い数字のようになります。
 (1)(④+⑤)÷㊽=3/16倍
 (2)(距離の比)=(時間の比)×(速さの比)より
 ㊱×80:④×100=36:5で5/36倍です。
 (3)(速さの比)=(距離の比)÷(時間の比)より
 K君のスイカ1つの速さとS君のスイカ1つの速さの比は
 36/㊱:(36-5)/(㊱+④)=40:31
 よってS君のスイカ1つの速さの比は80×31/40=62m/分
○大問2
 立体の切断と射影の問題です。
 大問1に続き基礎的なことを組み合わせて解く問題で,しっかり練習しておいて素早く正確に解けるように仕上げる必要があります。
 (1)
 
切断の基本的な解き方として例えばPRを延長して底面EFGHが乗っている平面との交点とQを結び、後は平行な面において切り口の直線が平行になるように書いていきます。
 切り口は六角形になります。
 次の問いのために12:9=4:3より図のように赤文字のところ長さ3cmとわかります。
(2)
 
 前から見ると図の斜線部のようになるので長方形AEFBの面積は
 228+12×9÷2+4×3÷2=288cm^2よりAE=228÷20=14.4cmとわかります。
 次の問いのために14.4-9=5.4cm,5.4×4/3=7.2cmとだしておきます。
上から見ると図の黒い斜線部のようになり,青い斜線部は平行四辺形であることに注意してください。
 赤文字のように12+7.2-4=15.2cmと長さがわかり
 8:15.2=10:19,7.2:16=9:20なので赤文字のように⑩,⑲,⑨,⑳とそれぞれ長さがおけます。黒い斜線部の面積を考えて
 20×㉙-8×⑩÷2-16×⑳÷2=266
 より①=7/10よりAD=㉙=20.3cmとわかります
○大問3
 この問題をとりあげようと思います。
○大問4
 開成らしい初めて見る問題でどのようにアプローチしていくのか練習と,過去問を研究して心構えが出来てる必要があります。
 最後の問題で時間も厳しく,そう簡単でもないので(2)(a),(b)くらいまでとれたら大問1,2,3でミスがあっても合格者平均のレベルを保てます。
 アプローチは(1)のようにとりあえず具体的にやってみることです。
 (1)
 A12 B56 C78 D34 E9T [1]→
 A1T B52 C76 D38 E94 [2]→
 A1T B52 C76 D38 E94 [1]→
 A19 B2T C65 D37 E48 [2]→
 A× B× C65 D× E×
 (2)(a)どこから手をつけていいかわかりにくいですが,とりあえずよくわからないままにやってみましょう。
 限定的なことだけ考えればいいので結構できるもんです。
 ●[x]
 最初の[1][2]の操作後のCはDに3がないと仮定すると最後にD38より3を持っているからCに3があったということになります。3が移動してくるには相方は3より小さい数1か2ですが1の場合は奇数同士で×になります。
 なのでC23の場合しかないことがわかります。
 ●[y]
 後半の[1][2]の操作後でDは3を受け取りD38になるので最初の[1][2]の操作後は8を持っていたことになります。
 この時,相方は8より大きいので,9かTですがTの場合は偶数同士で×になります。
 よってD89しかありません。
 ●[z]
 最初の[1][2]の操作後でC23 D89なので一番初めはCの小さい方の数は2か3のどちらか,Cの大きい方の数は8か9のどちらかですが偶数同士、奇数同士では×になるので
 一番最初はC29かC38しかないことがわかります。
 (b)これもどこから手をつけたいいかわからないように見えてよくわからないままにやると限定的なことだけ考えればいいので意外とわかります。
 一回目で負けないことから
 A,B,C,D,Eどれもが
 大きい方の数は全て偶数,小さいの方の数は全て奇数か
 大きい方の数は全て奇数,小さいの方の数は全て偶数か
 のどちらかです。
 ただし1より小さいものはない(またはTより大きいものはない)ので
 小さい方は1,3,5,7,9
 大きい方は2,4,6,8,T
 2とのペアは1しかないので12はペア
 …
 と考えていくと12 34 56 78 9Tのペアとなります。
 つまりハートよりもスペードの方が1大きいとわかります。
 (c)この問題は最後の問題であり,それなりの場合分けも必要になって厳しいと思います。
 最初の操作[1][2]の後Dが3を持つことがわかりました。
 一番最初は12 34 56 78 9Tのペアですが34というペアでは4が移動するので一番最初は
 D34と決まります。
 すると最後はDが8を持たないといけないので一番最初は78についてはC78かB78のどちらかになりますがC78では8が最後にEまで移動してしまうのでB78と決まります。
 8がBからDまで2回移動するには間のCで9以上,Dが最後まで3が残るには2がDに移動してきてはいけない
 となるとCは56で決まります。
 これで一番最初はB78 C56 D34となっていますが最後はEに6が移動してくることになるのでこの時偶数同士になって消える必要がありますが1は移動しないのでE9T,A12と決まります。
 A12 B78 C56 D34 E9T [1][2]→
 A1T B72 C58 D36 E94
それでは大問3をとりあげます。
 場合分けしてイチイチ解法で足しあげて処理をしても解けるし,小問の意味を考えてうまく解く方法もあります。
 うまい解法がいつでも思いつくわけでないのでイチイチ解法で素早く正確に処理できるように練習しておくのが基本的な戦略になりますが,ここではせっかくなので出題者の意図に沿ったと思われる解法を紹介したいと思います。
 (問題)平成31年 開成中学校 算数 大問3
 空間内または平面上にひかれた道を進んで,点Aから点Bまで移動するとき,その移動経路が何通りあるかを考えます。
 (1)<<図1>>は一辺の長さが1の立方体を4個組み合わせて,横幅2,高さ2,奥行き1の直方体をつくり,その直方体と点A,Bを結ぶ道をつけたものです。図の中で点Aと点Bを結ぶ太線が,通ることのできる道です。
 <<図2>>は一辺の長さが1の立方体を4個組み合わせて,横幅4,高さ1,奥行き1の直方体をつくり,その直方体と点A,Bを結ぶ道をつけたものです。<<図1>>と同じく太線で表された道を通ることができます。
これらの道を,右,上または奥のいずれかの方向に進むことで,点Aから点Bまで移動するとき,考えられる移動経路は,<<図1>>,<<図2>>のそれぞれについて何通りありますか。
 
 
(2)<<図3>>は一辺の長さが1の正方形を2個並べて,横1,縦2の長方形をつくり,その長方形と点A,Bを結ぶ道をつけたものです。図の中で点Aと点Bを結ぶすべての道が,通ることのできる道です。
 <<図4>>は一辺の長さ1の正方形を3個並べて,横3,縦1の長方形をつくり,その長方形と点A,Bを結ぶ道をつけたもので,<<図5>>は一辺の長さが1の正方形を6個並べて,横3,縦2の長方形をつくり,その長方形と点A,Bを結ぶ線をつけたものです。それぞれ<<図3>>と同じく,点A,Bを結ぶすべての線を道として通ることできます。
次のような規則に従ってこれらの道を通り,点Aから点Bまで移動することを考えます。
規則「一回あけ左に1進み,それ以外は右または上に進む」
ただし,進む方向を変更できるものは正方形の頂点の場所だけです。点Aにもどったり,点Bからもどったりはできません。また,規則に従うかぎり,同じ道を2回以上通ることも可能です。
このとき,<<図3>>の点Aから点Bまでの移動経路は10通りあります。では,<<図4>>,<<図5>>のそれぞれについて,考えられる移動経路は何通りありますか。
 
 
 
[解説]
 (1)<<図1>>については平面の2×3の場合と同じなので(5×4)/(2×1)=10通りとわかります。
 <<図2>>については
合計で上に1回,右に4回,奥に1回進むので上に進むことを↑,右に進むことを→,奥に進むことを↗であらわすと移動経路は
 ↑,→,→,→,→,↗
 を並べる方法と対応させることができます
ただし↗は一番右の→と一番左の→の間に入ります。
→○→○→○→
 この3つの○の場所から↗が入る場所を選んで3通り
 例えば一つの並び
 ○→○↗○→○→○→○
 に対してこの6つの○の場所から↑が入る場所を選んで6通り
よって3×6=18通り
(2),(1)がどう関係してくるのかを考えると
 左に戻るという操作を上に進むと解釈します。
 
<<図4>>の図形を二つ用意して,左右に1,上下に1ずらして正方形の頂点同士を上下に結んで出来た道の移動経路と対応させることできます。
 これは<<図2>>と同じなので18通りとわかります。
 
 <<図5>>も同じように二つ用意してずらして道を作ると
 合計で上に2回,右に4回,奥に1回なので移動経路は
 ↑,↑,→,→,→,→,↗
 を並べる方法と対応させることができます
 ただし↗は一番左の→と一番右の→の間に入ります。
→○→○→○→
 の3つの場所から↗が入る場所を選んで3通り
例えば一つの並び
 ○→○↗○→○→○→○
 に対して6つの○の場所に↑2つが入る場所は
 2個が同じところに入る場合6通り
 2個が別々に入る場合は(6×5)/(2×1)=15通りより合計6+15=21通りより
 3×21=63通り
(注,重複組み合わせを知っていると6つの場所から重複を許して2個選方法は6H2=7C2=21と求められる)
(畠田)
甲陽中学校 算数(2日目) 2019(H31)入試分析
甲陽算数第一日に続いて第二日をとりあげたいと思います。
前回の第一日の記事でも書いたように平均点が
 54.0→56.3→61.4→53.1→47.5→54.3→58.3→40.3
 と近年ではかなり低く、難しい試験になりました。
しかし奇問であるというわけではなく、わかりやすく典型的なお題ではあったのでしっかり勉強してると差をつけることができたと思います。
 ハイレベルな典型問題をしっかりやりこんでいきましょう。
 第二日の目標は6割です。
【問題分析】
○大問1
 どちらもレベルが高めの典型問題の解法を使う問題です。
 しっかりあわせたいです。
 (1)アはブーメラン型に見えるので,ア=72°+○+●を考えると○+●を求めればよくなります。○○+●●+72°=180°より○+●=54°とわかりア=72°+54°=126°です。また△+×=(180°-94°)÷2=43°で,三角形の外角を考えるとイ=72°+○より同様にして
 イ+ウ+エ+オ=72°+○+72°+●+94°+△+94°+×=429°
 (2)連続する整数の和に分解する方法は
 ○(真ん中の整数)×(奇数個)
 ○(真ん中2つの整数の平均値)×(偶数個)
 の二つでした。
 連続する個数が最も多くなるのは
 1000=2×2×2×5×5×5
 より奇数個の時は5×5=25個,真ん中の整数2×2×2×5=40
 偶数個の時は2×2×2×2=16個,真ん中2つの整数の平均5×5×5÷2=62.5で奇数個の方が多くなり,一番小さい数は40-12=28,一番大きい数は40+12=52とわかります。
○大問2
 レベルが高い問題集に載ってるような典型問題です。よく勉強している人はばっちりとれたと思います。
 (1)
 
 図のようにダイアグラムをかくと点対称になっていることがわかります。
 これがこの問題のポイントです。
 なのでAとBが1回目に出会った時はQから17.5kmの地点なのでPから42-17.5=24.5kmです。
 (2)24.5:17.5=7:5より上りと下りの速さの比は5:7です。
 したがって図のように比がわかって
 [5]+[7]-[7]×5/12=327分より[1]=36なので[5]+[7]=432分=7時間12分より8時12分とわかります。
 (3)上りは[7]×5/12=35分で17.5km進むので17.5÷(105/60)=10km/時
 下りは10×7/5=14km/時より静水時の船の速さは(14+10)÷2=12km/時,川の流れの速さは(14-10)÷2=2km/時
○大問3
 よく見かける問題ですが(2)はAからBなどに直行しても時間があまるところに気を付けて解く必要があります。しっかりあわせて得点を稼いでおきたいところです。
 (1)Aを扇型ABCが三つより10×10×3.14×60°/360°×3=157cm^3とわかります。
 (2)
 
 Aから面ABCを通っていく場合,青色のところのようにBやCに到達すると5秒余るので台に5cmの円がそれぞれでき,BCを通過してまっすぐ進むと半径15cm,中心角60°の扇形になります。他の二面も考えると図のようになり
 半径5cmで中心角60°の扇形が3つと,半径15cmで中心角60°の扇形3つより
 5×5×3.14×60°/360°×3+15×15×3.14×60°/360°×3=392.5cm^2
○大問4
 図形を回転させる問題です。
 回転の中心となる点からの距離が最大と、最小を考える解法を勉強して身についているかどうかです。
 勉強の成果は反映されやすい問題です。
 (1)
 
 操作①において点Dからの棒までの距離が最大の点の回転は赤色と緑色,最小の点の回転は青色の線になります。
 面積は4×4×3.14÷2-4×4÷2×3.14÷4-4×2÷2×2=10.84cm^2
 (2)
 
操作③において点Fからの棒までの距離が最大の点の回転は赤色.最小の点の回転は青色の線になります。
 面積は10.84÷2+4×4×3.14÷4+4×4÷2+8×8×3.14÷4-8×8÷2×3.14÷4=51.1cm^2
 
○大問5
 今回はこの問題をとりあげます。
○大問6
 複雑ではありますが,影の問題をしっかり勉強して解法を駆使すればきっちり解ける問題です。
 (1)
 
Pの高さとピラミッドの頂点の高さの比は120:60=2:1より,Pから頂点までの線分を二倍に伸ばして影の頂点に対応する点を考えて,影は赤い三角形となります。
 30×60÷2=900m^2
(2)
 
 ドローンがQにいるときを考えると,Qの高さとピラミッドの頂点の高さn比は90:60=3:2より,Pから頂点までの線分を三倍に伸ばして影の頂点に対応する点を考えて,影は緑の三角形となります。
 よってドローンがPからQまで移動すると,影の頂点に対応する点が紫の線分のようになり,紫の斜線部の面積を求めて
 150×150-60×60-150×90÷2-60×150÷2=7650m^2
大問5をとりあげます。
 どれが重複していて、引くことで何が欠けるかなど考えるとややこしくなり頭が痛くなりそうです。
 しかしサイコロ2個振る問題のようにまず表を書いていって規則性の問題のように対処すると,頭を痛めずに求められます。
 色々な処理を吸収していきましょう!
(問題)H31 甲陽学院中学校 算数(第1日) 大問5番
 A,Bはともに1以上100以下の整数とします。次のようになるA,Bの選び方は何通りありますか。ただし,例えばAが1, Bが3の場合と,Aが3,Bが1の場合とは別の選び方とします。また,AとBが同じ数である場合もふくみます。
 (1)AとBの積が3の倍数となる選び方。
(2)AとBの積が9の倍数となる選び方
(3)AとBの積が27の倍数となる選び方。
[解説]
 (1)1以上100以下には3の倍数が100÷3=33余り1より33個なので
 (Aが3の倍数)+(Bが3の倍数)-(AとBともに3の倍数)=33×100+33×100-33×33=5511通り
1以上100以下には9の倍数が100÷9=11余り1より11個
 表より
 Aが9の倍数またはBが9の倍数になるところは
 11×100+11×100-11×11=2079個
 Aが3の倍数かつBが3の倍数になるところは33×33=1089個
赤い重複になっているAとBともに3の倍数で少なくとも一方は9の倍数になるところは
 33×11+33×11-11×11=605個
よって
 2079+1089-605=2563通り。
(3)
 
 1以上100以下には27の倍数が100÷27=3余り19より3個
 表より
 AとBともに3の倍数で少なくとも一方は9の倍数になるところは605個
Aが27の倍数またはBが27の倍数になるところは
 3×100+3×100-3×3=591個
図の赤い重複になっている,AとBともに3の倍数で少なくとも一方は27の倍数になるところは
 33×3+33×3-3×3=189個
よって605+591-189=1007通り
(畠田)
甲陽中学校 算数(1日目) 2019(H31)入試分析
甲陽学院中学算数1日目の問題をとりあげたいと思います。
【入試資料分析】
 受験者数 389名→363名→350名→349名→317名→382名→369名→402名→393名
 合格者数 218名→216名→219名→219名→215名→220名→219名→222名→220名
 実質倍率 1.78倍→1.68倍→1.60倍→1.59倍→1.47倍→1.74倍→1.68倍→1.81倍→1.79倍去年に引き続き今年も例年より高めの倍率となりました。
各科目の得点情報は算数1日目は平均点が高かったですが2日目の平均点はかなり低くく1日目と2日目の問題の難易度の差が激しい結果になりました。
 受験者平均
 国語① 64.9→49.4→63.1→62.0→56.5→53.6→55.2→56.9
 国語② 59.9→59.0→69.5→49.3→60.7→59.7→52.8→60.8
 算数① 56.0→49.8→60.3→62.1→58.3→58.9→62.1→63.8
 算数② 54.0→56.3→61.4→53.1→47.5→54.3→58.3→40.3
 理科  54.7→52.1→67.9→53.7→59.8→56.9→47.9→62.8
 合格者平均
 国語 132.0→114.9→138.1→117.7→125.4→119.9→117.1→125.2
 算数 128.6→122.6→138.3→127.2→119.0→130.5→141.4→122.6
 理科 58.8→58.1→71.7→57.1→59.8→60.6→53.3→67.6
算数の(①の平均点)+(②の平均点)は
 110.0→106.1→121.7→115.2→105.8→113.2→120.4→104.1
 これと合格者平均との差は
 18.6→20.5→16.6→12→13.2→17.3→21→18.5
結果として算数合計でも例年より低めとなりました。
しかし対策すれば解けるような問題ではあったので,算数で差をつけることも出来る試験でもあったと思います。
 第一日の目標は8割です。
【問題分析】
 ○大問1
 基本問題のうち捻ったものがうまく出題されています。
 正解してほしいところです。
 (1)
 
 点Oについて対称に弦を描けば円から正方形を取り除いた部分の4等分したものとわかります。
 (10×10×3.14-10×10)÷4=53.5cm^2
 今年の灘の1日目でも同じ解法が使える問題がありました
(2)上に2回,右に2回,斜めに1回進めばいいので,進み方は↑↑→→↗の並べ方と1対1に対応する。よって並べ方は↗の場所は5通り,残り4つの場所から2つ選んで↑↑を入れて
 5×(4×3÷2)=30通り
 数学的な解き方ですが,この解き方でなくてもどの斜めの線を通ったかで場合わけして全部足すなどして求められます。
 力技で求めることも大切なことです。
○大問2
 特に何もない普通のニュートン算の問題です。素早く正確にあわせておきたいです。
 (1)(2)始めにたまっていた水の量を☐cm^2,排水口1つが1分で排出できる水の量を①cm^2とすると
 ☐=(④-270)×24
 ☐=(⑤-270)×16
 これで(④-270)×24=(⑤-270)×16より①=135,☐=(135×4-270)×24=6480
 とわかります。
 (3)6480÷(135×7-270)=9.6より9.6分
○大問3
 正六角形を6つに正三角形に分割して正三角形のマス目で比を考えるよくある問題です。
 しっかりあわせたいですね。
 (1)
 
 青の三角形は正六角形の2/6=1/3です。
 HI:BD=1:2,HIとBDを底辺と考えると高さの比は5:4になるので
 18×1/3×1/2×5/4=15/4cm^2とわかります。
 (2)
 
 (緑+赤)の三角形は青の三角形と底辺が同じ長さで高さは2/3
 赤の三角形は正六角形の1/24より
 (18×1/3)×2/3-18×1/24=13/4cm^2
○大問4
 特に何もない普通の旅人算です。
 基礎をしっかり練習して素早く正確に固めておきましょう。
(1)円周の一周の長さを[90]とすると,A,B,Cは[30]ごとに等間隔に並んでる状態から出発することになります。それぞれの速さの差は
 A-B [30]÷6=[5],A-C [60]÷20=[3],これらの差から
 C-B [5]-[3]=[2]でCがBに追いつくのは[60]÷[2]=30分後
 (2)Aの速さは[90]×10÷30=[30]/分
 Bは[30]-[5]=[25]/分より[90]÷25=3分26秒
 Cは[30]-[3]=[27]/分より[90]÷27=3分20秒
○大問5
 よくある普通の回転体の問題です。
 確実にとりましょう!
 (1)
 
 赤の三角形を緑に移動させると,相似から半径が3×4/5,高さが5cmの円柱となり
 12/5×12/5×3.14×5=90.432cm^3
 (2)ADを母線にした円すいの側面と,BCを母線にした円すいの側面と,ABが回転することで出来る円柱の側面の和なので
 (3×12/5×3.14)×2+12/5×2×3.14×5=120.576cm^2
○大問6
 間違えるとしたらこの問題です。
 最後の問題で時間も少ないし焦りやすいので,規則性の問題の解き方にどれだけ慣れているかがポイントです。
(問題)H31 甲陽学院中学校 算数(第1日) 大問6番
 次のように数が並んでいます.ただし,1行目には1から19までの19個の整数が並んでいます。
 
 (1)5行目の一番左の数はないですか.
(2)19行目の数は何ですか.
(3)これらの数全体の中に17の倍数は何個ありますか.
[解説]
 (1)
 
 書きくだして48になります。
 このように実際書いてみて,規則性を見いだすように誘導されています。
(2)
 
 1から5までの整数なら,(1+5)÷2=3を3-1=2回4倍して3×4×4=48
 同じようにやると1から19までの整数なら,(19+1)÷2=10を10-1=9回4倍して
 10×4×4×4×4×4×4×4×4×4=2621440
(3)
 
 赤い矢印のように両端以外の整数を4倍すると2段下の整数になります。
 1行目の17からは右から3個目で,4倍ずつしたのが縦に3個並びます。
 2行目の17からは左から8個目で同様にして、4倍ずつしたのが縦に8個並びます。
 よって17の倍数は3+8=11個とわかります。(畠田)
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